異世界艦娘~猫耳摩耶の、チートな冒険~ 作:摩耶様の下僕TNG
最初の寄港予定地を断念したあたし達は、結局、最短距離でリランカに向かう。
向かうって言っても、無策で向かってる訳じゃない。
『このペースですと、2日は余計に掛かるでしょうねぇ〜っ?』
『まっ、しゃ~無いわなぁ~っ...。』
『有る意味、積載オーバーなのですから...。』
クルーザーを操舵する浜風と横に座る黒潮、その脇を並走する羽黒の会話が、無線機越しに聞こえる。
羽黒が言った"有る意味、積載オーバー"ってのは、クルーザーの両岸に燃料を積んだドラム缶を5缶づつ頑丈に括りつけているから。給油で空になる前に流されたら困るんで、速度を落として航行してる。
『こんな方法、良く思い付いたわねぇ~っ?』
「まぁ~なぁ~っ!」
最初の寄港予定地に向かうのに、閉鎖海域を迂回して向かおうと思ったが、迂回航路の距離を算定したら、意外と燃料が嵩む事が判明、次の寄港予定地を最初の寄港地にしようとしたが、今度はブラボーからリランカまでの距離の半分以上って判明。なら、予備の燃料をドラム缶に積め、クルーザー載せる又は引っ張るなりして持って行った方が早いんじゃんっ?て、あたしが言い出した。
『その案を聞いた時、上手くいくのかと思いましたが...まさか、成功するとは思いもよりませんでしたよっ!』
「正直、ここまで上手く行くとは、あたしも思いもしなかったぜっ!」
我ながらびっくりだぜ〜っ...この案を打ち出した時、最初は全員が"えっ?"って顔してて、村雨まで懐疑的な顔だったんだよなぁ~っ...。
結局、その方法が一番手っ取り早いって事になったから、一旦ブラボーまで戻って、クルーザーにドラム缶括りつけて...載せたら、過積載で船が沈み掛けた...再出港っ。全部のドラム缶が空になるまで速度は出せないが、その欠点を引いても、沿岸を大回りするよりはだいぶましだ。
ブラボーを再出発してからの2日間は何も無く順調に航行...これ、ドラム缶要らなかったか~っ?
そう思った矢先、やっぱり"お約束のイベント"は起こる...。
3日目の朝、瑞鶴の哨戒機が海底に潜む魔獣の群れ数群を発見したのだ。
『居たわ...。』
「やっぱっ、居たか...。」
あたし達はその反応にがっかりする...昨日までの平穏は何だったんだよっ!
魔獣の群れは、あたし達の位置からはかなり離れた海域に居る。
進路上のリランカ方面に1群、北と南に2群。反応からして、どうやら正面は深海悽艦、北と南は水族の魔獣の群れだ...。