三輪霞になっていた俺。世界のために数多のアニメキャラ達と戦わなければならないらしい   作:100¥ライター

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1話 三輪霞と始める世界救済

『…けてください。聞こえますか?私達を助けてくれませんかー!』

 

 

これは俺の夢か?何処かで聞いた事のある女性の声が聞こえてくる。

 

 

『助けてくださーい!!誰かー!!…やっぱり、私の声なんて…誰にも届いてないですよね。役立たずで良いとこなしですし…私より強い人なんて星の数ほどいますし』

 

 

なんか急にいじけ始めたんだが。なんかちょっと可哀想になってきたぞ。

 

 

「お前の声は俺に届いている。俺ごときが力になれるのというのなら喜んでお前の力になろう」

 

 

うわ、はっっず。はっっっず!!けどいいよな、夢の中だし?誰も見てないからちょっとくらいカッコつけても良いよな!?

 

 

『ご協力感謝します。私の魂が見える方が優しい人で本当に良かったです…これからよろしくお願いしますね!マスター!』

 

 

 

 

「あぁ、よろしく頼むぞ…って、やっぱ夢だよな。はぁ、いつものニュース入れるか」

 

 

普段はスマホでニュースを確認するが、テレビのニュースは良い。朝飯のついでに聞く。それでなんとなく理解は出来る朝忙しい学生にとってはこれが最適解だ。

 

 

『次のニュースです。「俺はサイヤ人の王子ベジータだ!!」、「私は女神アクアになったのよ!私を崇め奉りなさい!」などと突如アニメのキャラクターになったと主張する若者が全国で大量発生していると—』

 

 

「はー、くだらね。髪整えてさっさと学校行こ…」

 

 

全く、最近妙な事件が起こってるな。さて、寝癖を直—ん?待て、何か水色の長い物が見えるような…髪の毛、なのか?待て待て、とりあえず鏡を—

 

 

「…三輪?三輪霞だと!?」

 

 

あのニュースで言っていた奴らは厨二病だとか虚言癖じゃなかったってわけか!?

 

 

しかし、だとすると妙だ。本当に一部の人間がアニメキャラの身体になってしまったのであればなったと報道するはず。そうなっていないのだとすれば…とりあえず今日は学校を休み、辺りを散策しよう。

 

 

とりあえず近所のお店を片っ端から回っていて分かったことがある。

 

 

一般人には俺の姿は今までの姿で見えているらしく、三輪霞であるとは認知出来ないらしい。それゆえにニュースで見た自称ベジータやアクアが存在していたというわけだ。そんな考察をしながら散策を続けていたところコンビニで妙な笑い声が聞こえてきた。

 

 

「フフ…フハハハハ!こいつがどんなキャラかは知らんが、これは良い!この分身の右手が抉れば何でも削り取れる!素晴らしい!素晴らしいぞ!」

 

 

あれは…ザ・ハンドを操る虹村億泰か。あの様子を見る限りATMなんかを荒らし回っているようだが…億泰はあんなことしない。ってことは俺と同じ憑依者といったところか。というかやはり能力も使えるのか。

 

 

じゃあ、その理論が適応されるなら今の俺は三輪霞の能力が使えるってことなのか?なら試しにやる価値はある!!

 

 

—見えた!!

 

 

「…シン・陰流簡易領域 抜刀!!」

 

 

「甘いぜ!馬鹿野郎が!!」

 

 

「っ…!これが貴方の能力!?」

 

 

ザ・ハンドの能力を知っていなかったわけではないが、実際に見るとえげつないなぁ。コンビニの照明は抉れ、棚の上にあったお菓子等が地面に散乱している。下手すると身体持ってかれるなぁ。

 

 

「あぁ、すげぇ良い気分だ。これさえあれば世界も思うがままだなぁ!」

 

 

「貴方に好き勝手させません!私が止めます!!」

 

 

無駄かもしれないが、三輪霞のなりきりでもしながら戦っておこう。中身を特定されると面倒になるやもしれん。

 

 

「お前のことは知ってるぜ!役立たず三輪ァ!!」

 

 

「コンビニ内で迷惑かけないでください!」

 

 

やっぱ最近の作品かつ人気のあるキャラだと対策され尽くされていて辛いなぁ!だがしかし!対策のしようはある!

 

 

「うるせぇ!空間を削りとっちまえばこっちのモンだぜ!!」

 

 

ザ・ハンドで徹底的に削りまくってやがる。危険な野郎だ。

 

 

「…違います。それは大きな思い上がりです。なぜなら…」

 

 

「ぐぼぁ!!」

 

 

ザ・ハンドは空間を削り取る。散乱した品々から見るにザ・ハンドの削り取る部分に魅了を感じすぎたあまり練習をろくすっぽしていなかったのだろう。だから俺に当てようとしたその先に酒瓶があって酒瓶を吸い寄せる結果になることを想像できなかった。その瞬間から負けは決まっていたに等しい。

 

 

「酒瓶が頭に直撃。流石に再起不能でしょう…ジョジョ4部を全て見なかったことが貴方の敗因です!」

 

 

ふぅ…疲れた。騒動が激化する前に帰ろ—

 

 

「へへ…詰めが甘い!」

 

 

「何!?」

 

 

しまった!左手で足首を掴まれた!このままじゃ—

 

 

「俺の二体目を出してや—」

 

 

俺の身体が勝手に動いた!?俺がやったらしい手際の良い峰打ちで億泰に憑依した男は再び意識を落とした。

 

 

『マスター!ソウルリライフを使ってください!』

 

 

「ソウルリライフ?」

 

 

『それを叫んで刀を振り下ろすことで囚われた魂を救済することが出来ます!』

 

 

「あ、あぁ!ソウルリライフ!!」

 

 

 

「うっ、うぁぁぁぁぁ!!やめろ!持っていかないでくれぇぇぇぇ!…ぐっ」

 

 

「…一体全体どういうことだ」

 

 

まず億泰の見た目で悪事を働いていた男は魂が抜かれた影響か普通の何処にでもいそうな金髪の男性の姿になった…(戻ったという言い方が正しいのだろうか)。次にまともに刀を握ったことのない俺が今や自分の手足かのように動かすことが出来るようになっている点。理解し難い出来事が立て続けに起こっている。そして極め付けは…

 

 

『マスター!私の声!!聞こえてますよねー!?無視しないで、マスター!』

 

 

俺の頭の中で響く声。そして今はそれが明確なビジョンとなり、はっきりと分かった。俺に助けを求めた女は三輪霞。

 

 

「三輪霞…なのか?」

 

 

『はい!いかにも!私は正真正銘三輪霞です!!世界を未曾有の危機から救うため!貴方という器を借りて現界しました!一緒に世界を救いましょうね!!』

 

 

三輪霞のスペックで世界を救う…ねぇ。それもニュースで見た限りドラゴンボールの世界にいるキャラとかが平然といる中で…か。本人がやる気満々なところ申し訳ないが、中々険しい道のりになりそうだ。

 

 

「あ、あぁ。任せてくれ」

 

 

…だが、人に頼られるなんていつ以来だろうか。それだけで少し嬉しくなってしまった俺は二つ返事で承諾してしまった。こうして調子に乗って危険な戦いに身を投じる事になるのだが、この時の俺はまだ知るよしもなかった。

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