「また身体に花が咲いた奴が見つかったァァァ!?」
夕方のパトロール中に情報収集をしていた如月が駄菓子屋で素っ頓狂な声を上げる。
「まぁ落ち着きな如月くん。危害は無いらしいし、本人も気にしていないでそのままにしてるって言ってるし……」
「それは危険な花なの!花咲病って個性で生やした殺人花なんだよ!」
「でも特に変化は無かったぞ?別にアホになったりしてないし……」
「それ以上にやばいんだよ!少しづつ養分を吸い取って殺すんだ!とにかく!花咲かされたら病院で診てもらえよ!」
「お、おう……」
如月は駄菓子屋のおじちゃんに注意するよう呼びかけて宇覇の所へ戻った。
「クソっ!たかが花って意識が強すぎる! みんなあんまり重く受け止めてないな……どうすりゃいいんだ……?」
「いっその事こちらから探し出して仕掛けますか?」
「あら、また会ったわね。どうしたの?」
如月達が悩んでいると、凛とした聞き覚えのある声が聞こえる。
「あ、昨日の……」
「ここで会ったのも何かの縁ね。自己紹介をしましょうか。私は
「? そうなんですか?」
「えぇ。とっても素晴らしくて美しい花たちよ。と言っても、あまり理解してくれないんだけどね……」
花咲さんは少し儚さを醸し出しながら話す。
「そうなんですか……」
「さて、貴方達にもいい花が咲きそうだわ……」
「え?」
「! 如月さん!頭に花が!」
「てめぇ……ルナティック・フラワー本人だな?」
「仕方ねぇ……戦闘を許可する!個性も思いっきり使え!」
如月が頭の辺りを探ると、1本の花が咲いていた。
ルナティック・フラワーと判断した宇覇とウヴァは戦闘態勢に入る。
「ふふふ……あの人の言っていた事は本当ね。確かにいい花が咲いた……この前わざわざ保須市まで立ち寄った甲斐があったわ!」
恍惚とした表情となり、ルナティック・フラワーは上機嫌になる。
「逃がすか!」
「あら、ここで捕まるのはゴメンね。それに、最近は自殺志願者に絞ってやってるのよ。慈善事業だし、何より無理矢理引っこ抜いたりしないからwin-winの関係なの。花を咲かすのを邪魔して欲しくないから、それを伝えるためよ。はい、その花は外してあげるわ。ではごきげんよう……」
ルナティック・フラワーがウヴァ達に追われそうになるも、指をパチンと鳴らして持っていた傘の骨から花びらが舞い、姿をくらまされた。
「大丈夫かお前達!」
いつの間にか頭の花が外れていた如月が2人に駆け寄る。
後にルナティック・フラワーとの遭遇について事情聴取が警察により行われ、こうして波乱の職場体験は終わりを告げた……