異世界艦娘~猫耳摩耶の、チートな冒険~ 作:摩耶様の下僕TNG
応接室のソファーに座らせられたあたしの今の気分はかなり憂鬱だ。何故なら、あたしの処遇を巡って、目の前で2人の猫人が言い争ってるからだ。
あたしから見て、テーブルを挟んで右側にマッチョ、左側には肌は色黒銀髪ツインテに眼鏡を掛けた女性...武蔵が座ってるが、その2人が争ってるのだ。
「彼女はこちらが先に出会ってるっ!こっちに入るのが当然だっ!」
「何を言うかっ!あれだけの戦闘力ならっ、こっちに入るべきだっ!」
第二の人生を自由に生きたいあたしは、"これ、絶対に選ばなきゃ駄目なパターンっ?"と言いたかったけど、"当然だ"と言われるのは目に見えてたから黙ってよう。
因みに、マッチョは"マリン・エスコート・グループ"(海上護衛群)...通称MEGと呼ばれる部署の責任者で、その仕事は主に、輸送船団の護衛や新規航路の開拓を主任務。
武蔵は、魔獣の群れなどの掃討が主任務の主力艦隊群の責任者だ。
「やはり、取り合いになったな...。」
「そうですね...。」
テーブルを挟んで、あたしの反対側に座る、白髪交じりのお偉いさんと、彼の後ろに立つロングの黒髪の女性が、この事を予想してたみたいな事を言う。
白髪交じりのお偉いさんは"提督"と呼ばれる人物(マッチョが言ってた"将軍"で、ここの海軍基地...鎮守府の総責任者)で、彼の後ろに立つのが"艦娘"の長門(提督を補佐する秘書艦)。彼女は腕組みをしながら立っているが、顔がちょっと怖い...。武蔵と長門は、ここに在籍する"艦娘"と聞いたんだけど、"艦娘"って、露出度の高い服着てるのばっかりなのか~?
2人が言い争いを開始してから時間が経つけど、白髪交じりの提督はにこにこ、対照的に長門は怖い顔をしたまま、いまだに咎める様子は無い。
「貴様はどちらにするか決めたか?」
2人の言い争いが止むと、先程から怖い顔のままの長門が、あたしにどちらに所属しろと言わんばかりの威圧で聞く...怖いけど、やっぱりどっちに入るのも嫌だ。
「どちらも無しで...。」
そう言った瞬間、案の定、提督以外の3人から"それは無いっ!"と、突っ込まれるけど構わず話し続ける。
「あたしは、がんじがらめの組織になんて入らないっ!あたしは島を出たら、自由に生きるって決めてたのっ!」
ホントは島じゃなく、第二の人生だけど...。
「貴様っ!」
そう武蔵が急に怒りだし、自分が座るソファーから立ち上がる。
「おいっ、武蔵っ!」
これから起こることを予想した長門が、武蔵を止めようとするが、提督が無言で手を上げ制止すると、長門は提督が口を挟むなと云う意図を理解したらしく、それ以上は何もしなくなる。
多分、そこまで云うなら自分でけりを着けてみろ...そう云う意味だろう。
武蔵はあたしの前まで来ると、あたしの胸ぐらを掴む。
「その"力"が有るのだから、軍に入るのは当然だっ!」
そう言い放ちながら睨み付けるが、その彼女の言葉と強引に入隊させようとする事に、あたしは逆に余計ムカついた。
「力が有るから入れってっ?フッざけんなっ!」
あたしも怒りに任せて、武蔵の胸ぐらを掴み返す...。