異世界艦娘~猫耳摩耶の、チートな冒険~ 作:摩耶様の下僕TNG
あたしの乙機と瑞鶴の丙機の模擬戦闘は、当然あたしの乙機が勝ったんだが、まさか、あんな事でけりが着くとは思いもしなかった。
あたしが激を飛ばした後、乙機の妖精さんは戦法を変える。逃げ回る事から一転、丙機の背後を取り始めると、丙機の妖精さんには回線を使って"撃墜1回目~っ!"と言って直ぐに離脱。離脱しては、また背後を取ると、また"撃墜~っ"と言って離脱...。
あたしにも"撃墜~"てのは聞こえてるから、挑発してるのが一発で分かった。
予想通り、何度も挑発を喰らった丙機は、ど~見ても当たる筈が無い距離からでも、乙機に機銃を撃ちまくるようになる。丙機の妖精さんの方は、流石に聞こえないから分からないが、多分、頭に来て冷静さを失い、乙機しか見れなくなってるんだろう。
丙機の妖精さんが完全に冷静さを失ったのを見計らった乙機の妖精さんは、"仕上げと行くかっ!"と言って、機体を急降下させる。
当然、丙機もそれに追従したから、この時点で乙機の勝ちだなと確信する。
何故なら、乙の妖精さんは、江島でやった性能試験の時に、海面ギリギリで急上昇って事を何度もやって退けてたから。
丙機を誘い込んだ乙機は、海面ギリギリで自機の機首を上げ急上昇、丙機をそのまま機主から海面にドボンさせるんだろう。
まぁ、実際は、少し違った形でドボンしたが...。
「私の新型がぁ~~っ!」
海面に両手両膝をついてガックリする瑞鶴。要撃機を相手に、偵察機が目茶苦茶な作戦で勝っちゃったんだから、普通ならどう声を掛ければ良いか迷うが...。
「ど~だっ!参ったかっ!」
「...負けたわっ...。」
腕を組み仁王立ちするあたしに、彼女は清々し顔で答え、立ち上がる。
「全く、固定翼同士であたしが負けるとはねぇ~っ...てかっ、何なのよっ!あんたの使い魔はっ?攻撃もして来ないくせに勝つなんてっ?」
「言い忘れてたけど、まだ偵察しか使えないの忘れてたから攻撃出来なかった。」
「はっ?」
「偵察機だから攻撃出来なかった。」
「ウソっ?あたしの使い魔、偵察機に負けたのっ!?」
「そうだ。」
「マジデスカ...。」
また海面に両手両膝をついてガックリする瑞鶴。よっぽど、ショックだったんだろう。
『ちょっとやり過ぎたかなっ?』
あたしの右肩の上で、乙機の妖精さんが頭をかきながらガックリする彼女を眺める。因みに乙機は、戦闘終了後に格納済みだ。
「しっかしっ、よく勝つ自信有ったなぁ~っ?」
『"転生前"に経験した戦争で、似た事が有りましたから。』
「えっ?お前、"転生者"なの?」
『あれっ?言ってませんでした?』
「ウカガッテオリマセン...。」
ここにも転生者が居たよ~っ!しかも妖精さんっ!
彼は転生前の記憶を持つ転生者(穏やかな死に方をするとそうなるらしい)で、転生前の戦争で機体や場所等は違うが、敵の迎撃機相手に偵察機で似た様な事をして撃墜をしたと聞いて、流石のあたしも、驚愕せざる負えなかった...。