id:r1》150:初代軍師
今からお茶会を始めようと思う!
151:影の親友
……?
152:王妹殿下元専属騎士
何を言い出しとるんじゃ、いきなり。それよりも今後の対策を――。
153:初代軍師
その対策は後で! 今はアテナの心を癒すためにティータイムを設けるんだよ! あの戦いで彼女のメンタルが結構傷ついているから少しでも癒しを与えるのっ!
154:元王子
突然の提案にびっくりしたけど、それはいい案かもしれないよ。
155:元先生
軍師。ティータイムは社交の場であり、ビジネスの場だ。そしてそこには様々なルールがあって、その中にお菓子のルールというのがある。
156:初代軍師
おおっ、先生の授業が開始された! ……でも、御免、知ってる。
157:元先生
……そうか、それならいい。
158:影の親友
拗ねるな拗ねるな、元先生ww
159:元王子
僕的には勉強になるなぁ。だって僕ってば世間知らずだったし、世紀末のようなことしてきたから、あまり知らないからさ。
160:初代軍師
コメントしづらい事は書かないでくれない?
161:元王子
でも事実だし、しょうがないじゃない。
162:元先生
>>158 俺は拗ねていない。
しかしお茶会をするのはいいとして、何故俺たちに呼びかける必要がある。
163:初代軍師
俺、得意なの軍略。それ故に貴族や王族の振舞い等なんて毛筋ほど知らない。
164:王妹殿下元専属騎士
うむ。
165:初代軍師
だから、お茶の作り方もおやつの準備の仕方も知らねえ。つまりなんも分かんないの、初心者なの。誰かお茶の入れ方なんか全部教えてプリーズ!
166:元王子
無理。僕は従者たちがやってくれてたから。
167:影の親友
無理。騎士仕事にはそういうのがなかったし、何より俺は早々に自由騎士になっちゃったしなぁ。
168:王妹殿下元専属騎士
無理。一応それなりの地位じゃったし、元王子同様にやってもらってたからのぉ……。
169:元先生
……俺だけか、教えられるのは。軍師、とりあえず無難だがハーブの用意をしろ、それと菓子類。いや待て、今お前のいる場所はそういった物はあるのか?
170:初代軍師
あぁ、ごめん。そこは話してなかったな。いま俺とアテナがいる場所はアスク王国領内外に位置している、朽ち果てている城と神殿が合併した場所を拠点にしているんだ。幸いにも食料等はあるよ、殆ど保存食のようなもんだばかりだけど。
多分。ここを放棄した人たちのものだろうけど、申し訳ないが使わせてもらう。
171:元先生
……その拠点はお前が提案したのか? それと、女神アテナはその朽ち果てた城と神殿を拠点にしても何も言わなかったのか?
172:初代軍師
言うも何も。彼女が自分でここにすると決めたんだ。曰く『ここは嘗て私を祀って頂いた場所です。喩え朽ち果てていようとも、人がいなかろうとも、ここは私の場所です』だと。
そんじゃ、ちょいと探してみるから離れるぞ。
<<初代軍師は退室しました>>
173:影の親友
しっかし、女神様は人を護ることになんでそこまで掻き立てるんだ? ただの使命感だけじゃ、そんな覚悟が出来るはずがない。
174:王妹殿下元専属騎士
うむ。それは儂も疑問に思った。守るべきものに恨まれてでもやり遂げるその本懐は一体何なのか。
175:元王子
僕の場合は兄弟姉妹たちのためにやってたね。 大切な人たちを死なせてたまるかっていう決意を込めて。
176:元先生
俺は生徒たちのために。そして……俺に力を別けてくれた彼女のために。
177:王妹殿下元専属騎士
お前たちみたいに貫き通せる意思が、女神にあるのか。唯の使命感だけで乗り越えようとしているのか。儂は知りたい。使命感だけで人々を護り、試練として立ちふさがるのであれば、いずれ理想と現実の合間に崩れて、挫折する。
178:影の親友
まぁ、挫折した時は召喚されたときに俺らで支えりゃいいだろ。とりあえずまず最初に、女神アテナの肩の力を適度に抜かせられるように支援していこう。さっきみたいなお茶会は勿論、気を紛らわせるようなことをしてさ。
179:元王子
仮に召喚されたときは、上手く出来るか分からないけど、彼女を支えられるようにしていこう。
180:元先生
>>178,179の言う通りだ。
181:王妹殿下元専属騎士
ふむ……まぁ今はそれが妥当かの。
182:元先生
さてと、女神に対しては以上でいいか? ……これより身内と会った時に対処法について話し合おうじゃないか。
183:元王子
…………やっぱり、女神さまの言う通りに何も反応しないで戦うしかないんじゃない?
