パニッシャーが人類最後のマスターと共に戦うようです   作:ドレッジキング

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今回はギャグ回……なのか?(^_^;)


第26話 犬にように

モレーに発砲した直後、モードレッドとナポレオンに再び取り押さえられたパニッシャーは身体を小屋にあった縄で縛られてしまい、床に座らされていた。モードレッド、ナポレオン、ゼノビア、藤丸はモレーを一旦小屋の外に避難させており、小屋の中にいるのはエリザベートとパニッシャーのみだ。パニッシャーはモレーに対する殺意と怒りが未だに消えておらず、自分を心配そうに見てくるエリザベートを睨んでいた。

 

「……ねぇ黒イヌ。少しは落ち着いた?」

 

エリザベートの言葉に首を横に振るパニッシャー。どうやらまだ落ち着いていないようだ。そんなパニッシャーを見てため息をついたエリザベートは続けて言った。

 

「全く……ちょっとは頭を冷やしなさいよね!それにさっきみたいにすぐに銃口を向ける癖、何とかならないわけ?アンタがそうやってすぐ頭に血が上るのは知ってるけど、もう少し怒りを抑えなさい。まるで歩くニトログリセリンよ」

 

エリザベートの言葉を聞いたパニッシャーは再び首を左右に振る。それを見たエリザベートは呆れたようにため息をつく。そして座っているパニッシャーの前に屈むと、顔を覗き込んできた。

 

「……子イヌがチェイテシンデレラ城でモレーに受けた仕打ちは私も見ているわよ。けど今は子イヌを元の身体に戻す事が先決でしょ?」

 

エリザベートはパニッシャーを諭すようにしてそう言った。

 

「モレーに腹が立っているのは私だって同じよ。けど、怒りに任せて行動したら余計に状況を悪化させてちゃうの」

 

モレーは自分の信奉する神を降臨させる為に藤丸を山羊頭の怪物に変えたばかりか、その藤丸が深淵の聖母ではない上にコントロールできないものと知るや自分達に助けを求めて来たのだ。彼女から受けた仕打ちに対して藤丸は怒りを露わにせず、モードレッドとナポレオン、エリザベートとゼノビアでさえもモレーの協力の申し出を受け入れた。しかしパニッシャーは余りにも身勝手かつ厚顔無恥なモレーの態度に激怒したのだ。パニッシャーのモレーに対する怒りはエリザベートも理解できるのだが、スイッチが入った際のパニッシャーの攻撃性と暴力衝動には辟易していた。

 

「私だってモレーは気に入らないわよ。でも今のアイツはこっちに味方してくれる協力者なのよ?あの手この手で私達を騙して利用しようとしているかもしれないけど、それでも私達はあいつに協力しなきゃいけないのよ」

 

「……お前は自分のマスターがあんな目に遭ったのに何故そうして冷静でいられる?立香はともかく、モードレッドも、ナポレオンも、お前もゼノビアも全員、モレーが申し出た協力を受け入れて、挙句にあの糞アマと共同戦線だと?笑わせるな。自分のマスターを化け物にしようとした女と楽しそうにやり取りしやがって」

 

「そりゃ私だってモレーを信用してるわけじゃないわよ……。ただ、怒り任せで行動しても何も事態は好転しないって言っているだけよ!ねぇ、アンタの子イヌを護りたいって気持ちは痛いほどよく分かるけど、ここは耐えて?お願いだから……」

 

懇願するようなエリザベートの言葉を聞いたパニッシャーは渋々首を縦に振った。全身の血液が沸騰する感覚を覚えるパニッシャーではあるが、藤丸を元に戻すには元凶であるモレーの協力が不可欠なのだろう。モレーに対して鉛玉を叩き込みたいという衝動を抑えつつ、エリザベートの懇願を聞き入れる。そしてエリザベートが外に出る扉を開けて声を掛けると、小屋の中に藤丸とゼノビアが入って来る。

 

「ようやく納得したようだなパニッシャー。くれぐれもさっきみたいにモレーに発砲するような真似だけはしないでくれ?」

 

「分かっている。だが、もし次に俺の我慢が限界に達した時は容赦はしないぞ」

 

