「やっと来たわね!」
ギルドに入ると、ここに居る筈の無い人物があり得ない組み合わせで居た。
だがその視線にフーカは違和感を覚える。
サラのゴンザレス太郎への視線がまるで想い人に送る視線だからだ。
勿論好感度MAXは未使用なのはフーカも理解している。
しかし、直ぐにその視線を落とす。
フーカはサラの影にニセバスチャンが隠れている事をスキミングで見抜いた。
次の瞬間、自らの存在を見抜かれたニセバスチャンが本能でフーカを排除しようと攻撃を仕掛けた。
だが!
「ほぅ?!お見事です」
瞬時に影から鋭い突きを繰り出したニセバスチャンの手は、フーカの前に出たゴンザレス太郎によって掴まれて止まっていた。
それと同時にマコトの剣が首元に、ジルの杖が背中に、ニセバスチャンを攻撃する意思表示を示し、メールの結界が周囲を包み込み、デニムはギルドマスターの前で盾を構え、ヤバイは鼻くそほじってた。
魔界では実力が全て、不意打ちは受ける方が悪いと教わっていたサラはニセバスチャンの行動よりもゴンザレス太郎に庇われたフーカが気に入らなかった。
それも以前と違い、ニセバスチャンの動きに反応して反撃をしようとしたが、ゴンザレス太郎が庇った事でフーカは甘えて抱き付いてこれ見よがしに『私のナイトよ』っと目でサラを見ていたのが更に気にくわなかった。
だが、自分の態度次第でシェルターの魔者達の今後が決まるのを理解しているので、フーカに何かを言うこと無く頭を下げる。
「ごめんなさい、私の執事が失礼したわね」
その態度に一番驚いたのはニセバスチャンであった。
そして自らの軽率な行動を反省し、頭を下げて謝罪をする。
「申し訳ございません、大変失礼な事を…」
「ヤベェ?!鼻血止まらねぇ!?」
ニセバスチャンが謝罪を述べようとしたところに、鼻をほじったせいで鼻血が止まらなくなったヤバイが騒ぎ出す。
緊迫した空気は一気にほぐれ、自らの鼻の穴にポーションを流し込もうとして変な姿勢で居るヤバイにサラも吹き出した。
場の空気はすっかり変わり、警戒心なんて何処へやら…
「ブフゥー!もぅ、なんなのよー」
そのサラの言葉を皮切りにゴンザレス太郎。
「今回だけは許しますが次フーカに何かしようとしたら…」
ゴンザレス太郎の笑顔、だがその目は決して笑っていない。
ニセバスチャンは目の前の人間の子供に恐怖を感じた。
魔王様と対峙した時以来の感覚に…
(なるほど、お嬢様が惹かれる訳ですな)
っと納得し改めて謝罪と感謝を述べるのであった。