Undead Of Fantasia―対不死兵魔法戦記―   作:スピオトフォズ

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今回は世界観と国家の説明がメインになります
小難しい話が続くので苦手な人は苦手かも


第2話「ザルツガリア戦争と厄災のはじまり」

――早朝 ”竜と魔法の国”マリストルーク王国 王都サンツマルク 七階層”玉座の間”――

 

「して、バルトリー軍務卿。ザルツガリア帝国との戦はどうなっている?」

 玉座に腰掛ける国王が、この国の軍事トップである軍務卿に目線を向ける。

 

「はっ! 現在の最新の伝令ですと、北部戦線・ルフォーク山脈で敵防衛部隊との戦闘が勃発した模様!」

 ルフォーク山脈は、国境を隔てる巨大な山脈だ。

 ここを突破出来れば、帝国内最大の鉱山都市に攻め入ることが出来る重要な場所だが。

 

「更にルフォーク山中に敵の大規模な砦を発見したとの事です。敵の城塞砲に対し、我が国の戦術級魔導士や竜騎兵連隊が応戦しております。しかし、申し上げにくいのですが……」

 

 バルトリー軍務卿は言葉を切る。

 恰幅が良く、顔つきや豪奢な軍服から豪快な性格に思えるが、国王に対しては強くは出れない。

 マリストルーク王国は絶対王政。

 王の機嫌を損ねれば即座に首が飛ぶ。 

 

「よい。申してみよ」

 王が短く答える。

 しわだらけの奥の眼光は鋭く、半ばよからぬ報告である事には気づいているようだ。

 

 

「はっ! 発見された敵の城塞砲や野砲の抵抗著しく、また背後への山岳を利用した敵騎士小隊の奇襲を受け、多くの損害を出している模様です」

 

 ”鉄と火薬の国”ザルツガリア帝国は、大陸の殆どを占めるマリストルーク王国と国境を接する大国だ。

 魔法技術の発展が遅く、王国から見て魔法的後進国ではあるが、高純度の魔鉱石が取れるという情報を掴み、凡そ一年前に王国側から戦端を開いた。

 

「むぅぅ。フレスペール卿は何をしている。戦略魔法で砦ごと吹き飛ばす訳にはいかんのか?」

 マリストルーク王国国王、ルペノール・フォルネス・ラ・マリストルーク十四世は、典型的な英才教育のみで即位した国王であったため、魔法に関して知識も乏しく、意思決定以上の能力は無かった。

 

「はっ、戦略級魔導士モーリス・ド・フレスペール卿は、先のルギライ会戦での魔力消費が回復しておらず……一か月ほど魔法攻撃は難しいかと」

 バルトリー軍務卿は声を絞り出すように話す。

 

 王国は、国家に30人ほどしかいない”戦略級魔導士”を動員し、国境沿いの砦や都市など多くを戦略魔法攻撃によって壊滅せしめた。

 

 開戦後三か月は圧倒的な勝利を収め、二つの主要城塞と一つの鉱山を占領に成功。

 しかし抵抗の激しかった場所は、繰り返し放たれた戦略魔法攻撃によって地形ごと破壊してしまった為、占領して再利用が出来ない状態であり、その光景を見た者は敵味方問わず恐れをなしたという。

 

「他の戦術級魔導士はどうしている?」

「はっ! 戦術魔法攻撃は随時行っているものの、砦は長大で全てを破壊する事叶わず、また消耗激しく、現在は主に普通魔導士や騎士団など通常戦力での応戦が主になっております」

 

 人の身で自然災害の如き力を放つ魔法だが、大規模なものになればなる程魔導士本人の消耗が激しく、乱発は出来ない。

 しかしその絶大な威力に心奪われた国王も魔法教会も、魔法の力を絶対視していた。

 

 マリストルーク王国は古より魔法先進国であったが、元は周辺諸国の軍事的圧力に脅える小国であった。

 

