ハイスクールDxDにクレイモアがいたら   作:三和

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#99

「くっ…!」

 

机の上の携帯に手を伸ばす…もう少ししたらグレイフィアが様子を見に来てしまう…出来れば、その前にこの用事は済ませてしまいたい…

 

「っ…届いた…!」

 

間違って握り潰してしまわない様、慎重に携帯を掴む……まぁ、弱ってる今の状態でも…私の身体なら逆に加減間違えてやるとか有りそうだしな…

 

「……」

 

慎重にボタンを押して行く…チッ、辛いな…やはり昼間無理し過ぎたのか、今更になってまた痛みが酷くなって来ている…

 

「もしもし…」

 

『…辛そうな声だな…ハァ…何か用か?さすがに、まだあの二人に話は着けてねぇだろ?』

 

「いや、何…さっきちょっと色々有ってな…どうしてもお前に聞きたい事が出来た…」

 

『…色々ね…で、何が聞きたい…?』

 

「アザゼル…お前、マリアの能力については知らなかったんだよな…?」

 

『…ん?ああ…今日、お前に聞くまでな。』

 

「ふむ…ただな、それだと…一つ納得出来無い事が有ってな…」

 

『…何だ?言ってみろ…』

 

「私はな、やはりアレは神器だと思っている…そして、アザゼル…マリアが産まれてすぐ…お前はマリアを調べたんだったよな…?」

 

『そうだな…本当に簡易的な検査にはなるがな…お前は俺を神器の専門家と言ったが、それ以上に…嘗て、お前の身体を散々調べた事で…この世界でなら、俺はお前ら半人半妖の身体に誰よりも詳しいと思っている…ま、だからな…ノウハウが有る以上、ちょっとした検査でもアレだけのデータが出て来た訳だ。』

 

嘗て…マリアの身体について、調べたのはこいつだ…だから、あいつが妖力、魔力持ちなのも…成長スピードが可笑しいのも分かった…ただ…

 

「…半人半妖の身体にいくら詳しくても、半人半妖から産まれる子についてはお前にとって未知だった筈だ…でだ、お前がな…身内のガキだからって突っ込んで調べなかったと言うのは…どうにも、納得が出来無いんだよ。」

 

『……つまり、俺を疑ってるって訳か?』

 

「まだそこまで言ってないんだがな…いや、取り繕うのはやめるか…いや、何…さっき有った色々のお陰でな…私も、たまには身内を疑ってみるか…と、なったのさ…」

 

『……』

 

「アザゼル、正直に答えろ……お前、あいつの能力に気付いていたな…?」

 

 

 

 

 

 

「悪かったな、フローラ…マリアの相手どころか、飯まで食わせてもらって…」

 

「あ、いえ…良いんですよ…元々私はテレサさんのお世話をしに行って…その、言い方は悪いですけど…ほとんどついでみたいな物ですし…と言うか、特に手を煩わされたとかも無いんですよ…マリアちゃん、凄く大人しかったですし…」

 

「向こうではずっと寝てたんだったな…」

 

「ええ…ぐっすりと…家でもそんな感じですか?」

 

「ん?まぁな…手は掛からんが、普段あまりにも寝てる事の方が多いから逆に心配にはなってるさ……なぁ?」

 

そろそろ良いだろう、いくら何でも回りくど過ぎる…

 

「何でしょう…?」

 

「話の切っ掛けが掴めないのは分かるし、最初に話振ったのも私だが…お前は、ここにマリアの話を聞きに来た訳じゃないんだろう?」

 

「…やっぱり分かります…?」

 

「…普段、自分からはケンカ売らないお前が…私たちが出迎えるなりオフィーリアに殺気飛ばしてまであいつを下がらせたんだ…それ相応に大事な話が有ると思うもんじゃないか…?」

 

「……オフィーリアさんには後で謝っておきます…ちょっと、焦り過ぎました…」

 

「ま、あいつはお前の状態を察してただろうし…気にもしてないだろうがな…で、何の話だ?」

 

「……テレサさんの事で聞きたい事が有ります…」

 

……わざわざフローラが溜める物だから一瞬嘗ての私の事を指しているのかと思ったが、さすがにあいつの事だろうな…

 

「…あいつの?何が聞きたいんだ?」

 

「…テレーズさん、テレサさんの記憶が…意図的に消されている事に気付いていましたか?」

 

……それか…いつか、誰かが私に聞こうとすると思っていた…ただ、最初に聞きに来るのはあいつの家族だと思っていたんだがな…まさか、よりによってこいつとはな…

 

「…意外だな。」

 

「え?」

 

