それと、今までエクスターナルフィンをエターナルフィンと書いていました。修正しておきます。
会議室で雄英教師が頭を抱えていた。
教師達が頭を抱える問題となっていたのは、分倍河原 宇覇の期末試験についてだ。急遽、実技試験の内容を0Ptの単独討伐から、教師との戦闘にチェンジしたのだが、問題児4人組こと破巌、甘夢、煉黒、分倍河原の4人のうち、破巌が切島・砂藤コンビと同様の理由でセメントス、甘夢がアイテムキラーとして13号、煉黒が単純なパワー勝負でオールマイトになったのだが、宇覇だけ的確な相手がいない。
その主な原因はプトティラコンボ。
ウヴァは戦わせない前提かつ、宇覇がプトティラコンボも使って教師と戦うとしよう。根津校長によってこう結論づけられた。
イレイザーヘッド:抹消無効、捕縛武器を無視してエクスターナルフィンによる凍結でフィニッシュ。
プレゼント・マイク:音波攻撃を無視して突撃。或いは遠距離から音波の来る方角へ向けてエクスターナルフィンによる凍結で無力化。
13号:ブラックホールを貫通してエクスターナルフィンでフィニッシュ。
ミッドナイト:鞭と個性の眠り香の届かない距離からエクスターナルフィンで無力化。
エクトプラズム:分身をメダガブリューの個性消し効果により、掠るだけで即死させてくる。適切な相手かと言われると微妙。そもそもガタキリバの劣化。
パワーローダー:エクスターナルフィンで空を飛ばれて無視される。
セメントス:パワーに任せたゴリ押しで負ける。持久戦も圧倒的すぎるセルメダルで燃費もクソもない。
スナイプ:数が多すぎるかつ、一体一体が強いため処理が間に合わない。1度でも見つかれば一瞬で情報共有、プトティラのエクスターナルフィンで拘束される。
ブラドキング:多対一の時点で不利。そして得意の拘束も分身の解除で脱出される。
オールマイト:2連戦はともかく、流石に3連戦は制限時間的に難しいし、ワンフォーオールありきの怪力なのでメダガブリューでマッスルフォームを無力化。最悪トゥルーフォームが生徒達にバレるので論外。
根津校長:ルート構築が無理ゲー。進行ルートを塞いでも分身やプトティラの汎用性が高すぎてルートを絞れない。
ここまでメタられると、複数の教師を同時に戦わせて組み合わせるのもあまり効果がない。
教師達がどうしたものかと一斉に溜息をつくと、一人の男がドアを開けて入ってきた。
「? ちょっと、今は会議中だから関係者以外は立ち入り禁止……侵入者!?」
ミッドナイトが知らない人物が入ってきた事で携帯していた鞭を構えて拘束しようとするが、男に片手で鞭を掴まれて止められる。
「その分倍河原 宇覇っていう奴のテスト、俺が引き受けよう。どうやらこの世界で俺に与えられた最初の役割はそれみたいだからな……」
「……君は誰なんだい?」
オールマイトの問いに、男はこう答えた。
演習試験当日、演習場には相澤先生を初めとする雄英の教師陣達が横一列に並んでいた。
相澤先生は、教師陣と対峙する形で並んでいたA組に忠告をする。
「それじゃあ、これから演習試験を始めていく」
「この試験でも勿論赤点はある。林間合宿行きてぇならみっともねぇヘマはするなよ」
「先生多いな…?」
「5…6…8人?」
耳郎がやたら多い教師の人数にふと疑問を抱き、葉隠が教師陣の人数を数える。
「諸君なら事前に情報仕入れて何するか薄々分かってるとは思うが…」
「入試みてぇなロボ無双だろ!!」
「花火ッ!カレーッ!まっつりーー!!」
上鳴と芦戸が騒ぎ出す。そんな中、根津校長が爆弾を落とした。
「残念!!諸事情あって今回から内容を変更しちゃうのさ!」
相澤先生の捕縛武器の中から根津校長が現れて宣言した。
上鳴と芦戸が固まった。中身を知っている3人以外のメンバーも固まった。
「何故かと言うとね……敵活性化の恐れのある社会情勢故に、これからは対人戦闘とその活動を見据えた、より実戦に近い教えを重視するのさ!という訳で諸君らにはこれから、二人一組でここにいる教師一人と戦闘を行ってもらう! ただし! 破巌君、甘夢君、煉黒君、分倍河原君は単独で戦ってもらうよ!」
「そんで、ペアの組と対戦する教師は既に決定済み。動きの傾向や成績、親密度……その他諸々を踏まえてこっちの独断で組ませて貰ったから発表していくぞ」
相澤先生は次々とペアを発表していく。
対戦相手表
・イレイザーヘッドVS轟・八百万
・オールマイトVS爆豪・緑谷
・根津校長VS 芦戸・上鳴
・13号VS青山・麗日
・プレゼントマイクVS耳郎・ウヴァ(人数合わせの助っ人)
・エクトプラズムVS蛙吹・常闇
・ミッドナイトVS瀬呂・峰田
・スナイプVS障子・葉隠
・セメントスVS切島・砂藤
・パワーローダーVS飯田・尾白
「そんで、この中にいない4人のうち、分倍河原以外は他の待機者とは別の部屋で待機だ。教師の戦い方を見て対策……とかはさせねぇぞ。そんで、分倍河原は学校の外部からプロヒーローを呼んできた。そいつは出番になったら来るぞ」
「? ……分かりました」
(外部からのプロヒーロー……一体何者なんでしょうか?)
