異世界艦娘~猫耳摩耶の、チートな冒険~ 作:摩耶様の下僕TNG
目的の海域に行く途中、何で主力の派遣部隊が遅れるのか?って事を詳しく聞いて無かった。
「そういえば、何で主力が直ぐに出れなかったんだっ?」
並走する瑞鶴に訳を聞くと、彼女は"これはマッチョから聞いたんだけど"と前置きしてから、話を始める。
「1週間位前の演習で、主力の艦娘艦隊の一つがかなり酷い敗北をしたらしくて、それが原因でみんな塞ぎ込んじゃったんだって。それが影響しちゃって編成が遅れてるんだって。」
「そっ、そ~なんだ~っ...。」
その理由を聞いたあたしは、その演習はあの時の決闘の事だと分かった。
あの時、1発目の"石斧"を放った後、黒焦げになった武蔵を使い魔を通して確認、まだ沈んでないと誤認してあたしは2発目を放ったんだけど、実は1発目で轟沈(死亡)してて、それに気付いたのは2発目が着弾する間際だった。
復活の合図代わりとなる光が黒焦げの彼女を包むように発生、彼女は元の姿に戻り意識も取り戻すけど、直ぐに2発目が命中して爆発、2度目の轟沈となる。
普通なら、一度轟沈した者は復活すると救護班によって即退場、その後のカウンセリングで、その時の痛みや恐怖の記憶に対してケアーをするんだけど、彼女の場合、復活して直ぐに2発目を喰らったから、再復活した後が大変だった。
再復活した彼女は"ギャー"と奇声を上げてうずくまりブルブルと震える。多分、沈む間際の記憶が想像を絶する恐怖だったんだろう...。
到着した救護隊員の1人が彼女に"大丈夫か?"と声を掛け、肩に手を置いたんだけど、その瞬間"うわーっ!"と叫びながらその手を振り払うんだけど、その力が半端無く強かったんだろう、振り払った腕が救護隊員の身体に当り、隊員は吹き飛ばされる。
どうやら錯乱状態に陥ったみたいで、近付く隊員に"来るな!死神"とか"お前なんか沈めてやる!"等、訳の分からない事を叫びながら殴り掛かる様に暴れだした。
幸い、演習場で一度沈むと、復活後のカウンセリングを受けるまで、攻撃系の魔法や魔道具の全て使えない状態になるから問題無いんだけど、相手が相手なだけに普通の隊員では手に負えなくなり、最後は筋肉モリモリの救護隊員数人で彼女を羽交い締め等で動きを止め、鎮静剤で眠らされた...鎮静剤と言ったが、一応、相手を眠らせる魔法も有るらしいんだけど、艦娘には効きにくいらしい。
医療棟へと担がれた彼女だが、その後のカウンセリングで、1ヶ月位は復帰出来ないと診断される。
因みに、彼女が2回轟沈した事は、何故だかあたし以外は誰も気付かず、2発喰らって轟沈した事となっていた。ある意味事実だからそれは良いんだけど、瑞鶴から話を聞く限り、一部意図的にすり替えられてるみたいだから、これは話を合わせないとまずいな...。
「私達は、その"演習前"に出ちゃってたから詳しく分からないけど、一体、"誰"が彼奴をけちょんけちょんにしたんだかっ?...ねぇ~っ?」
「はははっ...そ~なんだぁ~っ...。」
あたしをチラッと見ながら含み笑いをする瑞鶴に、冷や汗かきながらとぼけるが、"誰"がと言ったから、こりゃ~マッチョ経由で絶対知ってるよな...。