【悲報】私ちゃん転生したっぽいけどこの世界ってばディストピア臭がぷんぷんストリーム! 作:鬼百合ぴょんぴょん丸
シトちゃんとの真なるコンビ結成記念に、私の飴ちゃん貯蓄を崩してケーキ様を二つ手に入れる事にした。
ちなみに飴ちゃんは色彩豊かな装いに包まれており、その包み紙をコレクションしている幼女達も結構いる。私ちゃんにはよくわからないブームの一つだった。
中にはレアな包み紙と飴ちゃんを交換するという、私ちゃんからすれば本末転倒な行為をするマニアもいた。ちなみに私もよく要らない包み紙をトレードしているので、非常に有難いマニア幼女達であった。
ちなみに現在の私の飴ちゃん富豪っぷりからしても、飴ちゃん二十個は中々懐に痛い出費ではある。
だがここでケチった方が私ちゃんの精紳に大打撃だと簡単に予想できてしまう。
しかも後悔という不治なる後遺症の恐れがあるともなれば、最早やらない理由がなかった。
そもそもこういう時に我慢しない為に、私は普段の飴ちゃん摂取を(多少は)我慢しているのだ。
「えと、悪いよ、しーちゃん。ケーキは飴玉たくさんいるでしょ? 私も出すよ」
私がお祝いのケーキ代を全て工面する事を告げたら、シトちゃんは遠慮していた。
こういう奢り、奢られる問題は非常に面倒臭く、時に繊細な問題だった。
気持ち良く奢りたい人もいれば義務感とか場の流れで嫌々奢る人もいるし、奢られる方もそれは同じ。プライドやらマウントやらでくっそ面倒臭いことになりがちである。
そして相手や状況によって幾らでも反応は変わるので、その辺の見極めは難易度が高い。
だけどまぁ、シトちゃんは別に飴ちゃん欠乏症というわけでもない。
なにせ私ちゃんと同じルームメイトで、よく同じチームになって勝利しているのだから。
多少目端の効く子なら貯蓄に回しているのだし、貰ったすぐそばから消費するような子は実は少数派だ。宵越しの飴ちゃんは持たねぇ主義の江戸っ子幼女ちゃんもいるにはいるけど。
そしてシトちゃんは堅実な貯蓄家の部類に入る。
そんな五分の盃を交わす相手に、初手奢りというのもちょっと違うか。
「じゃあ一緒に飴ちゃん出そっか! シスターのとこ行こっ!」
「……うんっ!」
一緒に手を繋ぎながら、シスターの元へケーキ様を交換しにいく。
ちなみに現在時刻は朝の勉強が終わった後の自由時間。お昼がちょっと入らなくなるかもだけど、ケーキ一個くらいは余裕で消化可能だ。おかわりするパンが一個少なくなる程度である。
そして昼食の後はお昼寝からの激戦が待っているので、行くなら今しかなかった。
別に食堂で堂々と食べてもいいのだけど、なんだか二人だけの秘密な感じにしたかったので、シトちゃんの同意を得ていざ鎌倉! シスターに許可をとってキッチンにある小テーブルを占拠する。
そしてこの小テーブル、何だか新しいと思ったら、交換サービスを始めてからケーキをその場ですぐに食べられるよう設置したとのこと。幼女専用秘密のカフェというわけである。偽物を疑うレベルでシスターが有能である。
そしてついにテーブルへと降臨されるケーキ様。
サービスのドリンクは相変わらずの謎ミルクだったが気にもならない。
神たるケーキ様を前に、我ら二人は糖分の契りを代わす。
ついでに傍であらあらと微笑んでいるシスターもいるが、見届け人として許してやろう。
「誓いの言葉をここに」
「しーちゃん? どうしたの急に?」
「ケーキ様にお祈りすると、御利益があるんだよ」
「そうなの?」
そうなのだ(大嘘)。
けれど神前の契約には意味がある。代表的なのは結婚だろうか。
それは決して違えてはならぬ戒めとして、不可侵の証を立てるため、神の名の下に交わされる神聖なる契約。
そして今の私にとって、ケーキ様こそが神である。
ならばケーキに誓いを立てるのは、私にとっては厳かな誓約であった。
「私は、シトちゃんともっと仲良くなります」
我ら二人、生まれも育ちも時を同じくする同郷の
これより富たる飴ちゃんを分け合い、共に神たるケーキ様を食し、崇め、奉じる戦友となる。
「……わたしも、しーちゃんともっと仲良くなりたい、ですっ」
同年同月同日に生まれたかよく分からん我らだが、同年同月同日を生き、願わくば同年同月同日に死す。
そんな真なる血族、魂の姉妹となるのだ。
「「ラーレ!」」
初めは「いただきます」だと解釈していたその言葉は、やはり微妙にニュアンスが違っていた。
それは願いであり誓い。物事への感謝。そういった諸々の要素を含んでいる。
私の記憶は、それを神への祈りのようだと判断していた。
そんな私のクソ病み激重ムーブな内心など一切知らず、シトちゃんは無邪気にケーキを頬張るのであった。
ケーキ様うんまぁあああああああ!!