異世界艦娘~猫耳摩耶の、チートな冒険~ 作:摩耶様の下僕TNG
高速艇(漁船)の乗組員と合流したあたしは、合流海域から数時間の場所にある、彼らが住む港町まで同行する。正確には、合流した後に理由付けして、逃げようと思ったが、高速艇の魔導燃料が切れたので、港まで曳航する羽目に成った。
港に着くまでの間、リーダーである筋肉モリモリ短髪猫耳の"マッチョ"から、自分達は海軍の人間で、一緒に乗っている3人の新兵の訓練中に、先程倒した黒い集団と遭遇、直ぐに逃げるも追撃されてたのだと聞く。
黒い集団は、この世界の人類共通の敵である魔獣の一つ"深海棲艦"と云うらしく、魔獣の中でも知能や戦闘力が高く、厄介な存在らしい。
『そう言や、あんたが使う魔導具、もしかして"艦娘"って奴かっ?』
無線越しでそう聞くマッチョに、あたしは"艦娘?"と聞き返す。
『うちの基地にも、あんたと似た様な魔導具を使う隊員が何十人も居る。それに、聞いた出身地からして、彼女達と同じ所から来たみたいだからな。』
あたしは"中の鳥島"と云う遠く離れた孤島の出身...この事は、誰かに聞かれたときにそう話しなさいと"神様"に言われてたから、そのまま彼らに話したのだけど、どうやら艦娘と呼ばれる者はその島出身で、海軍にはわんさか居る様だ。
面倒な事に巻き込まれそうだから、軍港に着いたら速攻トンズラしよう。
軍港内に入ると、マッチョは数隻の高速艇が接岸する桟橋の一番陸側に着ける様、あたしに指示を出した後、新兵の1人と操舵を交代する。
高速艇の接岸が完了した後、マッチョは艇内から身を乗り出すと、ここでお別れだって、言いながらあたしに握手を求める。
身を乗り出すと言っても高速艇自体が小型だから、彼の手はあたしの肩の高さ位の位置だ。
短期間だったけど楽しかった、ってそう言葉を返し、あたしは握手に応じるが...。
握手をしたとたん、マッチョは"にやっ"とすると、急にあたしの手を引っ張り、そのまま船上に引き上げ、間髪入れずに艤装を着けた状態のあたしの身体を軽く持ち上げて、自分の肩に担ぐ。
「ちょ、ちょっとっ!」
そう言いながらじたばたするが、彼はびくともしない。
そして、平然と海軍の建物へと歩き始める。
「これはどういう事だっ!お別れじゃないのかよっ!?」
そう抗議するあたしに、彼はこう言う。
「お別れだなと言ったが、あれは嘘だ。"将軍"が俺達を助けた礼を言いたいそうだ。このまま来てもらう。」
その後、あたしは"将軍"が待ってると云う応接室にそのまま担ぎ込まれ、結局は、逃げる事は出来なかった...。