人類最後のマスターが車椅子だったら   作:三和

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「次に来たのが、ジャンヌ…オルタの方だね。」

 

私がそう言うと心配気な顔をして彼が言葉を紡ぐ…

 

「…大丈夫だった…?」

 

「大丈夫って…何が?」

 

「いや…オルタと君は…どちらかと言うと相性は悪そうだから…」

 

あー…なるほど…

 

「そうだね、召喚当初こそ確かに揉めたけど…私が寝込むまでは比較的仲は良かったんじゃないかな……レイシフトには滅多に参加しなかったけど。」

 

「それは…仲が良いの?」

 

「考え方と私と君との置かれた状況の違いかな…当初言われたのが…『あの女を見ている様で一々虫唾が走る』だったんだけど…最終的に言われたのが『平気な顔で自分を使い潰そうとするのがムカつく』だったんだよね…」

 

そう言うと彼は首を傾げた…まぁコレだと仲が良かった様には聞こえないよね…

 

「…ムカつくって良いながら、結構悲痛な顔されてさ…そもそも自分が憎んだ相手と全然違うって気付いたからなんだろうけど…」

 

「違う?」

 

「…当初は英霊として祀り上げられた本来の自分と私を重ねて見てたみたいなんだけど、彼女のイメージする自分の元となった聖女ジャンヌ・ダルクと私はそもそもまるで違う。私は徹頭徹尾自分勝手なだけでジャンヌの言う良い子ちゃんじゃないし、そうする事によって周りに認められたいとかは特に無かったから…その本心に気付かれてからは、寧ろ口は悪くても気遣って貰う事の方が多かったかな…」

 

「オルタも根は優しいからね…ちなみに本来のジャンヌは来なかったの?」

 

「特異点で会ってはいるけど、結局ウチのカルデアには来なかったね…最も私にとってのジャンヌはどっちかって言われたら、もう彼女で定着しちゃったんだけど…」

 

意地っ張りで口が悪いけど実は優しい…孤児院に良く行ってた私には…それは本当にとても見慣れた姿だった…だから…嫌いじゃなかった。

 

「構わなかったら構わなかったで、分かりやすく拗ねるのが可愛くてさ…比較的元気だった頃は構い倒しちゃった日も有ったよ。…最も、私が自分で動けなくなる頃には全く部屋からも出て来なくなっちゃったし、会いにも来てくれなかったけど。」

 

彼女としては…本当に私の性だけは納得出来無いし、気に入らなかったのだろう…

 

「エミヤさんも一度は契約破棄したって言うし、多分…私の意識が無くなってからは真っ先に契約解除してカルデアを出て行ったんじゃないかな…」

 

「仲が良かったって割に、そんなに残念そうじゃないね…」

 

「あの時は最初の雰囲気で、必要以上には踏み込まない方が良いって思ったから…最も初めはあまりにも心を開いてくれなくて、しつこいぐらい話しかけたりしたけど…だから、ジャンヌとは最終的にはさっぱりした関係の方が良いかなって。」

 

それに…

 

「私を戻してくれるんでしょ、君は。」

 

「……俺から言い出して何だけど、断言は出来無いよ。そもそも俺がここから向こうに戻れるかも分かんないし…」

 

「出来たらで良いよ…元々低い可能性なんだし…」

 

この身で結んだ彼女との絆は…きっとエミヤさんやジャックにも引けを取らない…だから…

 

「もし元気になって向こうに戻れたら…私はもう一度彼女を呼ぶの……その…色々、話し足りないからね…」

 

もう一度会えたら…今度はジャンヌともっと深い話をしたい…もっと仲良くなりたい…何れまた別れるとしても、次は顔を合わせて…ちゃんと笑ってお見送りもしたいから…

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