異世界艦娘~猫耳摩耶の、チートな冒険~ 作:摩耶様の下僕TNG
奴は最後の瞬間移動スキルを使うかと思いきや、急に停止する。あたしとの距離は、撃ち合いが出来る距離だが、中々行動を起こさない奴とあたし達のにらみ合いが続く...って言っても、あたし達と奴との距離は離れているから、直接面を合わせてる訳じゃない。
『変だなっ...。』
羽黒(裏)『姉貴、奴はまだ何んか隠してんじゃないかっ?』
瑞鶴『さっきから動く気配が無いから、羽黒の言う通りじゃないっ?』
あたしの疑問に、もう1つの移動予想場所に陣取る羽黒と、船団付近まで後退させた瑞鶴が思念波でそう返す。
確かに何か裏が有りそうだ。
瑞鶴『まさか、あと2回位スキル使える様に時間稼ぎとかっ?』
『有り得るかもなっ?』
一発撃ち込むか?...そう思った瞬間、羽黒が"来るっ!"って叫ぶ。
羽黒(裏)「あっ!ヤバイっ!」
「何っ!?」
奴は、あたしと羽黒の中間の場所に現れ、一気に船団へ突進する。やられたっ!奴が暫く動かなかったのは、この為だったのかよっ!
「撃つなっ!流れ弾が船に当たる。」
羽黒(裏)「クソっ!」
奴を追い掛けると同時に、主砲を奴に向けた羽黒を制止する。あたし達の砲撃角度じゃ奴と大使が乗る客船が重なり、外したら客船に当たり兼ねない。
船団を護衛するネイル海軍の面々が攻撃を開始するが、奴は近接武装(長剣の部類?)で攻撃を弾き、器用に回避しながら船団に迫る。
「間に合わねぇっ!」
あたしと羽黒は奴を追っかけるが、奴はネイル海軍の守備網を突破、残るは大使が乗る客船と、その船の少し前に居る、近接戦闘が出来ない瑞鶴。
闇落ち艦娘「ソノ首、貰イ受ケルッ!」
奴はそう叫びながら、彼女に近接武装で斬り掛かるが...。
瑞鶴「フンっ!」
闇落ち艦娘「何ィィィィーーーッ!?」
瑞鶴は、自分に振り下ろされる近接武装を飛行甲板で受け止め、そのまま奴を吹き飛ばす様に押し戻す。
羽黒(裏)「えっ?」
「ええ~~っ!?」
その光景...空母が飛行甲板を盾に使い、攻撃を防いだ姿に、あたしと羽黒は勿論、ネイル海軍の守備隊、そして、斬り付けた奴自身も驚愕する。
しかし当の瑞鶴は、当たり前のような顔で大楯の様に飛行甲板を自分の前面に付き出してた。
誰もが予想しなかった展開のお陰で、あたし達は追い付き、奴の相手は羽黒が担当する。
「瑞鶴、近接戦闘は出来ないんじゃっ?」
瑞鶴「近接戦闘は出来ないと言ったが、あれは嘘だっ...。」
「マジかよっ...。」
瑞鶴「"タンク"ってスキルをさっき覚えた。」
「何それっ?」
何か知らんが、瑞鶴も格闘系のスキル(?)を覚えて助かったぜっ...。
取り合えず、客船が襲われる危機は、一旦去ったがまだ油断は出来ない。
怯んだ奴に追い付いた羽黒が奴と互角に戦ってるが、錨はハンマー扱いだが、何故だか奴が使う長剣とは武器の相性が少し悪い様だ。
それにあの長剣、あれだけ錨とカチ合ってるのに当たり負けしてない上に、刃こぼれしてる様子も無いから、もしかしたら、相当な耐久力があるか、若しくは、魔力で耐久力を向上させてるかも知れないっ...これ、ちょっとヤバイかも...。