平日突然休みを入れたところで他の面子はそれぞれ学業に仕事がある…なので私は必然的に家でゴロゴロする事になる訳だ(隣にテレーズはいる筈だが、特に用が無いのに部屋に行こうものなら、今の状態のあいつだとキレさせかねない…飯ぐらいは誘うかも知れないが)
「……」
ソファに横になりながら、ミリアとモールの本屋に行った時についでに買った本の文字を目で追う…推理物だ…私は犯人を予想するのが決して得意な方では無いが、無心で話を読んで行く分には特に問題は無い…時間も潰せるしな。
「…ほう。」
思わず声が出た…最近の作家に詳しくないので今まで読む事が無かったが、悪くは無い…解答編の前から既に内容が変則的なので、疲れてる時に読みたくは無いが今日くらいの調子なら特に問題無く読める…ん?
「誰からだ…?」
私の携帯が鳴っている…取り敢えず本に付いてきた栞を挟む…閉じたときに帯紙が目に入った…映画化するのか…クレアやアーシアが好む作品だとは思えないが、黒歌たち三人の内、誰かを連れて観に行くのも良いかも知れんな…などと考えながら携帯に表示されてる名前を見れば…
「…ミリア?」
携帯に表示されてる時間を見れば午前十時を過ぎたところ…さすがに音を上げるのが早過ぎないか?
「もしもし?…何かあったのか?」
「…テレサか?」
出てみれば妙に疲れた声のミリア…どうしたと言うんだ、一体…
「どうした?さすがに疲れるには早過ぎるぞ?」
「……それは分かっている…ただ、オフィーリアが、な…」
……成程。
「大体分かった…取り敢えずアドバイスするなら…一々あいつの挑発に乗らない事だ…お前も分かってる通り、そう簡単にあいつと決着を着ける機会など来ない…からかいに反応すればする程、オフィーリアが嬉々としてお前を弄りに来るし、ストレスが溜まる一方だぞ?」
「……分かっているが、どうにもな…」
「…相手をキレさせる事には天才的だからな、あいつは…」
その癖、キレて向かって来た相手を返り討ちに出来る実力は有るからタチが悪い…
「…で?電話出来てるって事は見回りの最中か?」
「ああ、私一人でな…」
「…オフィーリアがいなくて逆に大丈夫か?」
「三日目だぞ?いい加減対応の仕方も学んださ…女子をあしらうだけで済むから本当に楽だな…オフィーリアとも顔を合わせずに済むしな。」
「あいつらは無期停だ、本当に楽だろうよ。」
あのバカ二人にサーゼクスがようやく罰を付けた…昨夜連絡して来たが、その時散々説教してやった。
……そもそもまともな処分を付けるのが遅いし、あれだけの事をしたのだ…本来は退学でも良いくらいの処置だろうよ…
「女子の相手が面倒ならオフィーリアに押し付けろ。はっきり言って、私やテレーズより適任だ。」
「そうなのか?」
「アレでも面倒見が良いのさ、あいつは…」
それから二、三適当に雑談をして電話を切る…やれやれ…ま、この程度ならトラブルの内に入らんから別に良いが。
「続きを読むか…」
「…別に飯など作らなくても良いんだぞ…?」
「馬鹿を言うな、今のお前を下手に放置したら私が黒歌やオフィーリアに殺されるよ…」
「……」
昼時…テレーズとオフィーリアの部屋のインターホンを押し、ノックもしたが返事が無く、今のテレーズが出かける訳は無いから確認の為に合鍵で中に入ると……また体調を崩したのかソファに横になるテレーズがいた。私の姿が目に入ったのか、ノロノロと身体を起こす…
「……何か用か…?」
こころなしか顔色も悪い…全く…やれやれだな…
「私が部屋にいたのは分かっていただろう?体調が悪いなら連絡ぐらい寄越せ。」
「…横になっていれば問題無かったんだ…」
「…ま、とにかくこの通り飯は用意した…私は作ってる最中に済ませたし、お前はとっとと食って寝ろ…何か問題が起きたら今度こそ電話しろよ?…ま、夕方ならオフィーリアが帰って来るだろうから私の手など必要無いだろうがな。」
「…ああ…世話になった。」
「お前には借りが有るし、気にするな…じゃ、私は帰るからな?養生しろよ。」