 20年程前に術式魔法陣構築の技術的革命がおこり、地形を破壊する程の極大魔法”戦術級魔法”やその6年後、数十倍の威力を持つ”戦略級魔法”という究極の魔法概念を開発した。

 

 資源の乏しかったマリストルーク王国は、武力侵攻によって周辺諸国を瞬く間に併合し、当時軍事大国と言われる国にすら一方的勝利を収め、人的・物的資源を手に入れ魔法超大国へ急成長を遂げた。

 

 そのような経緯があり、国王や魔法協会はその絶大な力を欲しいままに運用し、作戦など碌にない魔法攻撃の連続で戦争に常勝し、ついに大国ザルツガリアとの戦争に躊躇いなく踏み切った。

 

 開戦初期は、部隊間連携など指揮・命令系統や補給・兵站が杜撰でありつつも、魔法の大火力で勝利を重ねており、国王も各軍部も慢心しきっていた。

 

 しかし大きく広げすぎた戦線によって、開戦から1年たった今では徐々に侵略は停滞しつつあり、国王は王都防衛を担う精鋭部隊を帝都侵攻の主力と合流させ、再び力業で侵攻する。

 

 一方でザルツガリア帝国は対マリストルーク戦略を長きに渡り練り続け、日に日に練度を増していた。

 部隊を統合的に運用し、城塞と火砲そして地の利を使い、高度な連携と緻密な作戦で侵攻を防ぎ始めていた。

 

「そうか。存外上手行かぬものだな。では騎士団と竜騎兵連隊を残し、魔法教会は撤退させよう」

「で、ですが! 魔導士抜きで砦の攻略はとても……」

 

 国王の命令に、バルトリー軍務卿は慌てて説明する。

 練度の高い騎士達だが、魔導士の援護なして火砲の砲撃に晒されれば不利は必至だ。

 

「分かっておる。聞けば、魔導士らも働きづめではないか。魔力回復も兼ねて、後方に下がらせよ。英気を養い満足な補給を受ければ、彼らも再び快進撃を始めよう。それとも、残った騎士で戦線を維持する事すら叶わぬか?」

 

 国王は鋭い目でバルトリー軍務卿を睨みつける。

 

 この国の軍事力は大きく騎士団、竜騎兵連隊、そして魔法教会の三つに指揮権が分かれていた。

 他に海軍もあるが、海軍に関してはザルツガリア帝国に敵わない為、戦争は陸戦に主眼を置かれていた。

 

「いえ……。ですが、魔導士の援護がなければ大きな損害が出るかと……」

 バルトリー軍務卿に声が割り込む。

 

「それの何が問題でしょう? 騎士など腐るほどいる。例え全滅したところで所詮は平民共の集まり。替えなど幾らでも効きます」

 

 横から口を挟んだのは魔法教会サンツマルク教区の長、ミットラン司教だ。

 

 魔法は血筋で受け継がれるものであり、この国では魔法の有無こそが貴族たる証とされてきた。

 マリストルーク王国は魔導士が多くいるが、それも約900万人もの国民と比較したらごくごく一握りだ。

 魔法が使える血筋はある程度決まっていて、その家系こそが貴族として認められている。

 

 魔法の使えぬ兵士は剣を握る騎士として戦場に立ち、魔導士と比べればぞんざいに扱われる。

 竜騎兵はその中間であり、中には魔法を使える貴族もいる。

 

「それに、竜騎兵連隊も精鋭揃いでしょう。魔法教会が戻るまでの間、彼らだけで戦線を維持する事も可能のはずです」

 ミットラン司教も追い打ちをかけた。

 

 竜騎兵は機動力が高く、いざとなればすぐに後方に下がるだろう。

 その上、手柄は竜騎兵に取られる事も多い。

 機動力もなく、そして撤退は最悪処刑に繋がる一般騎士とは違うのだ。 

 

「……陛下。一般騎士の消耗は、軍事力に響きます。彼らも訓練に訓練を重ねた優秀な騎士です。使い捨てるのは得策ではなく――」

 

