三輪霞になっていた俺。世界のために数多のアニメキャラ達と戦わなければならないらしい   作:100¥ライター

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2話 ソウルクロス

「なぁ、三輪」

 

 

『はい!何でしょう?』

 

 

「とりあえず現状をまとめてもらってもいいか?」

 

 

『私が貴方の身体に憑依してます!全国各地に今回の憑依の力を悪用する悪い人達が沢山います!その人達を倒して世界を救いましょう!!以上です!』

 

 

ドヤ顔で説明する三輪ちゃんは可愛いなぁ、という感情よりも先にこの絶望的な状況に対しての怒りが勝った。

 

 

「以上です!じゃねーだろ!!今回はたまたま!一番最初に会ったやつが億泰のことをよく知らずに戦っていたからどうにかなったが!!お前より格上のキャラはごまんといる!まともに戦えばまず勝てるわけねぇだろうが!!」

 

 

三輪霞の技はシン陰流簡易領域・抜刀。オートで迎撃する技の性質上俺に特殊な技術な必要無いし、立ち回りさえ覚えれば体を動かす事自体は特別難しくはないだろう。

 

 

しかし、無数にいるアニメキャラ達の中では人間辞めてる身体能力のやつらはアホほどいるし、フリーザ様とかビックマムとかに勝てるわけない。三輪自身も自身の弱さをよく知っているはずなのに何故だ?何故そこまで自信有りげなんだ?

 

 

「…すまん、少し言いすぎた」

 

 

『いえ、その疑問はもっともです。役立たずな私では逆立ちしても勝てない相手が沢山いるのももちろん分かります。では、貴方は今何故そこまで自信有りげなんだ。そう思っていませんか?』

 

 

やべ、見透かされてたか。…しかし、そんな失礼な事を思われていたら普通は怒るだろうに。むしろニコニコしているのが怖い。

 

 

『今この世界には憑依できなかったアニメキャラ達の魂が沢山存在しています!なので強いキャラ達の魂を集めてソウルクロスをします!!』

 

 

「ソウルクロス?」

 

 

『魂を交差させる技です!!私の魂と噛み合うもう一つの魂を掛け合わせて能力を跳ね上げましょう!』

 

 

「…お前と噛み合う魂って誰?」

 

 

『…えっと、基本は刀が扱える女の子…更に抜刀術に精通しているとなお良しです!』

 

 

刀が扱える女の子…まぁ、沢山いるな。なら選択肢は色々あるだろう。

 

 

「じゃあ、具体的に誰?何処にいるの?」

 

 

『…』

 

 

「…」

 

 

『…』

 

 

「…」

 

 

『マスター』

 

 

長い沈黙を破って三輪が申し訳なさそうに告げる。

 

 

「何だ」

 

 

『私にも分からないことはあります!というより他作品?のキャラなんて1ミリも分かりません!サポートお願いします、マスター!』

 

 

…やれやれ、俺はどうやらとんでもない戦いに巻き込まれてしまったらしい。この理不尽無理ゲーを攻略するにはより強い魂が必須ってわけか。

 

 

『ただ一つ!貴方に適性がある魂は声が聞こえてくるらしいです!』

 

 

「魂の声か」

 

 

俺が夢の中で三輪の声が聞こえたような感覚ってわけか。おけおけ。

 

 

「…やるしかないよな」

 

 

『はい、その意気です!早速出かけましょう!』

 

 

「学校は…」

 

 

『…説明しなきゃいけないことが山ほどあるので今日1日だけは休んじゃってください!』

 

 

真面目な子だとは思っていた三輪がそんな事を言い出すとは。それだけ急を要するわけか。

 

 

 

 

魂を探して30分。今更ながらに思うが俺からすればアニメキャラに激似な人間がいれば写真を撮るなり声をかけるなりする人間が現れてもおかしくはない。そして一見、何も問題なさげに見える現状。やはり一般人には俺はいつも通りの姿に見え、そうじゃない憑依者にだけは俺の姿が三輪に見えるってわけか。

 

 

『おかしいです。中々いませんね。東京にはかなりの憑依者がいると踏んでいたのですが』

 

 

「まっ、そういう時もあるだろ。さっさと引き上げて…」

 

 

「おい、役立たず三輪だな」

 

 

「はい、役立たず三輪です!」

 

 

三輪の迅速な反応。お前の反応速度異常だな。と、突っ込むよりも早くその男は…

 

 

「そうか。ならくらいな!!」

 

 

「っ!!」

 

 

電撃が込められた球を飛ばしてきた。…くそっ!危ねぇ!ギリギリ放電手前で回避出来たが、不意を突かれた…!

