異世界艦娘~猫耳摩耶の、チートな冒険~ 作:摩耶様の下僕TNG
潮が国境を越えるまであと10分。
あたしの少し前を航行してた羽黒は、急に"お姉ちゃん"と回線で言うと、速度を落とし、あたしの右舷側に並ぶ。
単に何かを聞くだけならそのまま話せば良いのに並ぶって事は、多分、あたしがこれから行おうとしてる事が、彼女に何となくだがバレたんだろう。
当然、近付いた事で、あたしの艤装にある垂直発射装置の蓋が空いてる事にも気付く。
「お姉ちゃんっ...それが空いてるって事は...。」
「...あたしが手を下す。」
彼女にも分からない様に、わざと少し後方を航行してたんだが、これ以上は隠しようが無いからバラす事にした。
『あんたっ!何で黙ってたのよっ!』
「黙ってたのは悪かった...。」
回線越しで激怒する瑞鶴に平謝り。重要な事なのに相談しなかったんだから、そりゃ怒るよな?だが、お前や羽黒にやらせる訳にはいかないから、ここから芝居を打つ...いや、芝居じゃないが...。
「黙ってたのには訳がある。」
『訳っ?訳って何っ?下らない訳なら承知しないわよっ!』
激おこ状態で話を聞こうとしない瑞鶴だが、構わず話を続ける。
「お前、艦娘を殺した事有るのか?」
『無いわよっ!有るわけ無いじゃ...。』
「あたしは有るっ。」
『えっ!?』
あれだけ激おこだった彼女も、流石に黙り込むが、逆に、羽黒には武蔵との事を話してるから冷静さを保ってる。
「あたしが初めて桐ケ崎に来た時、武蔵と決闘したって事は知ってるよな?」
『ああ、聞いてる。』
「何処まで聞いてる?」
『圧勝したとだけ...っ!まさか、お前っ?』
その時の内容は詳しく公にはされてない。しかし、マッチョと仲の良い瑞鶴はある程度聞かされてるが、本当の内容に気付く。
「そうだ...復活魔法方式だ。」
ここから、畳み掛けるようにその時のあたしの心境を彼女に話す。
相手が復活したとは云え、気分の良く無いものだとか、たまにその時の夢見てげんなりするとか...。
今回は、沈めたら復活は無いから、その後の後悔の念に耐えれるのかとか...まっ、武蔵の件は別な事で悩んだが...。
『そっ、そんな心境に...。』
「お前や羽黒にはそうさせたく無い。だから黙ってた。」
結局、有ること無いこと言って、あたしが手を下すと二人を納得させた。
それに、何らかの訳で潮が国境越えをしなかった場合、それに間に合わず手を下しても、あたしなら直ぐ対応が出来る。これが瑞鶴だったら、向かわせた使い魔が搭載してた攻撃魔道具じゃ、対応出来ないからなぁ~っ...。