待合室
「皆準備は出来てるか!?もうじき入場だ!!」
「コスチューム着たかったなー……」
「公平を期すため着用不可なんだってよ。」
「普段つけているマスクとか個性でついてるやつははOKなんだって。だから私のこれはセーフらしい」
「普通科とかはコスチューム無いもんな…あっ、この菓子美味しい。」
「ふっふっふっ……特訓の成果を活かして戦いますよ……!」
「ウヴァ、今回は俺だけでやるそうだ。ウヴァがいるといろいろと不都合があるって先生から言われた」
「そうか、頑張るんだぞ宇覇。たとえ俺が居なくても強いと証明しろ!」
皆が思い思いの方法で時間を潰していると、突然轟が緑谷に声をかける。
「轟君……何?」
「客観的に見ても実力は俺の方が上だと思う。」
「へ!?うっ、うん……」
自分でも当たり前だと思っている事を言われた緑谷は、キョトンとしていた。
すると次第に轟の語気が強まる。
「お前、多分オールマイトに目ェかけられてるよな?別にそこ詮索するつもりはねぇが…お前には勝つぞ」
「おお!?クラスナンバー3候補が宣戦布告!?」
「急に喧嘩腰でどうした?直前にやめろって……」
轟の宣戦布告に、上鳴達はざわつき切島は仲裁に入った。
「仲良しごっこじゃねぇんだ。何だっていいだろ」
「轟君が何を思って僕に勝つって言ってんのか…は、分かんないけど… そりゃ君の方が上だよ…実力なんて大半の人に敵わないと思う…客観的に見ても…」
「緑谷も、そーゆーネガティブな事は言わねぇ方が……」
緑谷が自分を卑下すると切島がフォローしようとするが、緑谷は前を向いてさらに続けた。
「でも……!みんな、他の科の人も本気でトップを狙ってるんだ。僕だって遅れをとるわけにはいかないんだ! 僕も本気で獲りにいく!」
「……おぉ。」
そう言った緑谷の目に迷いはなかった。
すると轟は僅かに目を見開き、少し困惑したようだ。
それぞれの思いを抱え、A組生徒達は入場した……
『雄英体育祭!! ヒーローの卵たちが我こそはと鎬を削る、年に一度の大バトル!! どうせテメーらアレだろ!?こいつらだろ!!?ヴィランの襲撃を受けたにも拘わらず鋼の精神で乗り越えたスティールエッグ!!!ヒーロー科ァ!!1年〜!A組だろぉぉ!?』
プレゼントマイクの紹介と共に、A組の生徒達が入場する。
「わあああ…人がすんごい…」
「大人数に見られる中で最大のパフォーマンスを発揮できるか…!これもまたヒーローとしての素養を身につける一環なんだな」
「めっちゃ持ち上げられてんな…なんか緊張すんな爆豪…!」
「しねえよただただアガるわ」
「そういえば選手宣誓はどうするのですか?」
「喧嘩売る。そんだけ」
「宇覇君は好戦的なんだね……」
ドレミーが選手宣誓をどうするか宇覇聞くと、宇覇は喧嘩を売ると宣言して煉黒に驚かれる。そんな中プレゼント・マイクが次々と生徒の紹介をする。
『B組に続いて普通科C・D・E組…!!サポート科F・G・H組も来たぞー!そして経営科………』
普通科、サポート科、経営科の生徒達も入場する。
だが、あからさまにヒーロー科ばかりが注目されているので特に普通科の生徒達は不満そうだった。
「選手宣誓!!」
過激なコスチュームをした18禁ヒーロー『ミッドナイト』が、壇上に立ちピシャンと鞭を鳴らした。
「18禁なのに高校に居てもいいものなのか……?」
「いい!」
思わず呟く常闇に被せ気味に峰田が肯定する。
「静かにしなさい!!選手代表!!1ーA 分倍河原 宇覇!」
「ハイ!」
「そういえば宇覇さんが首席でしたね……」
そうドレミーが言うと、普通科の女子生徒が嫉妬なのか付け足すように言った。
「ヒーロー科の入試な」
壇上に立つ宇覇。彼が言う選手宣誓は……
「宣誓!今回の体育祭はヒーロー科が総なめします!なので努力してないだらけていた普通科の方はそうならないように精々頑張ってください!上から待ってます!悔しいならPlus ultraしてみな!以上!選手宣誓に見せかけた宣戦布告でした!」
「調子乗んなよA組コラァ!!」
「ふざけんなテメーーー!!!」
「死ねぇーーーーー!!!」
「その角へし折ってやるーーー!!!」
「どんだけ自意識過剰だよ!!この俺が潰したるわ!!」
当然B組や他の科の生徒達は怒りを宇覇にぶつけた。
同じA組の生徒からも、非難の声が上がった。
「何をやっているんだ宇覇君!!??」
「こっちにヘイトが向かってんじゃないか!」
「あらら……これは私たちも頑張らないとですね……」
「うっわ〜…大胆すぎんでしょ……」
「そうだな、手抜き野郎や努力不足の奴は帰れって言ったつもりなんだが、ダメだったか?」
「「「いやダメでしょ!?」」」
そんな騒ぎの中、壇上ではミッドナイトが競技の説明をする。
「さーて、それじゃあ早速第一種目行きましょう!」
「雄英って何でも早速だね」
ミッドナイトの説明に、麗日がツッコミを入れる。
「いわゆる予選よ!毎年ここで多くの者が涙を飲むわ!!さて運命の第一種目!!今年は……コレ!!!」
ミッドナイトが指し示すプロジェクターには、『障害物競走』と書かれていた。
「障害物競走…!」
「計11クラスでの総当たりレースよ!コースはこのスタジアムの外周、約4km!我が校は自由さが売り文句!ウフフフ…コースさえ守れば何をしたって構わないわ!さぁさぁ、位置に着きまくりなさい…」
説明が終わると意図的に狭めに設計されたであろうスタートゲートが開き、ゲート上部に設置されたランプが点滅を始める。
「まだ、まだアレは温存です……!」
「さて、アレで行きますか!」
「……見てろよ、ウヴァ。お前の言う通り俺1人で十分だって証明してやる」
横一列に並んだ宇覇、ドレミー、煉黒の3人は原作知識により競技の内容を知っているので適切な力加減を知っている。ハナから1位は狙っていなかった。もちろん狙っているのは安全な2位。
ハチャメチャになる雄英体育祭が今、始まる!