部屋に入ってから、黒歌に隣の部屋に来る様に誘われ私は黒歌と共に部屋に入る…
「…あの三人ってまだ駒王町から出るの禁止じゃないの…?」
その言葉に少し考えてから私は答えた。
「…サーゼクスとアザゼルも馬鹿じゃない…少なくともこの旅館を経営してるのは人間じゃないのは確かだ…」
揉められるのが一番問題だからな…そう言ってから改めて黒歌を見れば普段あまり見ない険しい顔をしていた…
「どうした?」
「…あんたはやっぱり分からないのね…この旅館にいる従業員は確かに人外だけど…全員、悪魔でも堕天使でも無くて…妖怪よ…?」
「……本当か…?」
「…私、今は悪魔だけど、元は妖怪だから…」
説得力あるな…とか、冷静に考えてる場合じゃないな…
「取り敢えずサーゼクスに連絡を取る。」
「うん…すぐ確認した方が良いと思うわ…」
旅館を出て、外で携帯を使う…(金曜の夕方に出発した為、今は夜だが幸い見咎められずに済んだ…)
「…もしもし、サーゼクスか…?忙しい時に悪いな、実はな…?」
『…成程…それは確かに由々しき事態だね…』
「要するにお前の方では把握して無かったんだな…?」
『こちらも忙しかったからね…寧ろ旅館に行くと言う話すら寝耳に水だったらね…ミリア経由でアザゼルに聞いた時も本当に驚いた…』
「…お前が忙しいのは分かるがな…ま、今回は私も文句言える立場に無いからこれ以上何も言わないが…」
『…いや…その辺の確認は本来間違い無く私たちの仕事だからね…』
「ま、それは良い…取り敢えず私たちはどう動くべきだ…?」
『…何もしないでくれ。』
「…何…?それで良いのか…?」
何となく何が言いたいのか分かったが、私は一応確認の為に聞いてみた。
『…入って来た時点で、何も無かったなら向こうもあからさまに危害を加える気は無い、と言う事だと思う。なら君たちは普通に温泉旅館に来た客として振る舞うべきだろう…揉め事を起こさないならば外に観光に行っても問題は無いだろう…』
「……外に出ると何かやりそうなのが二人いるんだが…?」
『外に出さないでくれ。』
「……正気か…?」
『仕方無い、私たちはそちらに行けないからね…君の方でどうにかして貰うしか無い…』
「……ふぅ…分かったよ…やれやれ…休日を過ごしに来たのにこんな面倒な事になるとはな…」
『…その辺はヘレンを先に止めた上で相談してくれれば状況は変わった筈なのだがね…』
「……そうだな、それに関しては悪いと思っているよ…」
『…この時間から問題を起こす事はさすがに無いだろう…この後二日間…ヘレンとデネブの二人が揉め事を起こさないようにしっかり見張ってくれ。』
「分かったよ…もし何か起こったら連絡する…」
『早目に頼むよ?』