救助訓練でガタキリバ
「さて、今日のヒーロー基礎学だが、オールマイトに俺、そしてもう1人のプロヒーローの下行う」
「内容は昨日から一新……人命救助訓練を行う!」
「そんでコスチュームだが、着るかどうかは各自の判断に任せる。状況によってはかえってコスチュームが足枷になる場合もあるからな。」
「場所はここから遠いからバスで行くぞ。……あまり時間をかけるなよ?」
相澤先生の声と共にクラスはドタバタと準備を始める。俺はメダジャリバーを担ぎ、セルメダルで作りだした鞘に収めて覚悟を決めた。
「……行くぞ」
「さ、本番でどこに行くかは別として……覚悟は決まりましたね?」
「……あぁ!」
ウヴァとドレミーの声に覚悟を決めた宇覇が答える。そして3人でバスへと向かった。
「みんな!バスに乗った順に席に座るんだ!」
飯田が早速委員長らしく皆を先導する。
◇◇◇バス内◇◇◇
「くそう……こういう形だったか……!不覚!」
「意味なかったね!」
「ぐおぁぁぁぁ!!」
飯田がバスの席の構造が予想と違うことに悔しがり、それを芦戸が慰めようとするが、逆効果だったようだ。
「緑谷ちゃん。私って、思ったことはなんでも口に出しちゃうの」
カエルっぽい見た目の蛙吹が突然緑谷に言いだす。
「え、えっと……蛙吹、さん?」
「梅雨ちゃんと呼んで?貴方の個性……オールマイトにそっくりだわ」
「!!?? そっそうかな!? どこにでもあるありふれた個性だと思うけど……」
((やっぱり分かりやすいな(ですね)。))
(もっとマシな誤魔化し方を覚えさせなければな……)
宇覇とドレミーが明らかに挙動不審な緑谷を微笑みながら見て、ウヴァは隠し事が得意でない緑谷をそっち方面で鍛えようか考えていた。そこに切島が割り込む。
「そうだぜ梅雨ちゃん!第一オールマイトは自分の個性でケガしねぇって!こいつのは似て非なるものじゃねぇか?」
「それにしても、増強型は派手でいいよなぁ!俺の硬化は優秀っちゃ優秀なんだが、いかんせん地味なんだよなぁ……」
切島が自身の個性にコンプレックスがあることを打ち明ける。だが、ヒーローマニアの緑谷にはそんなもの関係ない。どんどん切島を褒めちぎる。
「そんなことないよ!プロにも通用する凄い個性だって!」
「プロなぁ!でもよ、プロヒーローって人気商売な所あるじゃねぇか。そうすると地味なのは致命傷なんじゃねえかなって思うんだ。」
「僕のネビルレーザーは派手さも強さもプロ並み☆」
「でもお腹壊すのはよくないよ!?」
「……☆」チーン
青山の自信をまたもや芦戸が砕いて青山の表情を暗くする。
「やっぱり強さと派手さを兼ね備えた奴と言えば爆豪に轟、ドレミーちゃんに破巌、そんで宇覇だよな!」
「私は……まぁ強いですね。客観的に見ても」
「でもドレミーちゃんはどっちかと言うと派手さというよりはシュールさに磨きがかかってるような……」
「そう言われると嬉しいぜ……!」
「やっぱ破巌はシンプルさと強さが兼ね備わってるよな!」
「……そうか」
「あたりめぇだ!」
「昆虫パワーは舐めちゃアカンぜよ!」
「そう言えば宇覇ちゃんの個性は色々な能力を持ってるわよね?シルエットと色からして虫なのは分かってたのだけれど……具体的にどんな個性かは知らないわね。たまにメダルを身体から出して食べてるし……」
「あー、それ気になってた!宇覇の個性って一体なんなんだ?」
「そう言えば俺の個性ってドレミー以外には説明してなかったな。ちょうどいいし説明するか!」
上鳴の言葉に5人がそれぞれの反応をする中、蛙吹が皆が思っていた疑問を発する。宇覇もちょうどいいかと説明に入る。
「まずは個性名!個性の名前は『ガタキリバ』!頭はクワガタ、腕はカマキリ、脚はバッタの異形型だ!何故かクワガタホーンは電撃が出るけどそこは気にすんな!」
