人類最後のマスターが車椅子だったら   作:三和

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「あー!もう!どうしてこうなるのよ!」

 

今、私藤丸立香はつい数分前に会ったばかりの女性オルガマリー・アニムスフィアに背負われてる状態だ

 

「すみません、所長…足手まといになっちゃって……」

 

「ホントよ!何なのよ!もう!」

 

「所長!口ではなく足を動かしてください!追いつかれます!」

 

前を行く盾を持った少女マシュ・キリエライトが怒鳴る

 

「分かってるわよ!」

 

後ろからは骸骨の戦士スケルトンが追いかけてくる

 

この状況に至るまで本当に大した時間は経ってない

私は何故こうなったのかを改めて思い起こす

 

 

 

「■■■!畜生!」

 

一人の少年が強大すぎる敵に向かって行く情景

ダメだ!勝てない!

そう思ったところで

 

「……あの、先輩、今は朝でも昼でもありませんから起きてください」

 

そんな声が聞こえ私は意識を戻していく

……不思議な夢を見た気がする。そう思いながら私は目を開くとどことなく見覚えのある少女が私を覗き込んでいた

 

「あの、私の顔に何か?」

 

「!…ううん!違うの!何でもない!」

 

目の前の少女に見覚えは無いはずだ

でも何処かで……

 

「そうですか。あの私はマシュ・キリエライトと言います。先輩の名前は?」

 

「え?私?私は藤丸立香。」

 

「…藤丸、立香。ええ。覚えました。ところで立香先輩はどうして床で眠っていたのですか?そういう体質とか?」

 

「え?私?いや。そんな事な……」

 

私は周りと自分を見比べ確かに床の上に寝転んでいることを確認した。というか……

 

「えーっと、というかマシュだっけ?ここは何処なの?」

 

「はい、私の名前はマシュで合ってますよ。ここは人理継続保証機関フィニス・カルデアの廊下です」

 

カルデア?それって確か……

 

「マシュ?どうしたのかね?」

 

「あっ、レフ教授。今先輩が床で眠ってるのを見つけたので……」

 

「……ふむ。先輩か、ほうほう……」

 

その人はこちらに近づいて来た

何だろう?親しげに近寄って来てるけど何かこの人は信用しちゃいけない。そんな感じが……

 

「恐らく初めての量子ダイブの影響だろう。大丈夫かね?私はレフ・ライノール。ここカルデアに務める技師だ」

 

「あっ、藤丸立香です」

 

「藤丸立香…君が資料に合った最後のマスター候補だな。ようこそ、人理保証機関フィニス・カルデアへ」

 

「あっ、はい!よろしくお願いします!」

 

「…ふむ、元気で結構。とりあえず君に用意された部屋に案内しよう。今行っても所長に大目玉を食らいかねないからな……ああ、君は車椅子だったな。ふーむ……あそこか。すまないがマシュ、彼女の車椅子を取ってきてくれないか?」

 

「はい。分かりました」

 

そしてレフさんは私の方でしゃがみこむと身体の下に手を入れて抱き上げた

 

「……すまないが少しじっとしていてくれたまえ。」

 

「はい、すみません…」

 

「何…気にするな」

 

「……教授。持ってきました」

 

「ありがとう。マシュ、すまないが先に行って所長に私は遅れると伝えてくれないか?私は彼女を部屋に案内してくる」

 

「分かりました。では先に行ってますね。それじゃあ先輩、また後で」

 

「うん。ありがとね、マシュ」

 

「さて、行こうか」

 

「……すみません。来て早々迷惑をかけてしまって……」

 

「気にしなくていい。これから一緒に働く仲間なんだから当然だよ」

 

そして彼は車椅子を押していく

その間黙ってるのも変なので彼と会話をした

と言ってもまだ私には話せないことも多いらしく世間話程度だったが

 

「さっ、ここが君の部屋だ」

 

そう言ってレフさんが扉の横に合ったパネルを操作すると扉が自動で横滑りして開く……

 

「……んあ?げぇっ!レッ、レフ!?なっ、何でここに!?」

 

私の部屋には先客がいた

驚いてレフさんの方を見ると頭痛を堪えるようにこめかみを押さえながら

 

「……ロマニ・アーキマン……貴様こんな所で何をしている……」

 

私の部屋にいた人はロマニと言うらしい

というかレフさん、ちょっと怒ってる……?

 

「いっ、いや、それは……ほら……そう!あれだよあれ!えーっと……」

 

初対面の私でも分かった

あれは完全に誤魔化そうとして失敗している

 

「まぁいい。私はこれからAチームのレイシフトに立ち会わなければならん。先に行ってるから私が呼ぶまでは彼女の相手をしていてくれ」

 

「えっ!?ちょっ、ちょっとレフ!?」

 

「それでは立香君、また後で」

 

レフさんは有無を言わせず私を部屋の中にいれると部屋を出ていってしまった…

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