ノックをする間も惜しみ、保健室のドアを開け放つ…突然入って来た女性二人がそれぞれ男子生徒を抱えていたせいか、顔に驚きを浮かべる保健医に口を開く…(そう言えば…この女は私は一応顔見知りではあるが、ここで会うのは初めてだな…)
「…ベッドは空いてますか?」
「え…?ええ、空いてますが…一体何が「すみませんがまだ話せません」いや…さすがに納得出来無いん「良いから!取り敢えずサ…理事長を呼んで貰えますか?」だから何が…!」
中々動かない目の前の女にイラついて来る…何とか他の生徒に見られずに済んだのにこのまま騒ぎになったらどうするんだ…!
「そうカッカするな、テレサ。…すみません、実はこの二人がちょっと危険行為をしてまして…普通に声をかけてもかえって危ないので、止むを得ず気絶させた次第でして…申し訳ありませんが…内容が内容なので理事長を呼んで貰えませんか?」
見兼ねたミリアがそう言うと、やっと事態を把握した保健医が出て行く…やれやれ…
「…すまん。」
「…良い、あのままお前が怒鳴っていたりしたら更に面倒な事にはなっていただろうからな…」
二人をベッドの上に寝かせ(正直、同じベッドで良いんじゃないかと思ったが…さすがに分けた…)一息吐く…あ…
「今更だが…二人の紹介をしてなかったな。」
「…要るのか?普通に考えたら…退学コースだと思うが…」
「賭けても良いが、どうせサーゼクスは退学にしない。」
「……本当にどうなってるんだ…?この学園は…」
「…その辺は今から来るだろうバカに言ってくれ…ま、とにかくだ…私が運んでいた坊主頭が松田で、お前が運んでいた眼鏡をかけた男子が元浜だ…名前は良いよな?」
ま、実は私も苗字しか把握してなかったりするがな…
「ああ。」
しばらくして、保健室にノックの音が響く…
「私が行こう…お前は二人の様子を見ててくれ。」
「分かった。」
ミリアに声をかけ、ドアの方に向かう。
「…誰だ?」
言ってから一応敬語を使うべきだったかと気付くが…ま、良いだろう…
「私ですよ、理事長を連れて来ました。」
私はドアを開けた…保健医の後ろに続いてサーゼクスが入って来る。
「…取り敢えず何があったのか聞かせて貰えるかな?」
「あー…」
私は保健医の方に一瞬視線を向け、サーゼクスに戻す。
「…成程…すみませんが一旦席を外して貰えますか?」
「え?ですが「何かあったらお呼びしますから」…はい。」
サーゼクスに言われ、渋々その女が出て行く…
「…さて、事情を聞かせて貰えるかな?」
「…そう言う話か。」
サーゼクスが顔を顰めて、額を押さえる…私からしたら普段からこの二人に仕事を増やされてるんだから大いに悩んで欲しいところだな。
「…ま、どうせお前は退学にはしないだろうが「いや、今回はさすがに検討させて貰うよ。覗きであるとか言う前に危険行為だからね」…そう言って結局した試しが無いがな。そもそもの話…今回に限らず、こいつらと女子が展開する普段の追いかけっこ自体が既に危険行為なんだよ。被害者である女子たちはまだ擁護出来るが、逃げ切る為にどんな手でも平気で使うこいつらはあまりにもタチが悪い…関係の無い生徒まで巻き込まれるしな…」
「私にも言わせてくれ…どうしてこんな奴らを野放しにしてるんだ?」
「…耳が痛いね「それで済ます気か?そろそろ殴るぞ」…勘弁して欲しいね…」
「大体、ここは元は女子校だった筈だ…何を思って共学にしたのか問い詰めたいところだ…五時間くらいは。」
「……そんなにかい?」
「私もミリアも…もちろんオフィーリアもテレーズもだが、こんな奴らをとっ捕まえる為に用務員なんてやってるんじゃないんだよ。こいつら追っかけてると見回りは終わらないし、書類も貯まる一方だ…酷い時だと休日出勤してるんだが?…ま、お前はもっと忙しいんだから、そこら辺はあまり言うつもりも無いが。」
「……」
「…今回は私からはこれくらいにしておく。ミリア、お前は何か言いたい事はあるか?」
「…いや、良い。」
「…そうか。…サーゼクス、私たちはこれで失礼する…こいつらの処遇が決まったら一応教えてくれ。」