「――もうよい。バルトリー軍務卿、貴様も魔導士の端くれだろう、醜い真似はよしてくれ。その腰の剣、それに捧げる思いがあるのは理解する。だが、強き騎士の時代は、とうの昔に終わったのだ」

 

 国王は、出来の悪い息子を憐れむが如き眼で、諭すように言った。

 バルトリー軍務卿は、片手に杖を持つ魔導士でありながら、武力の頂に立つ者として剣の腕や槍術も高い。

 その責任感から真に国益を重視し、隣国ザルツガリアとの戦争で戦術・戦略の重要性を痛感し、主力となる騎士の運用に注力していた。

 それを国王は、古き騎士道に固執した者としてしか見えず、騎士は軽んじられ、魔法教会がより権力を持つようになっていた。

 

「お分かりですか軍務卿。騎士など既に、時代遅れなのです。これからは我々魔法教会が、軍の主力を担ってゆくことになるでしょうな」

 

「……ふん、分かった。すぐに伝書鴉を飛ばします」

 

 魔法での遠隔通信や瞬間移動は研究されているが、目途すら立っておらず、遠隔地への伝達は(カラス)を使って行われていた。

 

「して、西部戦線の方はどうなっている?」

 国王が次の話を振る。

 

「はっ! 西部ドルトンテ線ではアルセンヌ大司教率いる王都中央教区の魔導士達が快進撃を遂げました! ドルテンテ要塞に反攻の為に集結した敵騎士1600人、敵火砲700門を一網打尽に撃滅したと報告を受けております! 西部ヴィレーゼン線に於かれましても、ブランショア卿指揮下の騎士近衛兵団の精鋭達が、竜騎兵連隊王都第一隊の援護により見事ヴィレーゼン城塞都市を陥落せしめました!」

 

 バルトリー軍務卿が報告を読み上げると、国王も満足げに頷いた。

 西部戦線は帝都攻略を目的としており、ここ王都から多くの精鋭部隊が遠征していた。

 

「うむ、うむ! さすがは我が国の精鋭達である! 難攻不落といわれた要塞も都市あっけないものだ!」

 

 マリストルーク王国は、王都を拠点とする竜騎兵連隊”王都第一隊”、王城に本部を置く魔法教会・”王都中央教区”、王の守護を任務とする”騎士近衛兵団”など、国の中枢を守る精鋭部隊の長を含めた大部分を西部戦線に派遣していた。

 

 防衛を一切考えない戦略は、しかし圧倒的な攻撃能力で今の所上手く機能していた。

 王都を脅かす存在もない為、最低限以下の戦力しか残されていない王都や王城には、やや不安があるもののその実誰も、軍務卿でさえも脅威は起こりえないと考えていた。

 

「この調子で帝都ヴィルゼンガリアへの侵攻を続けよ! 帝都さえ滅びれば、他の軍も抵抗を止めるであろうからな。彼の国にはまだ多くの魔鉱石が眠っているに違いない。我が国の繁栄はここからである」

 

 北部戦線やその他広範囲で侵攻は停滞しつつあるが、西部戦線で快進撃を続け、帝都まで食い込めば十分勝機はあった。

 単純な戦力一点集中、しかしその効果は恐ろしかった。

 

「さて、次の話だ」

 

 戦争関係の報告と命令を一通り終えた後、国王は議題を切り替える。

 

「魔素薬応用の研究、成果は出たのかね? 所長」

 国王は所長――王立魔法研究所の所長に、厳しい目つきで声をかける。

 

「はっ……はっ! いえ、あの、成果は目前の所まで来ております! あと数日……いえ、三日! 丸三日ほどあれば、有用な報告ができる、かと……」

 

 気弱な所長の声は、国王の鋭い目つきで更にか細くなっていく。

 

「くどいわ!! ふんっ、『人体増強薬による不死の兵(アンデッド)量産計画』とな……。着想は良い。魔素の原理を考えれば十分に可能な目はあった」

 

