kaleid Sekai −誓いの音色− 作:オーシャンビューバー太郎
遅くなってすまない…
「なんでさ…」
士郎は今困惑している。何故なら少し隙間はあるものの、隣のベッドには、
「スー…スー……」
可愛らしい寝息をたてる穂波の姿が。
全ては数時間前、晩飯の肉じゃがを完食した後…
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「ねぇ、士郎さん」
と穂波から辛そうな表情で、
「ん?どうした?」
「なんで…
そう聞かれた。
「そう…か…
そんなことを呟き、士郎は決心した。
「…俺さ、最低の悪なんだ。」
「それはどういう…?」
「そのままの意味さ。俺はたった1人を救うために全てを捨てた。勿論、世界も。」
「……」
「そして何より俺はそのたった1人を、
「そんな…」
「ああ、ほんとに最低だ。記憶喪失なんて一言で片付けられることではない。…もう俺は、どうすれば良いのか、分からないんだ。ただ1つ誓ったことももう済んでしまった…と思う。多分、この残ってしまった命も、それに使いきるつもりだったはずなんだけどな。」
なんて自嘲気味に言う。
そこまで黙っていた穂波が唐突に、
「士郎さんは、凄いなぁ…」
と感動が入り交じって、涙目になりながらそう呟いた。
「え…」
「私、弟がいるんですが、弟と仲良く出来なくて、今は学校の近い祖父母の家に住んでるんですけど…あっ、ごめんなさい、変な話しちゃって…」
「ううん、寧ろ、俺なんかに話してくれてありがとう。」
「士郎さん…」
「飯食わせてもらってありがとな。じゃあ俺はそろそろお暇するよ。」
その瞳には何か覚悟が決まってしまったものが見えて…
「帰るところ、あるんですか?」
「さぁな。そのうち、見つかるんじゃないか?」
ああ、その目は駄目だ。だから私も、覚悟を決める。彼よりは弱くても…!
そして、爆弾が投下される。
「……士郎さん、私の家に泊まりませんか?貴方の居候先を探すまで。」
「は?」
余りにも拍子抜けだった。
「私は、貴方を救いたい。…1人で苦しむ辛さがよく分かるから、貴方が自身を救わないなら私が貴方を救います!私が救われたように!」
その決意をした眼に何を見たか士郎は大きな溜め息を吐き、
「分かった。…けど、後悔するかもだぞ?」
と試す様に見る。
「絶対に、しません。」
「…分かった。…ちゃんと親御さんに説明しろよ?」
「はい!……あ。」
「あ?」
「えっと…その…そういえば両親は結婚記念日で海外に行ってましたので、どちらにせよあと一週間位帰ってこないんですが…」
「忘れてたのか…」
「今日が刺激的過ぎて……と、取り敢えず!今日1日は士郎さんが逃げるかもですので、その…私の隣で寝てもらいます…!」
「な、なんでさ…」
ーーーそうして冒頭に戻るーーー
「ハァ…結局、命を使い潰すことなく、か…」
それでも彼は、
「俺は幸せを享受してはならない。それが、それくらいしなくちゃ、俺が世界を裏切った罪の清算にもならないから。」
1人の少年は、ここに又、
それと共に、もう1つ、隣で寝息を立てる少女を見て、
「助けて貰った分は、救わなきゃな…」
このときは誰が想像しただろう。彼の背負うモノは段々、膨れ上がってることに。だが、
その夜、彼は
「僕はね、正義の味方に、なりたいんだ…」
次からはバンバン他のキャラも出ます。Fateのキャラも出たりと楽しみにしてください!
追記:今回が一番ムズかった。あとタイトルが変わったのは、間違えて別の話のタイトルにしてしまったからです…