異世界艦娘~猫耳摩耶の、チートな冒険~ 作:摩耶様の下僕TNG
応接室でお互い胸ぐらを掴みあったあたしと武蔵は、雌雄を決する為に軍の演習場に来ている。
雌雄を決するって言ったのは武蔵の方で、あたしが胸ぐらを掴み返した事がよっぽど気に食わなかったみたいだ。てかっ、今のあたし、それ以上にあんたが気に食わないんだけど。
『それでは、ルールを説明する。先ず...。』
長門がルールの説明を始める。
最初の5分間は、攻撃や索敵等の魔法は一切使えず、移動のみしか出来無い。これは、仮想世界とは云え対戦相手同士は、お互い最初の位置方向が分かってる為、長距離魔法などの先制攻撃が使える者による先制不意討ちを防止する為らしい。
そして、最後に勝敗基準の説明に入るが...。
『今回の決着は、相手を沈めたら勝利、それ以外は認めない。』
「はっ?」
『もう一度言う。相手を沈めたら勝利だ。使用する魔法を間違えるなよっ?』
"沈めてオーケー"っ?それに魔法を間違えるなっ?おいおい、もしかしたら使用する攻撃魔法類は全て実践用かよっ?てかっコイツ、何考えてるんだ~っ?
艤装を着けた状態であたし達が沈むって事は死を意味するんだけど...てかここの軍隊、決闘する時は何時もコロシアイっ?そんで、何人死んでるんだよっ?
「それ、沈んだら終わりじゃんっ?」
『沈んでも復活するから問題無い。』
「はっ?」
『生き返るから問題無い。』
長門が言うには、演習場を使用するのは"艦娘"以外の者も使用するらしく、その者達から特殊な復活魔法を場内に掛ければ、実戦用の魔法を使用して死んでも直ぐ復活出来る様にして欲しいと声が上がる。それが理由でその場内なら何度沈んでも数分後には復活出来る様になったと答えるが、沈む(死ぬ)時の痛みや苦しさは記憶に残るらしい...沈む気は無いけど、流石にそれは嫌だなぁ~っ...。
あたし達が定位置に着くと、辺りは急に霧が立ち込める。
演習場に着く間、マッチョからここの演習場には特殊魔法が掛けられていて、演習を行う際は、気候や遮蔽物(島など)が本物同様に再現されると聞く。その要望も、例の者達の要望らしい...ここの軍人、絶対頭イカれてる...。
開始まであと少しと云う処で武蔵から通信が入る。
開始まではお互い交信が可能なんだが、胸ぐらの掴み合いをして以降、お互い口を聞く事は無かったんだが、このギリギリの時間になって寄越して来るって事は、ど~せ、あたしへの揺さぶりだろう。
『どうした?沈むのが怖いかっ?』
「さぁ~ねっ?」
『フンっ、まあ良い。私を怒らせた事、後悔させてやるから覚悟しとけっ。』
「あ~あ~っ、何だろな?無線の調子が悪いみたいだなぁ~っ?」
面倒臭いからそう言って切ろうとした間際、武蔵が言った言葉にあたしは激怒する。
"軽巡ごときが、この弩級戦艦に精々あがけ"だって...彼奴、絶対沈めたろ...。