「私は観客が良かったんですけどね…」
「何か、ごめんね…」
私は今、コロシアムの真ん中でアスナさんと共に声援を受けていた。
数日前…アスナさんのホームにて…
「エキシビションマッチですか?」
「ええ…」
「それを何故私に言うんですか?」
「いや…それがね、私と貴女に出て欲しいって…」
「嫌です。」
「断れるなら…私も断りたいんだけどね…もうチケットも手配してるとかって…」
いや…まるで理由になってないし…
「…そうだとしても…私には関係無いでしょう?そもそもコレは元々血盟騎士団団長と団員の私闘じゃないですか。見世物にしてる時点で可笑しいでしょう?」
「ふむ…確かに一理は有るな…」
私は今発言したこの場にいない筈の人に顔を向ける…
「団長…貴方が他人事みたいに言うのは可笑しいでしょう?」
「そう言うつもりでは無かったのだがね…」
「とにかく戦いたいなら勝手にしてください…私を巻き込まないで「そうでは無いな」何がですか?」
「確かにコレはただの私闘…だが、私たちだけで雌雄を決するのはもったいない。」
「もったいない…?」
「私もキリト君もトッププレイヤーと呼ばれる人種なのだよ…そしてアスナ君、リーファ君…君たち二人も該当する。」
「…それで?」
「私たちにはトッププレイヤーである以上、果たすべき義務がある…」
回りくどい…イライラする…
「結論から言ってください…何故私はアスナさんと戦わないといけないんですか?」
「トッププレイヤー同士の私たちがぶつかる事で、士気を上げる事が出来ると言う事だよ。」
「つまりショーをやれと?」
「言い方は悪いが、そういう事だな。」
「…なら、やっぱり私は戦う必要が無いですね。」
「何故かな?」
「私はソードスキルが使えないので。見映えが良くないじゃないですか。」
「ごめん…リーファちゃん…それなら理由にならないと思う…」
「何でですか?」
「だって貴女…以前私をソードスキル無しで破ったじゃない…見映えなら十分でしょ?」
「……とにかく私は嫌です。」
「団長…」
「リーファ君、君も義務を果たすべきだ。」
「冗談。私は一度も自分を強いだなんて思った事はありませんよ。」
「リーファちゃん…それを決めるのは私たちでは無いの…決めるのは周囲の人たち…」
「私には関係ありません。」
「リーファ君…君が戦う事で、君自身に掛かった汚名を少しでも払拭する事も出来るのだよ?」
「それこそどうでも良いです。どうせあの人たちは私を排斥する事は有り得ない。」
「リーファちゃん…貴女…やっぱり自分が強いと思ってるでしょ?だから攻略から外されないと思ってる…」
「……ハァ…分かりました…では、一つだけ条件を付けさせてください。」
「ふむ、何かな?」
「……アスナさんに勝ったらで良いです…私とレコンを血盟騎士団から抜けさせて下さい。」
「リーファちゃん!?何言ってるの!?」
「いや…だって…どうせキリト君、団長に勝てないでしょうし…これから先二人と顔合わせるの気まずいんで。」
「良かろう「団長!?」アスナ君、君が負けなければ良い話だよ?」
「……分かりました。」
「経緯はともかく、今回は勝たせて貰うわ。」
「何でそんなに私に拘るんです?」
「だって…放っておけないもの。」
「……分からない人ですね…」