「そんで分身能力とメダルについてだな!分身能力……俺はブレンチシェイドって呼んでる能力は一体につきこの…コアメダルが3種類必要なんだ。逆に言えばコレが用意出来れば無限に分身できるし、どれだけ分身しても強さはそのまま。全部オリジナルだから本体だけを倒す……みたいなのも不可能さ!」
「えっ……それ最強じゃね?」
「そうでもありませんよ?大量の数には強力な範囲攻撃が効くものです。私の場合悪夢を見せてストレスで精神破壊なんて芸当もできるので最強とは言えないですね。ですがオールマイトには恐らく……時間さえかければ勝てるかと。単体相手には持久戦を仕掛けて疲れさせればいいので」
「次にメダルについてだな!大きく分けてコアメダルとセルメダルが存在して、コアメダルは破壊不可、セルメダルはヤミー、屑ヤミーっていう人口生命体を作り出せる。あとはこれ1枚でバイクとかを動かせるエネルギーになったり、俺とウヴァに取って食料にもなる……と、こんなもんかな!」
「…なにそれつおい……」
「上鳴、あんたアホになってるよ?」
「そろそろ着くぞ。話してないで準備しろ」
ひと通り説明を終えた宇覇の傍で上鳴がアホな言葉を発して耳郎にツッコミを入れられる。すると相澤先生がもうすぐ着くことを告げる。
◇◇???◇◇
「これ……USJかよ!?」
「はい!これぞ僕が設計した、『嘘の災害や事故ルーム』……略して!U ・ S ・ J!」
(((ホントにUSJだった!!)))
「HAHAHA!私も来ちゃった!」
「オールマイト!」
(((朝イチでのヒーロー活動は自重したか(みたいですね。))))
どうやらオールマイトは朝イチでの勤務を根津校長に止められたのか最初からいるようだ。すると、宇宙服を着たプロヒーローの正体に麗日が気づく。
「スペースヒーロー『13号』だ!私、ファンなんだよね!」
「13号君は救助に秀でたヒーローだ!レスキューについては私なんかよりも学ぶことも多いだろう!」
「オールマイト……僕もそこまででは……」
「HAHAHA!むしろ私はどちらかというとレスキューが苦手な方なんだ!この体格と個性の都合上、瓦礫とかは吹っ飛ばさなければいけないからね!下手をすれば救助対象を危険に晒してしまう!今回はどうすれば自分の個性で安全に救助に行けるかも学んで欲しい!そういった障害も乗り越えてこそプロヒーローってもんさ!」
「オホン。では、お小言を2つ、3つ、4つ……」
((((増えてる……))))
「ご存知の方もいるかもしれませんが、僕の個性は『ブラックホール』。吸い込んだモノをチリに変えます。」
「それで炎や土砂を吸い込んで救助をしているんですよね!」
「はい。ですが……」
「『人を簡単に殺せる個性』でもあります。」
「「「!!」」」
「今でこそ、法律によってヒーロー以外は公共の場での個性の使用は制限されていますが、1歩間違えれば、簡単に人殺しにもなってしまうでしょう。皆さんにもそのような個性を持つ人はいるのではないでしょうか?」
「「「……」」」
「今日の授業では、貴方達のチカラが人を助ける為のものだというのを学んで帰ってくださいね?」
「ハイ!」
「ステキー!」
ズズズ……
「! お前たち、動くなよ!」
13号の演説が終わると共に広場から黒い渦が出現し、大勢の人が出現する。
「なんだ?もしかして入試の時みたいにもう始まってるパターン?」
瀬呂の疑問を相澤が否定して警戒体制に入る。
「違う!あれは……ヴィランだ!」
「おぉ……やっぱりカリキュラム通りだ。オールマイト……お前を殺す。黒霧、女、お前は13号の始末だ。ここは脳無と俺で何とかする」
『どうかお気をつけて……』ズズズ……
「私に指図するな……」
「チッ……いい加減従えよ……まぁいい。いくぞ、脳無」
転生者は宇覇君を除き8人までの予定だけど、アリ?ナシ?
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アリ
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ナシ