真・恋姫†無双~ほんとはただ寝たいだけ~   作:真暇 日間

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料理人生活、戦場編

 

 

反董卓連合、と言うものが組まれたそうな。その盟主と言うか総大将は袁紹と言う名家のお嬢さん(ただし馬鹿)らしいが、どう考えても殆どの諸侯は建前の『董卓が首都である洛陽で暴政を働いている』と言うのが嘘だとわかっているのに自分のためにこっちに戦争を仕掛けてくる気満々だと言うんだから、本当に面倒臭い。馬鹿の考えることは理解できないよ。

まあ、馬鹿以外もこの戦いに乗り気なんだけど。

 

……で、不幸中の幸いは相手の頭が馬鹿だってことだな。お陰でこっちが守りやすいところにわざわざ来てくれるって言うんだから楽でいい。

 

真っ直ぐ向かってくる敵に対してこちらは泗水関と言う難攻不落の関と虎牢関と言う関で防衛線を敷くらしい。

それで、まず初めに戦闘になるところは泗水関であるというのは場所さえわかってればわかると思うが、そこに居る将は脳筋猪武者こと華雄と、サラシさんこと張遼の二名。

率いる兵はそれなりに居るが…………脳筋猪武者の方が凄まじく心配だ。

最近あんまりにもしつこいから一対一でぼっこぼこにしてやったんだが、それでも無駄に自分の武力に誇りを持ってるからなぁ……。

別に誇りを持つのは勝手にしててくれていいけど、できれば誇りを持てるような大層な武を持ってからにしてもらいたいね。

大陸最強を名乗ってるんなら恋ちゃんに勝ってみろと言いたいし、大陸でなく最強を名乗るんならちー姉さんとガチで戦ってみろと。

 

……で、それを不安に思ったらしい恋ちゃんにお願いされて、脳筋猪武者を止める役割を受けた。その間の料理はぷちかーずを五体召喚して頼んだ。五人いれば料理だけならほとんど同じような事ができるようになるから安心だ。

まあ、千の顔を持つ英雄は使えないから遠隔で俺が出すことになるんだが、それもプライベート・チャネルを使えば簡単に連絡がとれるから何を出すか迷うようなこともない。

 

……まあ、そんなことはどこか適当な所に放り出しておくとして…………はい、現在関の前で連合軍が会議を続けているようだ。内容は……誰が総大将になるか。

 

………………集めたのは袁紹だから袁紹がなってるんだとばかり思ってたんだが、どうやらまだ決まっていなかったようだ。頭は大丈夫か?

……聞くまでもなく駄目だな。うん。残念な奴だ…………。

 

「今のうちに攻めれば相手に大打撃を与えられるだろう!出撃すべきだ!」

「アホか!詠に言われとるやろうが!籠って守りに徹してれば相手は勝手に消耗していくんやから、月のことを考えるんやったらここは守りに徹しろや!」

「しかしだな!」

「ダメや!」

 

……毎日こんな感じでこっちの将の二人は口喧嘩に勤しんでいて、兵はいつ脳筋猪武者が暴走して突貫していくかひやひやしている。

しかし、何で俺がストッパーになってるんだろうな? 俺はどちらかと言うとブレーキじゃなくてニトロブースターなんだが……明らかに人選ミスだろ。

まあ、今回は止める側に回るけどさ。

 

止め方はいくつも種類があるが、基本的にみんな簡単だ。気絶させたり、言いくるめたり、洗脳したりな。

外道なことも混ざってるが、そこら辺は気にしなくていい。実行するようなことには早々ならないだろうし。

 

……ならないといいなぁ……。

 

「別に逝きたいなら逝かせてやれば? 自分の個人的な欲のために自分と自分に従う兵と自分の仲間と守るべき民と主、全ての命を危険に曝すことすらいとわない将として最悪の奴だって自分から証明しようとしてるんだからさ」

 

あ、口が滑った。

 

 

 

 

 

side 張遼

 

突然口を開いた銀は、予想以上の猛毒を吐き出してきよった。

どれだけすごい毒かと言うと、直接向けられたわけでもないうちが固まってしまうくらい。

 

それを直接向けられた華雄は一瞬呆然として、それからすぐに憎々しげな視線を銀に向ける。

 

「なにも言うなよ馬鹿。死にたいなら一人で死にに行くんだな猪。こっちまで巻き込まれたら溜まったもんじゃねえんだよ腐れハゲ」

「誰がハゲだ!」

「えぇ~突っ込むところそこなん?」

 

うちが華雄にツッコミを入れても華雄はさらに熱くなる一方。こうなったら華雄は銀に適当にあしらわれるしかなくなる。

うちの予想を裏切ることなく、銀はにっこりと笑顔を浮かべたまま語り始める。こいつの語りは色んな意味で怖いから好きやないんやけど……華雄に何吹き込まれるかわかったもんやないから一応つきそうことに。

 

「言ったろ。流石にお前じゃ勝てないよ。恋ちゃんだってあの数に勝てるかどうかはわからないんだし、恋ちゃんより確実に弱いお前があの全軍を叩き潰せるわけ無いだろ? 常識的に考えて」

「ふん!数の差など、我が武の前では無いと同じだ!」

「本気でそう思ってるんだったら将辞めた方がいいぞ」

 

それはうちもそう思うけど、やっぱり言い過ぎやないやろか?

 

 

「まあ、お前がなんと言おうと止めるけどな。例え向こうに孫堅の娘の孫策が出てきてお前のことを馬鹿にしてようが、将兵全員が『華雄の貧乳!』と叫んでようが」

「死ねぇぇっ!」

 

普段の五割増しの速度で振られた戦斧は、当然のように銀に打ち払われる。横腹に打撃を加えられて跳ね上がった戦斧の下を潜った銀は、華雄の額に思いっきりパチキかました。

 

……うゎ……あれはきついわ……。

 

戦斧から手を離して額を押さえて悶絶している華雄に、銀は何事もなかったかのように話を続ける。

 

「とにかく、この状況でお前が出ても不利益しかないから、出んなよ」

「ぉあぁぁぁぁぁ…………」

「いや、この状態じゃ言ってもわからんやろ」

「じゃあサラシさん、代わりに言っといてくださいな」

 

それだけ言い残して、銀は関の奥に引っ込んでいった。

 

……最後にゃ丸投げかいな。まったく…………。

 

 

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