分倍河原の試験は初戦になっており、これだけは別室にいるドレミー達も観戦するのを許された。
「宇覇さんの相手をするプロヒーロー……オールマイト以外となると……う〜ん……ダメです。全く思いつきません」
「まぁ宇覇との1対1をするぐらいだからかなり強いのは確実だよね……」
「案外似たような奴かもしれないぜ? 俺の予想は宇覇を一方的に翻弄できそうな奴かな!」
ドレミーと煉黒は未知数な試験相手を予想するも、全く思いつかず、破巌は図らずも正答を当てていた……
◇◇◇試験会場◇◇◇
「……さて、相手の実力は未知数。フォーゼか、鎧武か……それともWか……ん?」
宇覇が首を鳴らしながら、自分の相手をするプロヒーロー候補を予想していたが、宇覇の予想は大きく外れる。
「お前が分倍河原 宇覇か。俺は門矢 士……どうやらお前の試験相手のようだ」
「はぁ……よりにもよって相手が世界の破壊者かよ……なら、全力で行く!」
「俺を知っている様だな。なら話は早い。……変身!」
士の身体を黒と白のアーマーが覆い、10枚程の板のようなものが頭に取り付けられ、ピンク……いやマゼンタを基調とし、黒と白のX字の装飾が胸に張り付き、仮面ライダーディケイドとなる。
「まずはお前の持っているアドバンテージを潰す」
ディケイドがライドブッカーからカードを取り出し、ネオディケイドドライバーに挿し込むと、ディケイドが6人に分身し、更にディケイドがカードを取り出す。
6人のウィザードディケイドはフォームライドでフレイムドラゴンへフォームチェンジしてからアタックライドのドラゴタイマーで更に24人に増えて、更に……
『流石にこれの先はお前じゃどうやっても勝てないだろうから、これで最後にしてやる』
士はなんと24人のガタキリバディケイドになり、1200人のガタキリバディケイドの分身を作り出すというとんでもない暴挙をしてきた。
1200人。ただの一般人なら全力の宇覇の敵ではないだろう。だが、相手は歴戦の戦士ディケイド。それが1200人など、勝ち目なんてものは存在しない。
「なんちゅう暴挙してんだか……でも、諦める訳にはいかねぇんだ! 変身ッ!」
宇覇はブレンチシェイドで今出せる最大数である、200体の分身を出して合計9枚の恐竜メダルを2体の分身に使わせ、自身も恐竜メダルをオーズドライバーに嵌め込む。
プットッティラ〜ノザウル〜ッス!