 

 

『マスター!簡易領域を使いましょう!』

 

 

「いや、ダメだ。周りを見ろ」

 

 

『周り…?はっ!これは…ビリヤードの球?』

 

 

そう、周囲には雷属性が宿されたビリヤードの球が大量に浮いている。γが入れ知恵しているのかそうでないかは知らないが、匣兵器を上手く使いこなしてやがる。当たった瞬間感電死させるつもりだろう。

 

 

シン・陰流簡易領域『抜刀』半径2.21mの領域内に入ったものをフルオートで撃墜する。つまり今は俺の半径2.21m内にビリヤードの球が浮いている今使えば逆に手痛い反撃を受けるわけだ。

 

 

「すぐ抜刀で反撃して来ない辺り俺のことが分かるクチか?」

 

 

「家庭教師ヒットマンリボーンのγ…ですね」

 

 

『γ?』

 

 

「ビリヤードの球に雷属性の炎を宿して…いや、共有はあとだ」

 

 

「悠長に話している時間は無いぞ!!」

 

 

「っ!」

 

 

反撃で斬りかかれば球に当たった瞬間感電。身体能力が特別高いわけではない三輪の身体で回避を続けるのはあの不規則に飛来するビリヤードの球を避け続けるのは困難を極める。簡易領域・抜刀を使えば自動でビリヤードの球にカウンターして自滅。どうする…?

 

 

 

『魂を放棄してください』

 

 

「なんだ?魂の放棄だと?」

 

 

三輪よ、何故そういう大元の大事なルールは最初に全部教えてくれないんだ?

 

 

『そうすれば貴方の命は助かります。早く私の魂を放棄してください!』

 

 

つまり…俺が三輪と共に世界を救うのを諦め、強い奴の魂を得た憑依体が無双してくれることに賭けて託すってわけか。

 

 

「…そいつは出来ない。俺が諦めたら世界はどうなる」

 

 

『きっと他の人達がなんとかしてくれます。このままじゃ貴方が死んでしまいます!…この事態を起こしたのは私です。私が何もかもが甘かったからです。…ですからせめて、魂を放棄して貴方は元の生活に—』

 

 

「…そんな事してたまるかよ。俺の選択肢は2つ。戦って死ぬか戦って勝利するか。それだけだ!」

 

 

「召されな、哀れな憑依体!ソウルクロス!上鳴電気!!」

 

 

「ぐぁっ!!」

 

上鳴の特徴である黒メッシュやゴーグルが増えただけじゃねぇ!γの匣兵器の威力が上鳴との同調で出力が増してやがる!

 

 

「い、意識が…!!」

 

 

 

ここは一体どこだ?死後の世界か?それとも死にかけで走馬灯とやらが見えてるのか?

 

 

『貴方、私の声が聞こえる?』

 

 

「あぁ、聞こえているとも」

 

 

『もし貴方が…世界を救うために力を使うと約束するのならこの扉を開けなさい。私が力を貸してあげるわ』

 

 

「そうしてくれ。マジで今殺されかけてるんだわ。すぐ駆け付けてくれると助かる」

 

 

『なら今すぐ私の名前を叫びなさい!私の名前は…』

 

 

「…そうか、お前が来てくれたのか。知っているぜ。お前の名前は—」

 

 

 

 

彼女の影響を受けたことで髪は半分黒に染まった。しかし、それより大きく変わったのは…黒いスーツが彼女特有の白い特攻服に変わったことだろう。彼女の力があれば…奴にも勝てる!

 

 

「こいつでトドメを刺すとするか。ファイナル…」

 

 

「心月流抜刀術…弍式!百華乱れ桜!!」

 

 

ビリヤードの球を掻い潜りながら不規則に斬りかかる。これは流石にγも想定外だったのか致命傷を与える事に成功した。

 

 

「ぐぁっ!…や、やりやがったな!貴様!!」

 

 

「ソウルクロス…邦枝葵。ここから逆転してみせるわ」

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