「…国語辞典や漢和辞典はまだ分かるとして、何でまた英和辞典や和英辞典まで買ったんだ?」
「いけないのか?」
「……いや、すまなかった…これは私の説明不足だな…」
そうだな、普通そこら辺を説明しないといけないよな…
「…日本語はこの世界でもかなり難しい言語の一つと言われていてな…漢字一つでも複数の意味を持つ事も珍しくないんだが、その癖時代と共にその意味も変わって行く傾向にある…具体的に言えば消えたり、逆に増えたりする…ただ、基本的に英語は昔から特別そこまでの変化は無いんだよ……う~ん…何と言えば良いかな…要は…」
「…そこまで言えば分かるさ。要するに時代と共に変化するこの国の言葉を学びたいなら辞書は最新の物を求めるのが普通だが、英語は昔から特別そこまで変化が無いから新しい物でなくても問題は無い…つまり中古で良かったんだ、と言いたいんだろう?」
本当にこいつは頭の回転が早いな…
「ああ…そういう事だ、悪かったな…先に説明しておくべきだった…」
「それなら寧ろ聞かなかった私の落ち度だ。お前が気にする事は無い…ま、現状の生活費を渡しているアザゼルには申し訳無くなるがな…」
「…アザゼルに関してそこまで気にする事は無い、寧ろもっと金を寄越せと言っても良いぐらいだと思うぞ? …とか言ってもどうせお前は気にするんだろうが。」
「…給料が入るのはまだ先だ…そこまで面の皮は厚くなくてね…」
アザゼルの場合、美女の助けになるならある程度打算抜きで、立場なんて簡単にゴミの様に捨てるバカだからな…とまぁ、そう言う事情は今は置いておいてだ、ミリアは今現状立場的には私よりも色々複雑な立ち位置にある…
身分は本来堕天使預かりなのに、悪魔たちにとって重要な場所である駒王学園で働いているのは内容だけ見れば堕天使側から差し出された人質の様なものだ…少なくとも裏の事情を知らない者が聞けばそう判断するだろう…今は協定が生きているから友好の証、と言う建前で体良く利用されている、とも取れる…ただ…
「お前は身分は堕天使預かりなんだ、頼れる分は大いに頼ったら良い…今回の仕事だってずっと出来るかは分からないんだからな…」
実態は単に悪魔が運営に関わってる場所でたまたま堕天使側の者が雇われているだけで、特別深い意味など何も無いのだ…ミリアたちに人質としての価値はそもそも無いし、何ならミリアは何時でも仕事を辞めていいし、こちら側もクビにするならしても良い…それで協定が崩れる事は有り得ないのだ…
「…分かっているさ。」
…と言う話を特別ミリアにはしてないが、こいつならそれぐらいは私以上に深く理解してそうだな…