 ”魔素”とは、簡単に言ってしまえば大気に満ちるエネルギーと解釈することも出来る。

 魔法とは、魔素を体内に取り込み術式魔法陣を介して体内で生まれる魔力と結合し、一定の効果を持つエネルギーとして放出する手段である。

 

 それを応用し、特殊な術式を最初から体内に埋め込んで、魔素を永久的に吸収すれば、事実上無限に魔法を放ち続けることが出来る最強の兵器を作り出せる。

 

 攻撃に転用すれば強いのは言うまでもなく、治癒魔法の術式を埋め込めば死ぬ事無く再生を続ける不死の兵となる。

 

 当然魔素吸収の術式を埋め込まれている部分を破壊すれば耐えきれなくなった体は崩壊するが、埋め込む場所を複数にすることによって互いが互いを補うことが出来るのだ。

 

 もちろん術式の強度には限界があるが、それ自体に術式の永続増殖をもたらす魔素応用薬を調合し与えることによって、魔素の枯渇か維持不能な肉体の損壊がない限り永久に動き続ける最強の兵士が誕生する。

 

 そうする事によって生み出される不死の兵を”死無き亡霊の手”と古代語で訳される”アンデッド”と研究者たちは呼称した。

 

 とはいえ、未だクリアできない課題は多く、罪人を被検体にして何度も人体実験を行ったが、数秒で絶命したり肉体が朽ちたり理性を失い廃人になったり、国王を始め当事者以外には成功する気配が見えず、莫大な予算と多くの人員を消耗する殻潰しにしかなっていなかった。

 

「……今日中だ。今日中までに余が納得する成果を示してみよ。それが出来ねば、この計画は中止とする」

「そ、そんな……! 今日中など、とても……!」

 

 無理に決まっている事は、国王にも分かっていた。

 即刻中止としないだけありがたいと思え、そんな恩の押し付けから出た言葉だった。

 

 この時。

 国王が即刻中止していたら、果たして未来は変わっただろうか。

 

――夕刻 王城地下二階層 王立魔法研究所 第三室”魔素薬応用研究室”――

 

 あれから半日ほど時間がたった。

 

 今日中、などと言っていたが、国王は日が沈めばお休みになる。

 つまり猶予はもう残り僅かしかない。

 だが。

 

「被検体はちゃんと眠ってるか?」

 研究者の一人が確認する。

 被検体をさらってきて一時間あまり、まだ実験は始まっていない。

 

「ああ、棺の中でぐっすりだ。……城下町で最高の人材を手に入れたんだ。薬さえ完璧なら、間違いなく適合するはずだ」

 

 研究者たちは、実験に焦るあまり罪人ではなく城下町へ出向き、警備の衛兵の目を盗み光魔法に適合する人材を見つけてきた。

 

「半日探し回ったとは言え、まさかあんな大当たりが見つかるとはな……。神は間違いなく我々を祝福している……この実験、必ず成功させよう」

 

 実験に使った罪人たちは、多くが魔法の素養がないものであり、その者に無理やり光属性=治癒魔法の術式を刻む魔法薬を飲ませ、そして失敗してきたのだ。

 

 それを成功させるにはどうしたらいいか?

 はじめから光属性魔法の素養がある罪人を手に入れればいい。

 しかし光属性は稀有であり、そんな罪人はいなかった。

 

 そして今日、追い詰められた研究者はついに、城下町から人をさらうという禁じ手を実行した。

 だがさらう素養ある者は、城内の貴族に縁のない者でなければけない。

 万が一発覚すれば大罪人の烙印は免れないからだ。

 

 幾ら往来の多い城下街と言えど、、城内貴族の縁者以外の光魔法の素養がある者を人知れずさらうという、研究者の誰もが諦める方法ではあったが、結果的に奇跡は起こり、彼らは抜群の素養を持つ被検体を手に入れた。

 

「よし。棺の密閉はしたんだろうな?」

 