パニッシャーがそう言うと、藤丸達は一斉に頷いた。そしてモレーの方を向くと、彼女は笑顔で手を振っている。

 

「さっきキミの銃で撃たれた腹がまだ痛むんだけど、そこのところどう思う?」

 

そう言ってモレーは服をめくり上げると、そこにはパニッシャーの銃から放たれた魔術弾による弾痕が生々しく残っていた。

 

「あ~、マジ痛い。あたしってばこんな目に遭ってるのに何で笑顔なんだろうね?」

 

モレーはそう言って自分の身体を抱きしめ、くねくねと身体を動かす。

 

「気色悪い動きはやめろ。お前が立香にした仕打ちを考えれば当然の報いだろうが」

 

「あたしは深淵の聖母の降臨に失敗したんだから、そこら辺で留飲さげるってのはナシ?」

 

モレーは人形状態の藤丸の方を見てウィンクする。

 

「あっ、それいい考えですね!俺も賛成です!」

 

藤丸は目を輝かせながらそう言った。すると今度は逆にモレーが呆れた表情で溜息をつく。

 

「はぁ……全く。この子ったら、あたしがキミを利用して怪物に仕立て上げた事を恨んでないのかねぇ?」

 

良くも悪くも恨みを引きずらないのは藤丸らしいといえばらしいが、そんな彼に影響されてかモードレッド達も普通にモレーを協力者として受け入れている。彼女が藤丸にした仕打ちを忘れているわけではないにしても、特異点修復のため、ひいては藤丸を元に戻すためという目的があるからだろう。パニッシャーもエリザベートに懇願され、やむを得ずモレーと行動を共にする事にしたのだ。だがモレーを信用できないのも事実なので、パニッシャーはモレーに対して要求する。

 

「おい、お前の協力は受け入れてやるが、お前はまだ信用できん。念のためお前には手綱を付けておくとしよう」

 

パニッシャーはエリザベートに身体を縛っていた縄を解いてもらうと、その縄を首輪状にしてモレーの首に括り付け、自分は縄を持ってモレーの行動を制限する形となった。傍から見れば完全にモレーがパニッシャーのペットとなっている。

 

「これじゃあたしが犬みたいじゃないか……」

 

不満そうにそう言うモレーだが、それでも彼女に抵抗する様子はない。それを見ていた藤丸達は苦笑いしていたが、すぐに気を引き締める。

 

「どうせなら犬みたく四つん這いになりますか?ご主人様♡」

 

そう言ってモレーは犬の真似事をし始めた。そんな彼女を見たパニッシャーは冷たい視線で睨みつける。

 

「キミってこんな趣味があんの?うら若き乙女に犬の真似させるとかさ~」

 

そう言ってモレーはわざとらしくドン引きした表情を作る。そもそもこんな首輪を付けたところでサーヴァントであるモレーなら霊体化して逃亡すれば終わりなのだが……。

 

「信用を勝ち得る為には、飼い主の命令には絶対服従しなくちゃね♪ご主人様、お座りとかお手とかはは命令しないの?」

 

「何ふざけた事言ってるんだ?そんな命令はどうでもいい」

 

明らかに茶化してくるモレーの言動に苛立つパニッシャー。

 

「ともかく、だ。カルデアのマスターを元に戻すにはもう一度あの城に……チェイテシンデレラ城に戻らなきゃならないんだよな」

 

「そうね。もう一回城に戻ってあのデッカい子イヌを何とかする必要がある」

 

そう、どの道チェイテシンデレラ城へと戻り、山羊頭の怪物となった方の藤丸をどうにかしなければならないのだ。であれば行動するのは早いほうがいい。

 

「それじゃとりあえずは~森に出ましょうか~♪」

 

そう言ってエリザベートは鼻歌を歌いながらスキップで扉から出ていき、ナポレオン、モードレッド、藤丸、パニッシャー、モレーも後に続いた。そして6人は悍ましくSAN値が削れるような悪夢的な森の中を進んで行く。だがこんな森でもモレーにとっては居心地が良い環境のようだ。

 