「お前…どちらかと言えばあいつに嫌われているのは気付いていたんだろう?」

 

「…ええ…と言うか、今日ハッキリ嫌いだと言われました…」

 

「…自分が嫌われてるのを分かった上で、嫌ってる奴の事を聞きたいと?」

 

「…それと、この事を聞こうとする事に…関連性は有りません…それに、結局私が…テレサさんを心配なだけですし…後、嫌ってるのは本当なのでしょうけど…それでも、彼女は私を信用してくれました…そして…彼女本人の口から、自分の記憶に不自然な欠落が有ると言う事を聞きました…」

 

「あー…あいつ、自分で言ったのか。」

 

家族には何も言わない癖に、よりによってこいつに言うとはな…

 

「…ちなみに、それはサーゼクスさんに消されたんじゃないかと私は指摘しました…まぁ、彼女自身…そうなんじゃないかと勘づいていたみたいですけど。」

 

「ふむ、そこまで分かってて…これ以上、私に何を聞きたいんだ?私は…あいつの過去についてはほとんど何も知らんぞ?…何せ、私があいつの中で目覚めたのは…割と最近の話だからな…その前の事など分からん…さっさとサーゼクスに問い質せば良いだろう…あいつが、自分でお前にそこまで話したんだ…お前には、聞く権利は有る筈だ。」

 

「テレサさんと同じ事を言うんですね…確かに、マリアちゃんもこうして家に届けましたし、何なら…今から行って、聞いて来るのも良いかも知れませんね…でも、まだなんですよ…」

 

「ん?」

 

「貴女は…テレサさんの中で、彼女の記憶を見た事が有る筈です…そして…どう考えても不自然な欠落が有るのも当然分かった筈…」

 

「……それで?」

 

「…先ずお聞きします…貴女はその事を、テレサさんに指摘しなかったんですか?」

 

「そうだな、ハッキリ聞いた事は無いな…」

 

「…何故?」

 

「その必要が無かったから。私は、あいつの家族じゃないんでな…」

 

「……貴女もですか…」

 

「ん?」

 

「皆さん、テレサさんが普通の状態じゃないのは分かっていた筈です…それでも、誰もその辺について詳しく聞いた様子が無い…何故ですか?」

 

「……」

 

「テレーズさん、少なくとも貴女は…気付いていたんじゃないですか、テレサさんの記憶を消したのが…サーゼクスさんだと…」

 

「…ああ、すぐに気付いたな。」

 

「貴女は、その事をテレサさんに?」

 

「…言ってないな、何も。」

 

「どうして…?」

 

「それをする理由が、私には無いからだ。」

 

「理由が無い…」

 

「フローラ、私はな…テレサの家族じゃないんだよ。そして…テレサの家族は誰一人…その辺について聞いて来ない…」

 

「……」

 

「テレサが何も言わないのもそうだがな…あいつら、皆色々気付いているのに、テレサに何も聞かないのさ…こうして私を問い質しに来たのも、お前が初めてだ…」

 

家族では無い…だが、私は…時折気には留めている…

 

「さて、フローラ…改めて聞かせて貰おう…何故、お前がそんな事をしないとならない?」

 

「え…」

 

「お前が、あいつにそこまでする理由を聞きたいのさ…」

 

サーゼクスに聞く前に私に聞く必要が有ると思ったのは…いっそ、その慎重さを褒めてやっても良い…あいつの家族だったら、普通に私を飛び越えてサーゼクスの所に行くだろうしな…ただ、それではサーゼクスは何も語らんだろうと…私は思っている…何故なら、それは…きっと口止めをしたのはテレサ自身だから…そうである以上…義理堅いあいつは、簡単に口を割らない。

 

「…答えられないか?」

 

サーゼクスが口を割るだろう情報…テレサが、今もひた隠しにしようとしている事実を…私は一つ知っている…だが、フローラ…お前の答えによっては私は何も教えるつもりは無い。

 

「私は…」

 

「フローラ…どちらかと言えばテレサも、知恵袋的役割でアザゼルに意見を求める事が多いし…サーゼクスはポンコツな印象も有ると思う……だがな、頭脳面で本当に優れているのは…恐らくサーゼクスの方だ…それは、恐らくアザゼル自身も認めている…この程度で答えあぐねるなら、あいつからは何も聞けないぞ?」

 

「……」

 

「良く考えて発言しろ…お前は、何でテレサの為にそこまでしようとする?」

 

それでも、期待はしたくなる…私にはどうしたって解決出来無いテレサの抱えてる問題…それを、どうにか出来る奴がいるなら…と。

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