異世界の天秤   作:日干ユノ

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初めまして日干ユノと申します。
初投稿につき駄文なのはご勘弁を。


とある法学部生の憂鬱

大学生になって3年が経った。大学4年目の春、現在進行形で就職活動中の俺、六原方二は悩んでいた。

悩みというのは単純だ。

 

就 活 つ ら す ぎ

 

今の自分にとって就職活動は目下最大の悩みなのだ。もちろん企業からの採用がないことも悩みものなのだが、それよりも大事なのは、自分が何をすればいいのか、自分はどんな仕事ができるのか皆目見当が付かない。

 

昔は、「テキトーに大学行って~、そこそこの所に就職して~」とか考えていたが、今となってはそれがどれほど甘い考えであったことか思い知らされている。

恐らく、その頃の自分に会ったなら助走つけて右ストレートを繰り出すだろう。

 

舐めるんじゃない、と

 

ドラ○もんとかセ○シ君のきもちがよく分かる。自分は致命的なまでに楽観視していたのだ、この世の中、社会を。

 

このように自己嫌悪と後悔の真っ只中にいる自分は、今日も今日とてエントリーシートの記入に勤しんでいる。

 

「これでいいのか…?」

 

エントリーシート一つにしても書くことなど思いすぐには思いつかないし、そこまで文章も上手い方ではない。文系(笑)の男なのだ自分は。

 

大体、大学受験の時点で法学部を選んだことも後悔の一つだ。別に法学部が悪いということではない、むしろウチの大学の法学部には卒論もないし、世の中の大学生の中ではかなり楽な方だろうし、大学の勉強もつまらないということもない。だが、だからといってそれが将来のためになるかといえば答えはNOだ。法律を使うような仕事など司法試験でも受けない限りありつけることもないので10年後、20年後のことは分からんが、今は全く役に立たないといってもいい。

 

そんなことを考えながらやっとのことで記入を終えて一息つく。

 

「受かる気がしねぇ…はぁ…」

 

時計を見るとデジタル式の掛け時計は午前4時と表示されていた。大学生の大部分、それも3年を過ぎれば生活リズムなんてこんなものだろう。

 

「ソシャゲのログインでもして寝るか。」

 

就活生となった今でもゲームは変わらず続けている。飲み会やら遊びやらに行かない自分にとってこれは心のオアシスなのだ。

 

子供の頃は何も考えずとも明日が来たものだ。ゲームだって好きなだけできたし、時間なんていくらでもあった。それが今はどうだろう、昨日と今日との境目も曖昧で自由に暮らせる日々は少しずつ短くなっている。

 

いくつかのソシャゲのログインを15分程で済ませた後は、明日の準備をした。明日は大学に行かなければならない。4年生にもなれば、大学に行く機会などほとんどないが、明日は珍しく登校する。着替えを用意してカバンに必要なものを手早く詰める。自分はノートだけは律儀に取るタイプなので筆記用具とノート、それに六法も入れなければ。

 

ここで補足だが、カバンに入れたのは六法といってもあの分厚くて何冊もあるような六法全書のことではない。あんなもの買うのも高いし重くてとても持ち歩けるようなものじゃない。その代わりに我々法学部の生徒は小型の六法を買うのだ。これもこれで多少は重いのだが、本家六法全書に比べれば大した事もないし、収録してある条文も学生の勉強として十分だ。

 

1年の時に買った六法はこの令和の時代にもかかわらず平成31年度版と書かれたものだ。教師は改訂がある場合には買い換えろと言うが、定価2000円を惜しむ自分はこの六法で最後まで押し通す心算である。

 

準備を済ませた後は携帯を充電器にセット、アラームも設定して布団に入った。

 

「(明日なんて来なければいいのにな)」

 

それかどこかのファンタジーな異世界にでも行けばこんな現実から逃げられるだろうか。

 

そんなくだらない妄想をしながら俺は目を閉じて意識を無くした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして目が覚めると森の中にいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

えっ?

 

 

 

 




読んで頂きありがとうございました。
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