「ふっふふ、やっぱり良いものですねー、こういう雰囲気。古典的たるゴシックホラーも決して悪くはないけど……。こんな正気度が削られちゃうファナティックな場所は心が安らぎます。そう思いません?」

 

モレーは藤丸に対して問いかける。

 

「気持ちは分からなくもない」

 

「でしょー?なーんだ。案外カルデアのマスターも話せるじゃん!?」

 

嬉しそうに笑うモレー。だがパニッシャーはモレーの態度が相変わらず気に入らないようだ。

 

「協力者になった途端に馴れ馴れしくするバカが目の前にいるとついこうやりなくなる」

 

パニッシャーはそう言ってモレーの後頭部を殴りつける。当然サーヴァントの彼女にパニッシャーの拳など通用するわけがないのだが……。

 

モレーは殴られた箇所を手で摩りながら言う。

 

「痛いなあもう……。まああたしもアンタの事大っ嫌いなんでお互い様だけど♪」

 

そう言ってケラケラと笑うモレー。この2人の相性の悪さは折り紙付きだった。そもそもモレーを同行させて再びあの城にいる山羊頭と対決をして藤丸が元に戻る保証など無いのだが、元凶であるモレーを連れて行けば何かの役に立つのであろうか?パニッシャーとしては直ぐにでもモレーの頭部を銃弾で吹き飛ばしたいところだが、藤丸を元に戻す方を優先している。そしてモレーは懐から何かを取り出そうとしている。

 

「あ、おなか減ってない?何か食べます?山羊のチーズとかどうよ?あの山羊どもはさー、正直嫌いなんだけどチーズだけは絶品だからさ」

 

「……何でこいつはオレたちに馴れ馴れしく話しかけてくるんだ」

 

モードレッドがパニッシャーやエリザベート、藤丸やナポレオンが抱いていた心情を代弁してくれた。この特異点を作り上げた元凶にして、藤丸を山羊頭の悪魔に変貌させた張本人であるモレーがこうも馴れ馴れしくしてくるというのは神経が逆撫でされる気分だろう。パニッシャーほどではないにしても、モードレッドも感じているようだ。

 

「そんなこと言われたって……あたしだってどう対応したものやら、サッパリわからねー!馴れ馴れしいですかー?そんなにうさんくさいですかー?」

 

「うさんくさいどころのレベルじゃない。お前の存在そのものが不愉快だ」

 

「あー、なるほど!それが本音なんだ。だったらそう言えばいいじゃないですか?ハッキリ言って下さいよー」

 

モレーの言葉に苛立つモードレッド。そんな彼女の様子を見てニヤニヤしながら煽ってくるモレー。

 

「あたしなりの誠意として、こうやって傅く事もできますケドー?これでも騎士やってましたからね」

 

モレーは騎士としての作法を弁えているのか、藤丸たちの目の前で跪こうとするが、藤丸が制止する。

 

「いや、今のままでいいよ」

 

「そーですかー。そりゃよかった」

 

「まぁ、コイツは儀式にも失敗するような間抜けなサーヴァントだ。放っておいても害はない……よな……?」

 

「ぐぅぅぅぅ……挑発だと分かっていても事実だけにぐぅの音も出ねぇー」

 

モレーが深淵の聖母とやらの召喚に失敗したのは事実ではあるものの、"放っておいても害はない"という言葉にパニッシャーは反応した。

 

「コイツを放置すればロクな事にならん。現に立香はコイツのせいで南瓜頭の人形の状態にされたんだからな」

 

パニッシャーはそう言うと、モレーの髪の毛を鷲掴みにする。まだ彼女に対する怒りを抱いているのだから無理もないが……。

 

「痛い!痛いですよー!ハゲるー!」

 

モレーの言葉を無視してそのまま彼女の髪を引っ張りながら連行し、エリザベートはその様子を見ながら苦笑いを浮かべる。

 

「うら若き乙女の髪の毛を引っ張るなんて……ヒドイじゃないですかー?ほら、今のあたしは有害そうで有害でもない、ほとんど無害寄りのサーヴァントだし……」

 

自分の口から"無害寄り"などという言葉を吐けるモレーに対して半ば呆れにも似た感情を抱くパニッシャー。

 

