「何と言うか…女子高生とは元気なものだな…」
「また、随分年寄り臭い発言だな。」
あの後、やって来た女子たちに新しく用務員になったと称してミリアを紹介したのだが…ミリアの場合、私やテレーズとも、オフィーリアとも明確に異なる点がある…それは基本的に笑顔を浮かべない、という事だ。
要するに良く言えばクールビューティ、悪く言えば愛想が無い…とパッと見はそう見える…ま、ヘレンやオフィーリアの様な奴が珍しいのであって、クレイモアはこういう奴が大半だ…テレーズは微笑を浮かべてるのがデフォなだけで性格は私と同じく、多少ぶっきらぼうな方だ…
とは言え、どちらかと言えばこの学園の女子の多くは、不思議と前者のイメージを抱く…そしてミリアの場合、ここで問題がある…ミリアはその見た目に反して人当たりが悪くないどころか、オフィーリア以上に面倒見が非常に良い方なのだ。
ま、早い話が女子たちにとてもミリアはモテたのだ…本人は普通の対応をしたつもりだったのに、その見た目に反したキャラのギャップに女子たちが完全にやられた。ほとんど揉みくちゃにされているが、怒鳴ったりもしないミリアに女子たちは更に調子に乗り始めた。途中からミリアは困った様な視線を私に送って来ていたが、私は無視していた…
「もっと…早く助けて欲しかったんだが…」
「あのな…これからもあいつらと会うんだぞ?自分であしらえる様にならないと毎回こうなるぞ?」
私も面白がっていたが、一向に女子が離れて行かないので結局私が割り込んだ…全く…お人好しも程々にして欲しいものだな…
「そうは言っても…どうしたら良いんだ…」
「言っておくが何時も私がいる訳じゃない…ローテーションはオフィーリアとも相談する事になるだろうがな。」
「……確かに一人で出来無くもないか…」
「基本、人手が足りないのは書類に関してだけだ。見回り自体は一人で出来る筈だし、あの二人を追うのは別問題だからな?」
そう話しながら私は自販機から出て来たスポーツドリンクを壁にもたれかかり、息を吐くミリアに投げ渡す。
「ほら。」
「おっと…」
……投げ渡してから気付いた。
「……別に馬鹿にしてる訳じゃないが、開け方は分かるか?」
「…そう言う風に思われても仕方無いからな、大丈夫だ、ちゃんと分かる。」
「そうか。」
「さて、そろそろ戻るか?もう授業も始まったし、生徒もいないだろう。」
「ああ…また書類か…」
「切り替える癖を付けた方が良いぞ?コレから毎回こういうのが日常になるからな?そもそも、本来はこうして休んでる場合じゃないんだ…何せ見回りは終わってないからな?新しい方の校舎だし、毎日やるほど傷みが酷い訳でも無いが、異常をきちんと確認しておかないと何か事故が起きてからでは遅いからな?」
「分かっているさ、明日からはきちんとやる。」
ミリアは早くこの仕事に慣れてもらう為今週一杯出ずっぱりだ…ちなみに今日を含めた二日間は私と、次の二日間はオフィーリアと出て貰う事になっている(実質最終日に当たる五日目は一人)
……私といる二日間は良いが、オフィーリアとの二日間は正直不安だ…この二人は今でも相性が良いとは思えないからな…(寧ろ最終日の方は全く心配していない、こいつなら自分で何とかするだろう…多分)