異世界艦娘~猫耳摩耶の、チートな冒険~ 作:摩耶様の下僕TNG
海軍での一悶着から一週間後、基地を去ったあたしは"半分自由な冒険者"としてこの広い海を航行してる。
あの決闘を圧勝で終わらせた後、直ぐに基地を去ろうとしたんだけど、今度は国の大臣が現れて、あれやこれやと色々好条件を付けられた挙げ句、丸め込まれる形で軍に所属させられた。
けど、好条件の中に"独立行動権"ってライセンスがあって、作戦参加の是非や立案、当てもなく自由に航海しても良いって権利が有った。
所属させられてから速攻で権利を行使したあたしは、食料等の物資を補給した後に基地を出て、今の時間を謳歌している。因みに、食料等の物資補給の費用は軍持ちで、同盟国なら他の国でも恩恵を受けれる。
後から考えたんだけど、何処かの国に所属されるんなら、破格の待遇条件を出してでも、この国に所属して欲しかったんだろう...。
『平和ですねぇ~っ...。』
肩に乗るカドマツは、気の抜けた声を出しながら望遠鏡で辺りを見回る。それもその筈、基地を出てから戦闘が起きたのは初日の夜で、水中に潜む魔物との対潜戦闘をしただけで、それ以降は敵はおろか、味方の姿さえも見掛けない。
「そうだなぁ~っ...。」
『平和だと、何か起こる前兆だったりして...。』
「それ、フラグだから...。」
『あっ!』
カドマツが"しまったっ!"という顔をすると直ぐに索敵に反応が現れる。反応した物体は一つで、反応の大きさと移動速度から多分、偵察機だろう。
『キクチっ、どっちだっ?』
『味方機と判明っ!』
さっきまで呆けてたカドマツだが、直ぐにCICに確認、するとキクチからそう報告が上がる。
軍に所属する前は、索敵に反応した物体の敵味方の区別が出来なかったけれど、所属して以降はその判別が出来るようになる...有る意味、所属して良かったかも知れない。
"現距離では名前と所属元は不明"って追加の報告に、あたしは呟く...やっぱっ、今のレベルじゃ、流石にそこまでは無理か...。
今の索敵レベルだと、味方と分かってもその対象物がある程度近付かないと、名前や何処の所属かと云う事までは分からないが、もう少しレベルが上がると、索敵範囲に入ったら直ぐに所属元まで分かるらしい。
『対応は、如何しますかっ?』
「ど~すっかなぁ~っ?」
この海域はまだ基地の守備範囲内だけど、基地を出る間際に得た情報から、先ず主力がこの付近で活動してるって情報は無かったから考えられない。となると、残りは新規航路開拓に出てるマッチョの処の部隊、或いは、ライセンス持ち...。
基地を出る時、この国にはあたし以外に数人のライセンス持ちが存在すると聞いていて、その中には"空母クラスの艦娘"も居ると聞いていたけど、どっちにしても、判明するまで待つしか無いな...。