個性『ガタキリバ』   作:プリズ魔X

47 / 58
期末試験でもガタキリバ
帰ってきたぞ雄英に


「「アッハッハッハ!マジか!!マジか爆豪!!」」

 

A組の教室では切島と瀬呂が大声で笑い爆豪に指を指す。

No.4ヒーロー、ベストジーニストの元へ職場体験に行った爆豪は普段の爆散髪とは裏腹に、なんとベストジーニストそっくりのピッチリとした8:2の髪型になっていたのだ。

 

「笑うな!癖ついちまって洗っても直んねえんだ。おい笑うな!ブッ殺すぞッ!!」

 

本人も相当気にしている様でその身体はプルプルと震え今にもキレそうになっていた。そこに宇覇とウヴァが入る。

 

「……爆発させれば治るだろ。それでもダメなら俺の放電で焦がしてやる」

 

「ぬぅん!」BOMB!

 

ウヴァの助言? により元に戻った爆豪。

 

「なんだかんだ言ってウヴァちゃんもA組に馴染んできたわよね」

 

「今までは空気みたいな感じだったけど……なんて言うか、A組になった! って感じ!」

 

「何それ……まぁ、ウヴァはウヴァだよね……」

 

「おい、どういう意味だお前ら」

 

順番にそう言ってウヴァに軽く問い詰められると、芦戸は話を変えて職場体験の話を持ち掛ける。

 

「あ、そういえば響香ちゃんは職場体験どうだったのー?」

「無視するな!」

 

「え?あぁウチはデステゴロさんの所に行ったけど、めぼしい活躍は人質取って立て籠ったヴィランを捕まえたくらいかなぁ…」

 

「へー!ヴィラン退治までやったんだ!羨ましいなあ!」

 

「避難誘導とか後方支援だけで、実際交戦はしなかったけどね」

 

「それでもすごいよー!」

 

「いやいや本当それぐらいだよ。暇な時間は街中走り回って体力作り。ぶっちゃけ学校の授業よりしんどかった。」

 

耳郎は耳朶のプラグを指で回しながら苦笑して答える。

すると、今度は蛙吹が自身の体験の話をする。

 

「私もトレーニングとパトロールばかりだったわ。

一度隣国からの密航者を捕らえたくらい」

 

「それすごくない!!?」

 

「そうかしら?」

 

「いや、十分凄い体験だよそれ…」

 

驚く芦戸に蛙吹は首を傾げると耳郎がそう言う。

ふと、麗日が通りかかったのか蛙吹は麗日に声を掛ける。

 

「お茶子ちゃんはどうだったの?この一週間」

 

「…とても、有意義だったよ」

 

麗日は白目となり気を解放している様なオーラを放ちながら喋る。

※闘気ではありません

その息は白く、何かに目覚めた様な表情だった。

 

「目覚めたのねお茶子ちゃん」

 

「バトルヒーローのとこ行ったんだっけ」

 

蛙吹、耳郎が拳を突き出し素振りをする麗日を見てそう言う。

彼女はゴリゴリの武闘派ヒーローガンヘッドの元へ職場体験に行き、対人戦の基礎を学んできたらしい。

麗日を椅子に座って見ていた上鳴と峰田は若干引いており、上鳴は呟いた。

 

「たった一週間で変化すげぇな…なあ、お前んとこはどうだったのよ?」

 

「変化?違うぜ上鳴」

 

上鳴の問いに峰田は指を振るとその指の爪を噛み始め震え出す。

 

「女ってのは…元々悪魔のような本性を隠し持ってんのさ!!」

 

「Mt.レディのとこで何見た…?それやめろ」

 

ガジガジと爪を噛みながら答える峰田に上鳴はその行為を止める。

 

「さて皆さん、おはようございます。……はぁ」

 

「あ、ドレミーちゃんおはよう。……? なんか様子がおかしくないか?」

 

「あぁ、破巌さんの事を見れば分かりますよ……すごく……世紀末でした」

 

「おはようみんな。切島、俺は一皮むけたぞ……!」

 

少しげんなりしていたドレミーの後ろから、明らかにオールマイトよりもヤバい画風の破巌が教室に入る。

 

「「「……誰!?」」」

 

「あぁ、なんかいつの間にか画風がオールマイトよりもゴツくなってたんだ……ほら、闘気も出せるぞ……」

 

((((麗日ちゃんよりも明らかにヤバいのがいた!!))))

 

「闘気……あっ(察し)」

 

「修行、辛かったんでしょうね……」

 

宇覇が破巌の体験先を何となく察し、ドレミーは手帖を見てヤバすぎる修行メニューに口をあんぐりと開けていた。

続けて煉黒が入る。

 

「ふぅ……おはようみんな」

 

「煉黒も元気無いな……大丈夫か?」

 

「あー、うん。ちょっと個性がね……」

 

煉黒も煉黒で苦労していたようだ。後で話を聞くべきだろうかと宇覇とドレミーは考える。

 

「それにしても……危なかったのは緑谷に飯田、そんでB組の梅花だよな……」

 

「ヒーロー殺し……逃げたんだよな」(原作乖離か……ドレミーが言っていたエンデヴァー事務所での件といい、5体に増えていた脳無といい……何より、明らかに原作より数の多い指名手配ヴィラン……もしかして、仁義父さんみたいな物語のキーになる存在の未来を変えると、それを補填する為の何らかの作用がある……?)

 

「確か梅花君、ヒーロー殺しに名指しされていたんだよね……」

 

宇覇が原作乖離の事を考察していると、上鳴がふと、軽い気持ちで言葉を発した。

 

「でもさあ、確かに怖えけどさ。尾白動画見た?アレ見ると一本気っつーか執念っつーか、カッコよくね?とか思っちゃわね?」

 

「上鳴くん…!」

 

「え?あっ…飯田…ワリ!」

 

上鳴の言葉に慌てて緑谷が止めに入る。

ステインの行動に飯田の兄がやられた事を思い出して上鳴は咄嗟に飯田に謝罪する。

保須事件の一件以来、動画サイトで一般人が投稿したのかヒーロー殺しステインの執念についての動画が上げられていた。

それをメディアによって明かされた彼の思想は『英雄回帰』と呼ばれており、その主張は『ヒーローとは見返りを求めてはならない。自己犠牲の果てに得うる称号でなければならない』というものであった。

彼の言葉とそのカリスマ性に惹かれ動画は瞬く間にランキング1位となり、上鳴の様にかっこいい等と言う人達も増えている様だった。

そして、梅花の叫びによって、『英雄回帰』の思想を無闇矢鱈に振り回すべきでないという考えがもたらされ、やるなら手段を選び、時間をかけて行うべきという声も強くなっている。

 

そして、上鳴が爆弾発言をしてしまったかと恐る恐る飯田を見ると、彼は口を開いた。

 

「いや…いいさ。確かに信念の男ではあった…。クールだと思う人がいるのもわかる。ただ奴は、信念の果てに粛正という手段を選んだ。どんな考えを持とうともそこだけは間違いなんだ。俺のような者をもうこれ以上出さぬ為にも!!改めてヒーローの道を俺は歩む!!!」

 

「……うん。ヒーロー殺しは途中で道を間違えちまったんだろうな。飯田、英雄回帰の思想を正しく伝えるには、お前みたいな奴が必要なんじゃないか?」

 

「うむ! とりあえず次の授業に備えて席につきたまえ!」

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。