異世界ツクール   作:昆布 海胆

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第94話 フーカ&サラ vs 龍鬼群

「炎王球!」

「炸裂ライトニングボルト!」

 

二人の魔法が怒濤の勢いで鬼の山に向かって飛ぶ!

宛ら戦艦から放たれる連続砲撃の如く!

サラは得意の巨大な炎の塊を両手で作り出し、連続して交互に投げ放つ!

フーカはゴンザレス太郎から聞いた話を元にオリジナルの魔法を組み立てて使用した!

かなり距離が離れているにも関わらず二人の魔法は次々と鬼の山に着弾し、豪炎と飛び散る雷撃が山の一角を崩す。

人間ピラミッドの足場が崩れるように、下の鬼が倒れた事で山になっていた鬼の山の上にいた鬼が下の鬼の上に落ちて潰された。

棒倒しの砂が崩れる様に鬼達が落下し、何匹も死んではいるが焼け石に水とは上手く言ったものである、その数は減ってる筈だが見た目は何も変わらない。

それでも次々と襲い掛かる二人の魔法は確実に鬼を焼き感電させ、確実にその数を減らしている様に見えてはいるが、それも一時的なモノである。

実際は死んだ鬼の体を苗床に死んだ数の倍以上の数の鬼が数十分後には産まれるのだ。

 

「本当にこんなのでどうにかなるの?!」

 

愚痴りながらサラは炎王球を放つ。

ここはゴンザレス太郎の『プロアクションマジリプレイノ』の効果範囲内、なので現在発動中のコード『射程無限』の効果により二人の魔法は普段ならあり得ないこの距離でも問題なく鬼の山まで飛んでいく!

遠距離とはいえ的がどこに当たっても倒せるものだから精度よりも威力を意識できるのも大きかった。

倒した分だけ神力も補充される為、この状態が暫く続くと思われていた時にそいつらはやってきた。

 

「来たわね龍鬼!」

 

空を飛ぶ長い体を持つ龍鬼!

まさに龍の名に相応しく空を飛ぶこいつらがサラとフーカの相手だ!

空を飛ぶ龍鬼20匹程が向かってくるその光景はまさにこの世の終わりを想像させる光景であった。

1匹でさえSSSランクの魔物よりも強いとされる龍の守備力と鬼の攻撃力を持ち、更には灼熱のブレスまで吐く空の帝王を相手に二人は…

 

「あんたとはまだ話したい事があるんだから死ぬんじゃないわよ」

「サラ、意外と優しいのね」

「ばっ違うわよ!あんたが死ぬとアイツが悲しむでしょ!」

「タツヤはきっとやってくれる、だから頑張ろっ!」

 

二人の元に数匹の龍鬼のブレスが降り注ぐ!

だがフーカの張った結界でブレスは飛散し、途切れた所にサラが炎を極限まで絞った高圧縮された魔法を放つ!

 

「アトミックレイ!」

 

本来なら空気に飛散され数メートル先にまでしか届かないサラのかくし球、この距離では直ぐに消えてしまうそれはゴンザレス太郎の『射程無限』の効果でまさに炎のレーザーとなり龍鬼の一匹を貫く!

 

「お互い大変な人に惚れちゃったね」

「っ?!」

 

フーカの一言に顔を真っ赤にするサラであった。


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