異世界艦娘~猫耳摩耶の、チートな冒険~ 作:摩耶様の下僕TNG
瑞鶴の偵察機が落とされた後、あたしは直ぐに使い魔を向かわせ、新たに現れた艦隊に居た奴の姿を捉える。
「銀狼族っ?」
「みたいね。」
映像共有魔法で奴の姿を確認した裏羽黒と瑞鶴がそう呟く。
銀色の長い髪に狼の耳、艤装には数々の奮進用兵装...そして、深海棲艦の姫級の様にどす黒い靄の様なオーラを纏う...奴が闇落ちした転生者で間違いないだろう。
さて、どうするかっ...石斧で一気にけりを着けようにも、あたし達に準ずる対空兵装を持ってるなら、そう簡単にはやらせてくれないだろうなっ?
「瑞鶴、残りの出せる使い魔の数はっ?」
「防衛用に残した新型が12機。」
「12機か...。」
先に現れた別動隊が本命だと思ったんだからそうなるよな...残してるのは防衛用だから先制攻撃は無し。
奴が広範囲を使っても防げるからそれは良いとして、問題は奴の周囲に居る取り巻き。
これを早めに叩かないと、乱戦(近接戦)になった時に使節船団を守りきるのは、今のあたし達だけじゃ流石に至難の業だ。
何故なら、奴が広範囲を使ったら、それに対処するあたしは他の事が出来ない。
船団護衛の戦力は他にも居るが、どれだけの実力が有るのか不透明(近海の魔獣相手に苦慮してた)だから当てにならない。
当然、瑞鶴は除外だから、実質、羽黒一人で取り巻き全てを相手にしなきゃならない可能性も考えりゃ、これはかなりきついぞっ。
幸い、奴の艦隊には空母が存在しないのが救いだから、せめて、奴の対空能力を上回る鯨の銛の数で飽和攻撃を喰らわせれば良いんだが、流石に、あたしと羽黒のを併せた数16発じゃ足りない。
最低でも3倍は欲しい...どうしたもんか...。
『お困りの様だねっ?』
悩んでるとこに神様からの思念波...。
『ええ。予想外の展開で詰んでますよ。』
『敵が追加の増援を用意してた事、こちらが事前に察知出来なくて済まない。』
神様が謝罪するのは意外だった。
『神様が察知出来なかったのですから、奴は相当頭がまわるのでしょうね?』
『頭がまわると云うより、慎重に慎重を重ねる。』
『小心者...でしょうか?』
『事が運ぶ前は...ただ、事が動くと、自分が不利でも力押しで事を進める。そして、完遂する。』
小心者だが、動くと必ず完遂とは...。
『神様?今の不利な現状でお声をお掛けになられると云うことは?』
『残念だが、私でも今すぐ戦力の増援は不可能だ...。』
『そうですか...。』
増援が有ると期待してたが、否定されて落胆する。
『戦闘部隊は不可能だが、代わりに補給物質を送った。』
『補給物質っ?ですかっ?』
『そうだよ。そろそろ君達の上空に到着する頃だ。』
神様がそう話すと、あたし達の上空には何処から途もなく輸送機が現れる...。