「……何なら本当に犬の真似でもしてみるか?ほら、四つ足で地面を歩け、今すぐだ!!」

 

モレーの首に付けている縄を引っ張りつつ、モレーに対して四つ足で歩くように指示するパニッシャー。

 

「げ、ホントにそういう趣味があるんですか?」

 

「モードレッドに頼んで貴様の両手両足を切断して犬の歩き方しかできんようにしてやろうか?両手両足を斬る程度なら霊基も消滅しないだろう」

 

「あ~もう分かりましたよ!はいはい、これでいいんでしょ!」

 

モレーはしぶしぶと両手両膝を地面に付けて犬のような姿勢を取る。しかしやはりこのポーズは恥ずかしいのか、顔を赤らめている。

 

「ちょっとー!これめっちゃ恥ずかしいんですけど!?マジでこんな屈辱的な事させてんの!?」

 

「文句の多い奴だな。これでも十分に温情を掛けているつもりだが?」

 

エリザベートと藤丸はパニッシャーの命令で四つん這い状態になったモレーを見て若干引いた顔をしている。

 

「黒イヌ、あんたって結構サドっ気あるわよね」

 

そもそもパニッシャーはサディストなどという次元ではないのだが、藤丸もモレーの姿を見て同情を禁じ得なかった。

 

「こ、こんなの全然嬉しくないし!!っていうか何で私がこんな事しなきゃいけないのよ!」

 

モレーはそう言って抗議するが、彼女は現在進行形で首輪を付けられている為、反抗できない。そもそもモレー自身は敵であったが現在は藤丸達に協力している立場であるわけだが。

 

「エリザベートが俺の事を"黒イヌ"、立香の事を"子イヌ"と呼んでいたのをヒントにしたんだ。お前が立香を怪物にしたにも拘らず、この程度で許されているんだから寧ろ感謝してもらおうか?さぁ、行くぞ"白イヌ"」

 

そう言いながらモレーに付けた手綱を引く。

 

「ひえ~!そんなご無体な~!しかも変な名前まで付けられてるし!」

 

「俺は気が短いからな。さっさと行くぞ」

 

そう言ってモレーを引きながら森の中を歩く。モレーは四つん這いで歩いているので移動スピードがどうしても遅くなる。

 

「う、うう……せめて普通に歩かせてくださいよ……」

 

文句を言いながらも渋々とモレーは四つん這いで森の中を進んでいく。今のモレーはミニスカートなので、彼女の下着が藤丸からはチラチラと見えている。

 

(み、見えてる……!?)

 

藤丸は前方を四つん這いで移動しているモレーのスカートから見える白いパンツに思わず興奮してしまう。それは思春期真っ只中の男子高校生には刺激の強い光景だった。そして当然そんな状態が続くわけもなく、エリザベートがモレーのパンツを見ている藤丸に気付き、彼の行動に呆れている。

 

「……子イヌ、あんた何やってるのよ?」

 

「あ、いや、これは……!」

 

「気にするな。こいつにとってはご褒美みたいなもんだからな」

 

「そ、そんな事ないですよ!!」

 

「え!?あたしのパンツが見られてる!?」

 

流石のモレーも自分の下着を藤丸に見られて驚いている様子だ。

 

「あ~、あたしのパンツに興味あんならもっと見せるけど?ほれほれ~」

 

そう言ってモレーはミニスカートの裾を掴み、さらに捲り上げる。すると純白のパンティが藤丸の目に入った。

 

「ちょ!?」

 

「お前何やってる!さっさとスカートの裾を戻せ!」

 

「へへっ、いいじゃないですか。減るもんじゃないし♪」

 

モレーは悪戯っぽく笑いながら、ミニスカートを更にたくし上げていくが、慌ててパニッシャーが彼女のミニスカートの裾を戻した。

 

「カルデアのマスターがあたしのパンツに興味津々だったから見せてあげてただけなんですけどー?あたしってばサービス精神旺盛でしょ?」

 

そう言うと、モレーは口を尖らせてブーイングする。そんな彼女の様子を見て、エリザベートが呆れた様子で言った。

 

「はぁ……アンタってホントお気楽よね」

 