184:王妹殿下元専属騎士
いや、それではいかん! そんなことを続けてしまえば、女神へのヘイトが溜まって彼女の精神が持たんぞ。
185:影の親友
因みに俺らの精神もヤバくなることは忘れないで。軍師も相当精神が削られたっていうし。
186:元王子
うーん、僕らも女神さまも同時にメンタルが削られない方法とかあるかなぁ?
187:影の親友
それを探すためにこうしてやっているんでしょうよ!? この天然さんめがっ!
188:元先生
……戦うたびに記憶を思い出すとかどうだ?
189:王妹殿下元専属騎士
むっ。どういうことじゃ?
190:元先生
文字通り。たとえば俺が生徒たちと剣を合わせていく度に、記憶が思い出していくというものだ。何十回か戦ったら完全に記憶を取り戻すって云うのは?
191:元王子
でも、それだと時間かかる上に、そうなるように仕向けたと女神さまが勘違いされて、余計なアンチが増えない?
192:影の親友
その可能性はありえるかもしれないが、完全に取り戻した後は『女神アテナは試練の為に敢えてそうした』って弁明すればいいんじゃないか?
193:王妹殿下元専属騎士
洗脳されているかどうかで揉めはしないかのぅ……。
194:影の親友
やらないよりかはマシだな。とりあえず元先生の案でやるってことでいいか?
195:元王子
うん、やってみよう。それじゃあ各自の宿題として、会話内容を考えていこう。
196:王妹殿下元専属騎士
分かったわい。といっても、儂らの知り合いが召喚されるかどうかわからんぞ? もしかしたら会うことなく、この戦いは終わるかもしれん。
197:元先生
フラグ立ったな。
198:影の親友
フラグ建築士が立てちゃったww
199:元王子
もしかしたら、次に召喚されるのは騎士かもしれないから気を付けてね?
200:王妹殿下元専属騎士
誰が建築士じゃ!? そもそも儂だという確証もまだなかろうが!?
201:元先生
よく言う。元いた世界でも王女との恋愛フラグを立てたり、一度戦って「これで大丈夫じゃろう」と王女の安全を安心したら今度は自分が執拗に狙われたりしてたろ。そして、思い出したが恋愛フラグは王女だけじゃなく――。
202:王妹殿下元専属騎士
も、もういい! これ以上は聞きたくないわっ!
203:影の親友
……改めて聞くけど、ほんっとお前はフラグ建築士だよなぁ。
204:元王子
いやぁ、改めて思うけど王妹殿下元専属騎士ってすごいよね。
205:元先生
俺たちも人のことは云えないけどな……。
<<初代軍師は入室しました>>
206:初代軍師
おーい、お菓子はなかったけど、ハーブあったぞっ! 元先生よ、お茶の入れ方等教えてくれ!
207:影の親友
おっ、おかえり。
208:元先生
よしっ、それじゃあ早速――。
209:王妹殿下元専属騎士
……ん? そういえば今更思ったんじゃが。
210:元王子
どうしたの?
211:王妹殿下元専属騎士
初代軍師と女神のいる場所は、朽ち果てた城と教会なんじゃよな?
212:初代軍師
そうだけど、さっきも説明したろ? ボケた?
213:王妹殿下元専属騎士
ボケてたまるかっ!?
214:影の親友
はいはい。そんな三文漫才は置いといて、王妹殿下元専属騎士は何が云いたいんだよ?
215:王妹殿下元専属騎士
>>214、すまん。
初代軍師よ、今おぬしの所にお茶会するに必要な陶器類とかあるのか?
