異世界艦娘~猫耳摩耶の、チートな冒険~ 作:摩耶様の下僕TNG
敵艦隊が消滅した地点から更に北西進んだ海域に、その相手は居た。
「味方かよっ...。」
『ですね...下げます。』
識別から、江島鎮守府所属の艦娘と分かりひと安堵。カドマツが艦内(艤装内だけど)の警戒レベルを下げる指示を出す。
『しかし、艦長の他に"特級ライセンス"持ちが居たとは...。』
「それはあたしも思った。」
確か、特級持ちはあたしが初めてだとあの大臣が言ってたから、相手はその後になったんだろう。しかし、何故こんな海域に?
『今回はどうしますか?』
「今回はこちらから会いに行こう。」
姿は確認出来ないから分からないが、同じ"特級"持ちと彼女の名前、それに先程の広範囲攻撃魔法の使用から察するに、あたしの姉妹艦の可能性が高いから俄然興味が湧いた。
先行させた使い魔が例の彼女を発見したと聞いたから、視点を切り替え、その彼女を見たあたしとカドマツは唖然とする。
「これ、ちょっと"ヤバイ"娘だよな...。」
『ですね...。』
最大望遠での確認だから顔まではよく見えないが、その彼女は自分が倒したであろうサメ状の敵の背中に、近接戦闘用の錨をブッ刺し、その敵の前で所謂ウンコ座りでしゃがみ、棒状の様な物を咥えていた。
棒状の様な物の先から煙が上がってる事からそれは煙草だろう。
それだけならあたしも良くやるから気にしないが、問題は彼女の着衣。
あたしと同じ制服と艤装だから姉妹艦だと分かったけど、その制服と艤装、そして錨には所々黒い液体の様な汚れがベットリと付いていて、普通に戦闘したならこんな状態は考えられない。
近接戦闘で多くの敵を倒した時に返り血を浴びた状態...普通の艦娘がやらない戦闘をやっちゃうんだから、あたしが"ヤバイ娘"と言ったのはそれが理由だ。
「カドマツ、やっぱっ帰ろうか?」
『そうですね...帰れるならですが...。』
「確かにね...。」
使い魔越しだけど、その彼女、さっきからこっちを睨み付けてるから、ここで逃げたら何されるか分かったもんじゃないから諦めて会う事にした...。
腹を括り、彼女が見える処まで来たが、その彼女は相変わらずしゃがんだまま、煙草を咥えてる。が、あたしの姿を見るとすくっと立ち上がり、咥えてた煙草を携帯灰皿の様な筒状の物にしまいこむ。
彼女の顔を見ると、制服や艤装と違い、首より上には返り血が一つも付いていないから分かったんだけど、容姿はあたしよりちょっと長めの髪型で色は黒。当然耳(猫耳)の毛も同じ。
今はあたしにメンチ切ってるけど、外見だけなら意外と可愛いんじゃ?