真・恋姫†無双~ほんとはただ寝たいだけ~   作:真暇 日間

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仕返しは、最低三倍に

 

こちらちっちゃい娘さんに変装中の俺だ。現在は関の門の上、戦場が一望できる場所に立っている。

華雄に変装している俺が敵陣に単身飛び込んで大暴れしているのを眺めながら、隣にいる霞ちゃんと下に座っている華雄の二人とのんびり話をしている。

 

「……はー……分身して変身した時も思っとったけど、やっぱ化物やなぁ……ほんまに人間か?」

「人間だろうが人間じゃなかろうか俺は俺のまま変わらないけど、知る必要ある?」

「無いな。……それにしても、やっぱり陳宮の口からそんな言葉遣いが聞こえてくるっちゅーんは妙な気分やなぁ……」

「やろうとすれば『超喋りまくる恋ちゃん』とか、『お腹の中身が真っ黒な悪役笑いを浮かべる董卓』とか、『脳筋賈駆』とか、『ジャパネット霞ちゃん』だってできるぞ?」

「色々言いたいことはあるけど、とりあえずウチのじゃぱねっとってなんやねん。あとそのウチら全員凄い違和感あるんやけど」

 

当然だろ。わざわざ違和感があるようにチョイスしてるからな。最後のはただのネタだけど。

 

そんな話を楽しみながら、華雄に変装中の俺を眺める。こうして見ていれば、華雄に変装中の俺の後ろから矢を放とうとしている奴とかも見えるから、不意打ちをされることがほとんど無くなる。

なんと言っても俺と俺は実質一人だし、片方が見ていればもう片方も見ていると同じことだからな。

 

「……で、どうすんのや? 銀が出ていったお陰でなんやわらわらとまとわりついとんのが居るんやけど」

「ああ、それは任せてくれていいよ。全員射抜くから」

 

そう言って俺が作ったものはエンゼル御前。両腕に弓を装着し、射を二体の御前に任せる。

できるだけ一射一殺、眉間か脳天か喉か心臓を射抜いてやればそれでいい。

大量虐殺ならエアリアルオペレーターでサリンでも調合してやれば簡単に終わるが、それをやると無差別に虐殺になるからこっちの兵もヤバイ。そんなわけでエンゼル御前だ。

 

「さあ、射るのですよ御前様」

「お、今のは陳宮っぽかったわ」

「そうだな。……はぁ……戦いたい…………」

 

暫く我慢してろ。

……華雄のバトルマニアは変わらずか。脳筋は若干良くなったんだが、バトルマニアは変わらないみたいだな。

 

……もしかして、三歳の頃からこうだったりするのか? 三つ子の魂百までってよく言われてるし。

 

……こんなバトルジャンキーな三歳児は、ちょーっと嫌だなぁ……。

 

そう考えている間にも、両腕の弓からは矢が飛んでいく。ちなみに、少しだけオリジナリティーを求めてみたため、弓の持ち手のハートはダイヤに変わっている。矢は何も変わってないがね。

今も、かなりの速度で取り付いて来ている雑兵の眉間やら脳天やらを撃ち抜いている。威力が大きいせいか一人貫いただけでは止まらず、三人目くらいまでは撃ち抜いている。

つまり、かなり好調だと言うことだ。

 

「陳宮のやつに新しく異名が付きそうやな。神弓軍師とかどないやろ」

「無い」

「無いかー……まあ、実際にやってるのは銀な訳やし、好きにすればええんちゃう?」

 

……じゃあ異名をつけるとかそう言うのはやめてもらいたい。困るのは俺じゃなくてあのちっちゃい娘さんだけど。

あのちっちゃい娘さんに異名……しかも戦闘系の…………笑うべき所だよなこれは?

正確に一射で相手の眉間を貫き、毎秒百発(本当はもうちょっと早い)もの矢を放ち続ける軍師……それってマジで怖い。そこらの将くらいだったら軽々と殺せそうだ。

 

……まあ、それはこの世界の一般的な武将がそれなりに俺の世界の人間と似ていなくちゃ駄目だが。主に戦闘力的な意味で。

 

……あ、将らしき奴を発見。優先して射抜いていこう。

そうやって偉い奴から殺していけば、とりあえず士気の増大は防げるはずだ。

 

……それにしても、相手はいったい何人居るんだろうな。もう二千以上は撃ち抜いた筈なんだが。

 

「霞ちゃん? 敵って何人くらいって言ってたっけ?」

「あー……何人やったかなぁ……」

「……確か、十三万と言う話だったはずだが?」

 

まさかまさかで華雄から答えが帰ってきた。どうやらしっかりと報告を読み込んでいたらしい。

ちなみに俺は将どころか兵ですらないから、報告書に目を通していない。

 

……それにしても、十三万か。やっぱり広域でズドンとやりたいよなぁ……。

……ああ、御前の飛ばした矢をランブルデトネイターで爆破すればいいのか。なるほどなるほど。

それじゃあ次から実行しよう。一番効果的な状況で、今まで刺してきた分も全部纏めて吹っ飛ばそう。

関に近い所に刺さっている奴は爆破させないで消して、そうしてできた穴を落とし穴にでも転用すれば騎兵の突撃を防ぐことにも使えるだろう。

運のいいことに有力な武将はほぼ全員華雄な俺が引き受けていてくれるし、ちっちゃい娘さんな俺の方は大した実力のない武将やその命令に従う雑兵を相手にするから、いい役割分担だ。

 

そう考えていると、いつの間にか関に蛆のようにわらわらと沸いていた兵が退いていた。どうやら漸く分が悪いと言うことを理解したようだが……その間にも後ろの方の奴から頸椎を貫かれて死んでいく。最後にはいったい何人が生き残っているのやら……?

 

……そうだな。そろそろこっちもお開きにするか。華雄な俺も帰ってこさせて、それからまた籠城しよう。

今回のことで牽制にはなっただろうし、迂闊に攻めてきたりはしないだろう。

 

……多分だけど。

 

 

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