異世界艦娘~猫耳摩耶の、チートな冒険~ 作:摩耶様の下僕TNG
奴が通常攻撃に切り替えた事で、こっちの防衛は楽になったが、まだ油断は出来ない。
何でかって言うと、奴は今まで、広範囲魔法を使わずに暗殺を成功させてるからだ。
ただ、その手口は未だ不明、狙われた対象は厳重な警備にも関わらず、必ず暗殺される事から、これは"神様"が仰ってたんだが、奴は後発性の暗殺スキルの所持者では?と推測されてる。
因みに、スキルは先天性と後発性が有って、後発性のスキルは、育った環境なんかに由って稀に備わるレアスキルらしい...てかっ、その後発性のスキル、いつの間にかあたしにも備わってるんだけど...。
『敵旗艦より、中規模魔法らしき紫の矢複数の射出を確認っ!』
偵察機からの報告と同時に、索敵魔法にもその反応は現れる。数は20、あたし1人でも充分対応出来る数だが、奴はどれ位の数を撃って来るか分からないから羽黒と連携だ。
「羽黒っ!」
「迎撃準備済みっ!」
さっすがっ!実の妹っ。索敵を共有してるのも有るが、対応が誰よりも早いっ!
『敵攻撃弾、間も無く射程圏に到達っ!』
「迎撃開始だっ!」
その合図を皮切りに、あたし達の艤装から次々と光の矢(海燕乙型)が打ち上げられる。乙型とは、通常の海燕より射程の長いタイプで、あたし達で云うとこの鯨の銛や個別攻撃型の石斧、空飛ぶ魔獣や敵航空戦力等をより遠くで迎撃する防御魔法だ。
『艦隊に接近する脅威、全て撃墜を確認っ!』
「何か、簡単に撃墜したんだけど...。」
奴が放った紫の矢は全て撃墜。それもその筈、あたし達って、どちらかって云うと対空に特化した艦娘らしいから、こんなのは朝飯前だとカドマツ達から聞いてたが、まさかこんなに呆気ないとは...。
さてこの後の展開はっ?奴が放った紫の矢は20発のみで、その後は、追加で撃ち込む気配が無い。
「姉貴っ、これで終わりって事は無いよなっ?」
「奴の事だ、何するか分かんねぇ~ぞっ?」
あれ以降、中距離弾薬が尽きたのか?奴からは主だった攻撃は無いが、接近してる事は確かだから、警戒は緩める訳にはいかない。
あたしと羽黒なら、奴を押さえ込めそうだから取っ捕まえに行って良いんだろうが、距離が有りすぎて逃げられる確率が高いし、村雨からは、無理に戦う必要は無いと言われてるからそれは止め。彼女が来るまで、船団に近付けさせないのが目的だ。
その村雨だが、あたしが奴の広範囲魔法を阻止してる間に、既に囮の敵艦隊を一掃。こっちに向かってる。
「奴はこのまま逃げるんじゃないっ?」
「そうしてくれりゃ良いがなっ?」
瑞鶴の希望的観測をあたしは否定、奴がここで撤退するのは考えられないからだ...。