『いよいよ決勝!己の暴走を抑え込んで戦う男!分倍河原 宇覇!対するは全てパワーでねじ伏せる!煉黒 鬼姫!』
「煉黒……俺は全力で行く。だから……このコンボを使う。いいな?」
そう言って宇覇はプテラ、トリケラ、ティラノのコアメダルを1枚ずつ体内から取り出した。
「! ちゃんと制御出来んのか?」
「一度抑え込めたし、内蔵を削って体内のほとんどをセルメダルとコアメダルに変えたから今の俺は限りなくグリードに近い。だから大丈夫だ」
煉黒がプトティラコンボへの変身を制御できるか疑うが、宇覇は既に対策を施しているようだ。
宇覇が変身の意志を見せると、嵌められているコアメダルがその意志を汲み取るように外れ、代わりにひとりでに恐竜メダルが装填された。
「さぁいくぞ……変身!」
プットッティラ〜ノザウル〜ッス!
「はぁ、はぁ、はぁ……」
「そウ来なくッチャな……!」
見事プトティラコンボを制御した宇覇に応える為に、煉黒は今出せる最高出力のレ級で真っ向から叩き潰すことにした。
『おいおい!宇覇のやつ、見た事ない姿になったぞ!?プテラ、トリケラ、ティラノ!?あいつの個性は虫の能力と分身だろ!?』
『あのメダル……準決勝で出てきたメダルだな。あんな事もできるようになったのか……』
プレゼント・マイクが突然のプトティラコンボに驚愕し、イレイザーヘッドが冷静に分析する。
「分倍河原君……それ、ちゃんと制御できてるのね?」
「大丈夫デス……しっかり制御シテイマす……」
ミッドナイトがプトティラコンボを制御できているのか宇覇に問い、宇覇は常時制御できると答える。
「……その姿でも問題ないとして許可するわ!さぁ、Ready……?GO!」
「オラァ!」ズボォ!
宇覇が恐竜メダルの力を込めて地面に手を入れて、ティラノサウルスのアギトを模した戦斧、メダガブリューを引きずり出す。
「驚イタ……モウメダガブリューヲダセルノカ!」
「うらァ!!」
「ソンナ大振り当たルカよ!」
興奮して言葉のほとんどがカタコトになっている煉黒に宇覇がメダガブリューで切りかかるが、単純な軌道の攻撃のため簡単に避けられてしまう。
「今度ハコッチの番だナ!」
「GAAAAAAAAAAA!!」
煉黒が全門斉射で突進してくる宇覇を止めようとするが、宇覇は雄叫びを上げながら構わず突進し、煉黒にメダガブリューをぶつける。
「!? 個性が……使えない! 人間態に戻された!」
「安心しろ…しばらくすれば治る…さぁ、トドメだ!」
宇覇は体内からセルメダルを2枚取り出してメダガブリューに食べさせ、バズーカモードに変形させる。
『ガブッ、ゴックン!プットッティラ〜ノヒッサーツ!!』
「はあああぁぁぁぁ……セイヤァァァァァ!!」
ドッゴォォォォォォン!
セルメダルのエネルギーが充填された紫電の奔流が銃口から放たれ、煉黒をぶつかった壁が砕ける程の威力で吹き飛ばした!
土煙が晴れた先には、晴れやかな顔で気絶した人間態の煉黒が倒れ伏していた。
「……煉黒ちゃん戦闘不能!分倍河原君の勝利!」
ワアアアアアアアアアアアアアア!!!
ミッドナイトの審判が下された瞬間、会場が凄まじい程の歓声に包まれる。
「……いよっしゃァァァァァァァァァァァァァァァ!!!」
『さぁ!このまま3位決定戦を始めるぜ!Are you OK?』
オッケェェェェェェェ!!!
『えー、誠に申し訳ないのですが、梅花君が大怪我していて、リカバリーガールでも最低限戦えるだけの治療が不可能と判断して、甘夢 獏の不戦勝とします』
……なんとも締まらない3位決定戦であった。決勝戦があれだけの熱気だったのもあって、楽しみにしていたと思われるドレミーは心做しか残念そうな顔をしていた。