個性『ガタキリバ』   作:プリズ魔X

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準々決勝でガタキリバ

轟 対 宇覇

 

「いいか?俺は右だけでお前に勝つ」

 

試合直前、俺は轟に呼び止められる。

 

「……訳を話せ。話はそれからだ」

 

「…………分かった。お前のことだろうから俺の親父がエンデヴァーなのは知っているな?」

 

「あぁ。……その火傷、エンデヴァーに?」

 

「いや、俺の母さんにつけられた。……俺の親は個性婚で結婚した。母さんは親父に無理矢理病院に入れられて、それっきり会っていない。俺は親父が憎いんだ。母さんをあんなにしたあいつが……家族を壊したあいつが憎い!だからあいつのチカラの象徴である左は使わない。母さんのチカラの右だけで勝ってあいつを否定するんだ!」

 

「……そんな覚悟でヒーロー、なれると思ってるのか?」

 

「!」

 

「確かに話を聞く限りお前の親父さんはクソッタレだね!……でもな、プロヒーローとしては誰にも負けない奴だと思うぜ?オールマイトとは違うベクトルではあるだろうけど、途中で歪んじまったのかもしれねぇけど、伊達でNo.2を張ってねぇぞ、あいつは。人を助けるのに手は抜かねぇ、常に全力。それがプロヒーローだ。……だけどお前はどうだ?半分の力だけで勝つ?寝言は寝てから言うもんだ。……轟、お前のそのやり方はお前の親父と同じことなんだぞ!それをやったらお前はクズなプロヒーローの仲間入りだ!否定したいなら、全力で戦えよ!勝って、勝って、お前の、お前だけの力だって証明してみせろ!」

 

「……」

 

俺の言葉に轟は押し黙る。

 

「別に今すぐやれって訳じゃねぇ。俺との戦いの途中でもいい。その次でもいい。けどな。楽して助かる命なんて無いんだよ!いつかは向き合わないと何処かで大きく後悔するぞ!」

 

「宇覇……分かった。お前とは全力で戦う」

 

「そうだ!それでこそヒーローを目指す者、轟 焦凍だ!」

 

 

轟は俺の説得で少し吹っ切れたようで、とりあえず俺と戦う時は左も使う事を約束した。

 

 

 

 

『数も質も兼ね備え、無双の如き戦いで緑谷との戦いを制した分倍河原 宇覇! 巨大な氷壁で瀬呂を閉じ込めた!轟 焦凍!』

 

「来い!轟!」

 

「いくぞ……!」

 

互いに戦闘態勢に入り、今にも戦いの火蓋が切られそうになる。

2人は今か今かとミッドナイトの合図を待つ。

 

「それでは……始めっ!!」

 

「ブレンチシェイド!」

 

「「さぁ……」」

 

「「ショータイムだ!」」

 

「お前の弱点はこれだろ?穿天氷壁(がてんひょうへき)!」ビシビシビシ!

 

「甘いぜ轟!俺が範囲技を使えないなんていつ言った?セルウェーブ!」ジャラジャラジャラジャラ!

 

轟の氷と宇覇のセルメダルの津波にも見える攻撃がぶつかり合い、拮抗する。

 

「ほらほらほらァ!早く左を使わねぇとジリ貧になるぞ!俺の体内のセルメダルはそれこそ無限にある!今は有限だけど、少なくとも今のお前が左の相殺無しで一度に出せる氷の何倍も出せるぞ!」

 

宇覇の宣言通り、次第に宇覇の体内から溢れるセルメダルが勢いが弱まっていく轟の氷結を押していく。

 

「ぐ……!母さん!俺、なりたいヒーローになるよ!」

 

ゴオオオォォォォォォ!!

 

「焦凍ォォォ!そうだ!それでこそ俺の最高傑作だ!」

 

エンデヴァーが何やら叫んでいるが、俺たちには何も聞こえない。ただ、目の前の相手を吹き飛ばさんと、今出せる全力でぶつかりあう。

 

 

「これが俺の全力だ!くらえ宇覇!膨冷熱波(ぼうれいねっぱ)!!」

 

「不味い!すぐに壁を……!?」

 

セメントスがコンクリで出来ている地面に触れて個性で壁を作ろうとするが、ウヴァがセルメダルを出してセメントスの手首を覆う。そして手を出すなと首を振る。

 

「そう来なくっちゃな!……セルバーストォ!!」

 

互いの攻撃がぶつかるその瞬間、空気が爆ぜた。そして爆煙が晴れた先に立っていたのは……

 

 

 

「……勝ったぞぉぉぉ!!!」

 

「轟君戦闘不能!分倍河原君の勝利!」

 

「ほら立て轟。……ちゃちゃっとケガ治してもらって母さんに会ってこいよ!」

 

「あぁ……ありがとう、宇覇」

 

「うっうっ……これぞアオハルだわぁ〜!!」

 

「何やってるんですかミッドナイト……」

 

 

宇覇が轟の手を取り、それをミッドナイトが号泣しながら涙を拭き、ミッドナイトのぐっちゃぐちゃの顔にセメントスがドン引きする。

(ウヴァさんは体育祭の後、セメントスに小一時間説教されましたやっぱりウヴァさんだ)

 

 

 

 

 

ここからは俺が疲労で倒れて保健室にいたので、ドレミーに聞いた限りで話をしよう。

 

塩崎 対 梅花

 

速攻。その一言でこの試合は片付けられてしまう。

 

梅花は塩崎の茨をなんと無理矢理引きちぎり、怯んだ隙に梅花が塩崎を投げ飛ばしたのだ。

 

会場全体が唖然としていた。なんならプレゼント・マイクなんて顎が外れかけてたらしい。

 

 

 

 

常闇 対 甘夢

 

ドレキングにすぐさま変身して重量差で黒影を押し潰したらしい。しかも物理的に輝きながら。あまりの光景に常闇は宇宙猫していたそうだ。

 

 

 

煉黒 対 切島

 

最早いじめだったそうだ。切島の硬化しながらの攻撃をレ級でニヤニヤしながら受け止めて、硬化時間が切れたら用済みと言わんばかりに投げ飛ばしたらしい。

 

 

「次は……梅花か。さて、行ってくるわ、轟」

 

「……頑張れよ、宇覇」

 

俺は梅花と戦う為に保健室を出て会場へと向かった……




宇覇のセルバーストの解説

からくりはいたって単純。セルメダルを全てエネルギーに変換してそのエネルギーで相手を吹き飛ばす。単純な範囲攻撃故に対処の難しい技だが、セルメダルを大量に消費し、周囲の被害も凄まじいためウヴァからも止められるため、滅多に使われない。
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