ハイスクールDxDにクレイモアがいたら   作:三和

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#101

フローラは目を閉じ、真剣に考え込んでいたが…やがて口を開いた…

 

「…そうですね、じゃあこう言いましょう…ただ、私がテレサさんを気に掛けているだけです…嫌われてるかどうかなんて、知りません。それが嫌だと言うなら…まだ付き合いの短い私にすらバレるくらい、苦しい表情をするテレサさんが悪いんです…あんな顔…普段から見せられたら、放ってなんておけないじゃないですか…だって、私にとっては恩人の一人なんですよ?そんな人が…いつもあんな苦しそうな顔をしてて…放ってなんておけません。」

 

「…フッ…良いぞ、悪くない。それも結局押し付けでは有るが、あいつに対しての接し方は実はそれで良い…あいつの家族にも、もう少しその自分勝手さが欲しいものだな。」

 

「家族なんだから、私よりもずっと…テレサさんが苦しんでるのは分かっていた筈です…多分、家でもずっと…悩んでいたでしょうから…私には分かりません…どうして、聞いてあげようとしないのか…」

 

「そりゃ、出来無いだろうな…下手に踏み込むとあいつの場合、また何処かへ消えようとしかねないからな…」

 

「例の家出の件、ですか…」

 

「実際はそんなに可愛いもんじゃないがな…あいつ、あの時は自分の携帯まで破壊したからな…まぁ、財布すら持って来てない突発的なものだったから…結局駒王町からも出られず、すぐにオフィーリアに保護されたからまだマシでは有る…それにあの件は、私がこうして表に出る切っ掛けにもなったから…一概に悪い事だったとは言えないんだろうがな…」

 

「…家出の理由は、何だったんですか…あの件については、私も詳しくは聞けてないんですよね…」

 

「家族を食いそうで怖いから…と、本人は言っていたが…まぁ、それは建前だな…」

 

「建前?」

 

「あいつは本当は臆病なんだよ、自分の抱えてる色々なものを自分を慕ってる連中に知られたくないから、また一人になろうとしたのさ…ま、結局本人ももう捨てたくても捨てられない事を再確認しただけだったがな…」

 

「…捨てる事は出来無いでしょうね…だって、テレサさん自身が皆さんの事を大好きなんですから…私だって、まだ付き合いは短いですが…見てれば分かります…」

 

「…確認するまでも無く、当時…あいつの周りの連中全員が分かってた事だろうけどな…根が寂しがり屋の癖に、元は一人だったから…また一人になるだけとか思ってた様だが…出来る訳無いだろ、あいつは寂しがり屋だからな…」

 

「私も見てて分かってしまうんですよね…あの人、結局誰かが側に居ないと駄目なんだと…」

 

「あいつが一人だった頃は本当に酷かったらしいぞ…自分の身体は人間の様に衣食住が必要じゃないからと、路上でその日暮らしだった様だからな…大体、いくら半人半妖の身体でも一切食事を取らんのは無理だ…とは言え、本人は当時ギリギリのレベルまで食事を抜いていたからな…あの頃グレイフィアがあいつを探さなければ、恐らくいつかは覚醒していただろうな…」

 

「あー…セルフネグレクトってやつですか…」

 

「…ネグレクトは聞いた事が有るが、セルフ?」

 

…いや、考えるまでも無いか…

 

「要するに、自分に対する興味の一切を失って…まともな生活をしなくなる事を言う訳か…」

 

正しく当時のあいつだな…最も厄介なのは、食事を多少抜いたぐらいでは私たちは仮に半覚醒していても中々死ねない事だな。

 

「病気や精神的なもの…原因は色々有りますけど、この世界では最近どんどん増えてるケースだそうで…昨今では、孤独死の原因になってるとか…」

 

……まぁ、言ってる事は分かるんだが…半年で随分この世界に染まったな、コイツは…

 

「…面白い話では有るが、その話続けるなら後日にして貰っても良いか?」

 

「あ!ごめんなさい…」

 

アレだな…覚えたての言葉を使いたいと言う典型的なものを感じた…ま、この世界に馴染んでるなら良い事か…

 

「…その、結局私には…」

 

「…ふぅ…ま、良いだろ…一つ、私の知るあいつの秘密をお前に教えてやる…」

 

「秘密、ですか?」

 

「ああ…あいつから聞いたと、サーゼクスに言ってみろ…多分、何らかの反応が確実に有る筈だ…」

 

「それ程の…それは、一体どんな…?」

 

「至極単純な事…逆に言えば、今も周りの奴にあいつが隠し続けている秘密は…私もこれしか知らん…ちなみに、オフィーリアには話の流れでうっかり漏らした事は有るな…ただ、他の奴は知らん筈だ……サーゼクス以外はな…」

 

「…教えてください、その秘密を…」

 

「…半人半妖の身体になる前、あいつは人間の"男"だった…」

 

「……は?」

 

「言った通りだ、本当にあいつは元は男だったんだよ…まぁ、性別以外の事は…ほとんど何も覚えてないがな。」

 

「…それも、サーゼクスさんに?」

 

「いや、本人の話通りなら元からじゃないか?あいつの過去をサーゼクスから聞けたのなら…もうその辺、あいつも隠さないだろうから改めて聞いてみたら良い…」

 

「…分かりました、ありがとうございます…」

 

フローラがその場から立ち上がる……いや、ずっと床に正座してたのに良く普通に立てるな…

 

「これからサーゼクスの所に行くのか?」

 

「…いえ、明日は仕事ですし…それに、さすがに日にちは開けますよ。」

 

…思いの外、冷静だな…

 

「あいつが男だったと聞いて、思う事は無いのか?」

 

「う~ん…正直に言うと、特には…と言うか、寧ろ納得も有るんですよね…テレサさん、どちらかと言うと男性的な印象強いですし…それに、半年程度とは言え…それなりの時間一緒に居ましたから…と言うかテレサさんの周りの人は誰一人、気にしない気がしますけどね…今更、と言う気もしますし…」

 

…まぁ、正直…私もそう思う…あいつは今もずっと…隠し続けているがな…

 

「じゃあ、遅くにすみませんでした…これで失礼します…」

 

「いや、良い…マリアの事も有ったしな…」

 

「…では、また…」

 

「ああ、またな…」

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