「ああ。問題ないさ。前回は途中で被検体が暴れて大変だったからなぁ。術式構築用の杖と、適性増幅用の魔鉱石も入れた。外部との魔素の流れは断ってるから、これで光魔法の素養は大きく上がるはずだ。罪なき少女をさらってきたんだ……犠牲を無駄にするような真似はしない」

 

 少女にとっては完全なエゴである責任感を翳し、確かめるように棺の蓋を押し込む。

 棺は二つとない特注品で、適性増幅用の魔鉱石と同じで莫大な国家予算をつぎ込んで作り出したものだ。

 この研究が失敗すれば、棺は魔導士の素質を上げるつまらない装置として国に使われる事だろう。

 研究員達は、自分の研究の粋を国に奪われる事には耐えられない。

 

「出来た!! 完成だ!! まだ試作薬だが、ひとまず形になったぞ!」

「よし! 後は被検体の適性増幅を待ってから、被検体に打ち込んで様子を見るだけだ!」

 

 研究者が動いた表紙に、ビンに入った試作薬を肘でぶつけてしまう。

 

「あっ」

 

 ビンは床に落下し、音を立てて割れた。

 中の奇抜な色をした液体は、瞬時に空気中に霧散する。

 

「ごほっごほっ! ばか、なにしてる!! くそっ!!」

「ドアを、開けろっ、がはっ……」

 

 一瞬で、地下の密室に霧は充満し、8人の研究員はみるみる肌が土気色になって呼吸困難に陥り、酸素と出口を求めて皆がドアや窓を開ける。

 

「やめろっ! あけるなっ、外に、出す……なっ……」

 

 室長が言うも、時すでに遅し、霧状の薬液は外へ出て行った。

 同時に、研究員たちも部屋の外へ出て、そこで息絶えていく。

 

「たす、けて……」

「ぐるじい、いきが、かはっ」

「きゃああぁぁぁぁ!!」

「おい! 大丈夫か!! しっかりしろ!」

「治癒術士を呼べ! 早く!」

 

 廊下は悲鳴と怒号が飛び交った。

 土気色の研究員は、傍目からは死んでいるようにしか見えない。

 それでも、近くにいた治癒術士は走ってきて詠唱を唱える。

 

「光よ! 彼の者に聖なる活性を――グレース!」

 その瞬間、活性の指向性を以って放たれた魔素が、研究員の術式を活性化させ、無限吸収の術式が起動した。

 

「えっ――ぎあぁぁぁ!! やめっ、がはっ!」

 治癒術士は、研究員だったモノに喉元を喰らいつかれていた。

 鮮血が噴出し床を汚す。

 治癒術士は声にならない断末魔を上げ、やがて両手をだらんと床に落とす。

 

「うわああぁぁ!? なんだ、コイツ、術士を喰って――!?」

 治癒術士の放った活性の魔素が、他の個体にも吸収され、研究員だった土気色のモノ達がふらふらと起き上がった。

 

「なんだ!? お前ら、生きて――ぎゃああぁぁぁ!!」

「おい! コイツら起き上がって……く、来るなぎゃああがはっ!!」

「やめて……やめてこないで嫌ああぁぁぁぁ!!」

 廊下は、瞬く間に阿鼻叫喚の地獄絵図となった。

 生きている者は次々に土気色の死人に噛み付かれ、逃げる者は爪で切り裂かれ喰われた。

 密閉された地下空間は悲鳴と夥しい量の血で覆われ、一、二階層にいる数十名の研究者や地下の使用人達が全滅するのは、そう時間はかからなかった。

 

 そして、噛み付かれた地下の人々の体内では、魔法薬によって変質した術式が侵入し、大気中の魔素に反応して起動する。

 

 つまりは、噛まれた死体は起き上がり、人の欲求の中で唯一残った原初の機能”食欲”に従い、新鮮な人肉を求め、地上への道を彷徨い始めた。

 

 厄災は、解き放たれたのだ。

 




厄災のはじまりは、たった一人のミスでした。

とかシャレにならな過ぎて好き。

人類ってそういう愚かな所あるよね……。
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