「思ったより混んでなくて良かったにゃ。」
「観光シーズンには被るが、今日はただの休日だからな…そりゃ殺到はしにくいだろう。」
食事が終わり、私たちは山を下りて下の温泉街を見て回っていた。
ちなみに面子は私、クレア、アーシア、黒歌、小猫、セラフォルーだ。朱乃は珍しく一緒には来ず、オフィーリアたちと風呂の方に行くらしい…(不安だから問題が起きたらすぐ私に連絡を飛ばす様に言って有る…)
「ふ~む…」
並ぶ建物は基本的に旅館や土産物屋が主で、私にとっては特別見て面白味を感じるとかは別に無い。クレアとアーシア、小猫は本当に年相応に楽し……アーシアが感動して涙を流しているんだが…まぁ、アーシアからしたら本当に初めて見る建物ばかりだろうしな…こういう時、真っ先に動くのは私たちの中では大体朱乃だったりするが、今はクレアがハンカチを渡してやっている…(アーシアもまだ子供とは言え、どっちが歳上か分からなくなるな…)
「何考えてるにゃ?」
「特別な事は別に何も。」
警戒そのものは怠っているつもりは無いが、特に複雑な思考は働かせていない。
「ボーッとしてたらまたはぐれるわよ?」
「……クレアから聞いたのか?」
「あんたと散歩中にはぐれたってメール来たから。」
「…どっちみちはぐれようが無いだろ。」
私はそう言って黒歌とセラフォルーに掴まれている両手を持ち上げる…
「そろそろ離してくれないか?これじゃあ私が子供みたいなんだが「いやにゃ(だ☆)」ハァ…私にばかり構っていて、それこそあいつらがはぐれたらどうするんだ…」
「必要以上に離れなきゃ大丈夫じゃないかな?そもそも財布は私たちが持ってるよ?」
「あいつらの場合仮に欲しかったら小遣いの範囲で勝手に買うだろ…そもそも無駄使いもしない。じゃなくても最終日ならまだしも、今何か買っても嵩張るのは良く分かってる筈だ。」
別にどうしても今先に大物を買いたいとかなら持ってやるのもやぶさかじゃないが、あいつらはそんな事を言い出すタイプじゃないし…そもそもちょっとした小物ですら基本的に欲しがらん…
「こっちから買ってあげるって言わないとダメかしらね…」
「あいつらの場合言われても混乱すると言うか、悩むのが目に見えてる。」
日常的な買い食いとかですら基本的に一人の時はやらないからな…まぁこちらが家に菓子のストックを普段用意してるせいも有るだろうが。
「…昼食もある事を考えたら食い物は喜ばん…かと言ってちょっとした小物程度ですら渋るだろう…」
「遠慮しなくて良いのにね…」
「それが身に付いてしまってるのがあの三人だ…矯正しようとしてどうにかなるもんじゃないし、無理強いしても仕方無い…」
口から溜め息がこぼれる…この場に朱乃が居るなら自然に色々買い与える可能性は有るが…私と黒歌はこの手の問題には頭を悩ませる事も多く、正直どうするのが正解か良く分からない…
「う~…でもせっかくここまで来て何も買わないなんてもったいないよ。」
そう言ってセラフォルーが私の手を離す…まぁセラフォルーならそう言うか…
「…程々にな。」
「うん!大丈夫!」
セラフォルーが少し前を歩く三人の所まで走って行く…
「…セラフォルーに任せて大丈夫にゃ?」
「空回りする可能性は有るが、やり過ぎるならこっちで止めれば良いだろう…そもそも根が子供に近いから、性格的にはあいつは色々適任だ。」
最も、昔のあいつを知ってると今の変わり様に驚くのだが…何がどうなったらああなるんだろうな…?