「そもそもからしてキミがあたしを四つん這いで犬のように歩かせているのが原因なんじゃねー?」

 

モレーはパニッシャーに対して文句を言っている。確かにパニッシャーがモレーを犬のように歩かせているのが原因なのは事実であるが。そして今まで黙っていたナポレオンもパニッシャーに対して注意してきた。

 

「アンタ、うら若きマドモアゼルを犬のように歩かせるのは少々やりすぎじゃないか?」

 

「……コイツの立場は捕虜だ。それに俺はコイツを殺したいという衝動をこうして必死に抑えているんだぞ?殺すのに比べれば犬のように歩かせる程度、どうって事はない。それにエリザベートのお陰でこのアイディアが思いついたわけだしな」

 

「そんな~アイディアの使い方を~されたくな~い~」

 

エリザベートは不満そうに唇を尖らせる。そして今度はモレーが口を開く。

 

「あ~、ハイハイ。あたしはこのまま四つん這いでも構わないですからー」

 

あからさまな棒読みでモレーは言った。どうやら彼女はこの体勢のまま城に向かうつもりらしい。なるべくモレーのパンツを見ないように、藤丸は彼女の前方を移動させる事にした。

 

「彼女は企みが瓦解した時点で罰は受けているんだが……。まぁ、アンタは協力を申し出た彼女に何もしないっていう性格でもないしな」

 

ナポレオンは四つん這いで歩くモレーを横目で見ながらパニッシャーに言う。そして四つん這いで歩くモレーは艶めかしい視線をしつつ、上目遣いでパニッシャーを見上げている。

 

「うふ、うふふふふ。ねぇ、そろそろ許してくれません?あたしの事、もう許してもらえます?」

 

モレーはそう言って、パニッシャーに許しを乞う。しかし、パニッシャーは無表情のまま何も答えない。そしてモレーはわざとらしく犬の鳴き真似をしてくる。

 

「わんわん!」

 

『…………』

 

まるでギャグのような行動に一同は何も言えないでいる。パニッシャーもパニッシャーなりに落としどころを考えたつもりなのだが、この構図だと果たして罰になっているのかどうか疑わしい。

 

「そうか、本当の犬になったんだな。それじゃ犬が衣服を着ているのは不自然だから全部衣類を脱いでもらおうか?」

 

「ファ!?いやいやいやいや!ちょっとそれは勘弁してほしいんだけど!?」

 

「パニッシャー!それは流石にアウト!!」

 

「……黒イヌ。アンタもやっぱりそういう考えは持っているのね。男だから仕方ないのかもしれないけど、もう少し理性を持ちなさいよ」

 

「最ッ低だなオッサン」

 

「アンタ、それは越えちゃいけない一線だ。女性に対する扱い方には気を付けた方がいいぜ」

 

「……見損なったぞパニッシャー」

 

モレーの衣服を脱がせるという発言をした途端、全方位からボロ糞に非難されるパニッシャー。流石にそれは不味いと思ったのか、彼は慌てて弁明する。

 

「いや、これはこの女への罰でだな……」

 

「罰は罰でもやり方ってのがあるでしょう!何でよりにもよって服を脱がせる必要があるのよ!」

 

「ほ、ほら。皆さんもこう言ってますし、ここは一つ穏便に行きましょうよ。ね?」

 

周囲からの反対によって仕方なくモレーの衣服を全部脱がせるという案は却下された。仮にもカルデアのマスターである立場のパニッシャーがそんな事をすればカルデアの沽券に関わるからだ。最も、パニッシャーは冗談半分で言っただけなのだが、予想以上の反発と集中砲火によって針のむしろ状態になってしまった。

 

「パニッシャー、俺がこんな目に遭って怒っているのは分かるけど、女の人に対して失礼だよ?」

 

「……すまん」

 

「分かればいいのよ。アタシもさっきは言い過ぎたわ。ゴメンね黒イヌ」

 

「いや、俺も悪かった。ついカッとなってしまってな」

 

パニッシャーは自分の発言に反省しつつ、藤丸たちと共に森の中を進んで行く。




フランクさん、それは流石にやっちゃいけないですよ……。

書いていて思ったけどひょっとしてモレーって可愛い……?
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