216:初代軍師
…………あ。
217:元王子
…………そういえば、カップとかそういうのなければ、お茶会以前の問題だよね。
218:影の親友
…………すっかり、忘れてたな。
219:元先生
…………とりあえず、ハーブだけがあるのは分かった。あとは陶器があるか探してみろ。
お茶会の授業はそれからだ。それと覚悟を決めろ――俺は厳しいからな
* * * * *
城と神殿が合併したその建物は、もう人が住んでいる所か形跡すら残されていなかった。いや、それ以前に最早建物としての機能を果たすことが出来ない程に崩壊していた。
嘗て玉座の間であったであろうその一室。辛うじて残されている天井と壁から陽の光と心地よい風が降り注がられている、玉座の上には嘗て崇めていたであろう顔面部分が壊れた神像を見つめている人影があった。
金色の槍を片手に、黒紫色の髪が地面まで届くほどの長髪、ぞっとするほどの美しさと同時に静かながらも強い存在感を現す程の美貌を持った女性――いやまだ少女と称されるほどの年頃の女子だ。
少女は半壊した玉座を見ながら憂いた表情を浮かべながらもその瞳には強い決意を込めていた。
「……」
そして、軽く頭を下げては玉座に背を向けて歩き出す――すると。
「おっ、丁度いいタイミングだったかな? 我が主人?」
片手に湯気を立てているティーカップを持ちながら、玉座の間に入ってきたインヴァネスコートを纏った青年が疲れ果てた表情でため息をついていた。
「マーク……どうしたのですか」
「いや、紅茶を作ってたんだよ。初めて作ったから色々と手間かかってさ……まっ、どうぞ」
そういって、青年――マークはティーカップを少女に差し出す。湯気と心地よい香りが漂うその中身に少女は心当たりがある。
「ハーブティー、ですか」
「さっきの戦いで疲れていると思ってな。肉体的にも精神的にも」
「……それは、貴方もでしょう。嘗ての主君を前にしても貴方は私の言う通りにしてくれました」
少女、守護の女神・アテナは思い出す。
『マーク! マークッ!? どうしたのっ、答えて、マーク!』
『アテナッ、マークに何をしたのっ!』
――緑髪のポニーテールの少女、リンがマークに何度か呼びかける姿を。アテナを親の敵と云わんばかりに睨みつけてくる姿を。
それを思い出すたびに胸が、心が痛む。
敵意向けられるように仕向けたことであり、それに関しては後悔はしていない。
しかし――。
(彼女の想い人を召喚しただけでなく、わたしは彼を敵として配置させてしまった)
(それ以前にわたしは自分の我儘で彼と彼女の再会を壊してしまった。心のない人形とワザと紡ぎ、わたしへの敵意を深めるために)
(わたしは試練として立ち向かわなければならない、それは分かっていること)
(ですが……心待ちにしていた再会を壊してまですることなのでしょうか)
(試練のためとはいえ、わたしのやったことは正しかったことなのでしょうか……)
罪悪感と不安の両方に苛まれ、彼女は表情を暗くし俯きかけたとき。
ずいッとハーブティーの心地よい香りと特有の色合いが目に入ってきただけでなく、ティーカップが口元まで近づいてきた。
「アテナ。 折角淹れたハーブティーだ、疲れにいいから飲んで」
「えっ、あっ、は、はい」
なすがままにアテナはマークの手によって、ティーカップを一口付けられる。
アテナの口の中から広がる芳香は、頭の中までスッキリさせてくれるような爽やかさと暖かに思わず肩の力が抜けてしまう。
「……おいしい」
「そいつはよかった」
心の底から安堵したようなマークの笑顔に、先ほどまでの暗い気持ちが薄れていき、心がゆるゆるとほぐれていく。
「……ありがとう、マーク。本当に美味しいです」
アテナの表情にあった暗いものはなくなっていた。見た目相応の少女特有の柔らかい微笑みを浮かべていた。
そんなアテナにマークは優しく見守りながら、言葉を紡ぎだす。
「アテナ。これからもっと大変なことになるかもしれない、心が折れそうになる時があるかもしれない、だけど……だけどさ一人で抱え込まなくていい。今は俺しかいないけど、これから召喚される英雄たちと一緒に、あんたを支えていくからさ。心のままに動いてくれ」
「こころのままに、ですか?」
「あぁ。だけど……心を失った人形にしたは、流石に事前に言ってほしかったけどな。あれは結構心に来るからな……」
「そ、それは……ごめんなさい」
遠い目をしだしたマークにすぐに謝罪するアテナ。やはりまずかったのだろうかと思い、アテナは不安げになるものの、マークは怒りを現わすことなくただ苦笑をしているだけだった。
「今度そういうのをやるときは事前に言っといてくれよ。さっ、お茶会をしようぜ――お菓子どころか椅子も何もないただ突き立っての寂しいものだけど」
350:初代軍師
お茶会無事に成功したぞー! 何十回もやり直したかいがあった!
351:元先生
教える方もしんどかったんだが……?