プトティラオーズが三体、ガタキリバオーズが200体。プトティラオーズがガタキリバディケイドを一人300人で担当しても不利なままである。カフスによる拘束は数が多すぎてカフスが足りない。戦わなければ勝利は約束されない。
それでもヒーローなら立ち向かわねばならない。
『『『『『さぁ……来い!』』』』』
両者が突っ込み、乱闘が巻き起こってガタキリバの津波同士がぶつかる。第三者がガタキリバディケイドとガタキリバオーズを判別するのは最早不可能であり、戦っている本人達しか分からない。
『『やっべぇ、押されてる!!』』
強いとはいえ卵は卵。数多の世界を巡り、破壊してきたディケイドには経験も、知識も、実力も、得意分野である数でも負けている。プトティラオーズの援護があるとはいえ多勢に無勢。
『『お前の力はその程度か? ……ふん!』』
「あぁもう! 硬すぎるんだよ! こんにゃろォ!!」
三体のプトティラオーズは盤面をひっくり返す為に自身の体内にあるセルメダルの大半を使い、今出せる最大火力でのグランド・オブ・レイジを使って一気に500人のガタキリバディケイドを倒す。
「ハァ、ハァ、ハァ……こんだけやってまだ半分も削れてないのかよ……」
宇覇は数体のガタキリバオーズを分解してプトティラオーズのセルメダルを補給する。
「まだ試験は終わっていないぞ」
ガタキリバディケイドは残った約700人でガタキリバキックを放つ。セルメダルの補給も不完全で、疲労も溜まっている宇覇は避けられずに直撃して墜落してしまう。
一瞬意識を刈り取られた為、制御出来なくなったプトティラコンボも解除されてガタキリバオーズに戻ってしまう。
「ぐ…う……負ける、ものか……俺は……仮面ライダーだ!」
「……」
一体のガタキリバディケイドが通常のディケイドに戻り、今度こそトドメを刺そうとする。
ディケイドのディメンションキックが宇覇の目前に迫る。その時、不思議な事が起こった。
「なっ!?」
突如宇覇の胸にあるオーラングサークルからおびただしい量のセルメダルと虫系コアメダルが吹き出して、ディケイドのディメンションキックを弾いてディケイドを吹き飛ばす。
「……うぉああぁああああああああああああぁぁぁ!!!!」
宇覇が雄叫びをあげて、今までプトティラコンボに変身しても1度も出なかったコンボの膨大なエネルギーの奔流が放たれ、周りにいたガタキリバディケイドまで吹き飛ばす。
「……チッ、俺の欲望にも少なからず反応して増えたか」
コアメダルは最大まで増えた宇覇の出した恐ろしい程の欲望がトリガーだったが、セルメダルは少なからずガタキリバディケイドの欲望で増えているだろう。今やフィールドはセルメダルそのものであり、上も下も横も、どこを向いてもセルメダルに覆われている。
「俺の……勝ちです!」
「……ほう? 合格だ、この世界の仮面ライダー。だが、試験を終わらせねぇとな?」
宇覇は勝ちを確信し、セルメダルとコアメダルから、最早数えるのは不可能な程の人数でブレンチシェイドを発動。未だにセルメダルとコアメダルは増え続けており、一瞬でガタキリバディケイドの1200人を超えてしまった。
これぞ数の暴力。これぞ最適解。これぞ……予算の破壊者、仮面ライダーガタキリバの誕生である。
雄英の予算を破壊し、ディケイドのカード枚数という予算を凌駕し……今、最強のコンボが完成した。
「この場の全てが俺自身だ……ぬんっ!」
「さて、俺も本気を出すとするか」
戦いは膠着状態に陥った。ガタキリバディケイドの対応力の高さと数、宇覇の無尽蔵となった体力と闘志が拮抗しており、ある時はセルバーストの爆発をムテキゲーマーで防ぎ、ある時はセルメダルによる拘束をドライブの重加速で避け、ある時はキャストオフで仮面ライダーガタキリバの集団を吹き飛ばし、ある時はミラーワールドに引きずり込んで戦った。
「知ってますか先輩。仮面ライダーって、後輩になるほど強くなるんですよ……」
スキャニングチャージ!
スキャニングチャージ!
スキャニングチャージ!
スキャニングチャージ!
「そうか。なら俺も、先輩として負ける訳にはいかないな」
宇覇のガタキリバキックとディケイドのディメンションキックがぶつかり合い……
「ハァ、ハァ、ハァ……合格だ……」
カメンライドとフォームライド、そしてアタックライドの連続使用による反動で遂に変身を解除した士は合格通知を出して、宇覇も反動で倒れる。
この戦いは引き分けとなり、ディケイドが合格宣言をしたため、宇覇は林間合宿へ行くことが許された…………
予算「」
……へんじがない。ただのしかばねのようだ。