真・恋姫†無双~ほんとはただ寝たいだけ~   作:真暇 日間

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「この話は賛嬢ちゃんの地味能力が反董卓連合結成までに天元突破してなかった場合に起きるかもしれない出来事だそうだ。この作者の考えることはわからないな。わかろうとする気も無いけど」
「? 一夏? 誰に向かって話してるんだ?」
「気にしなくていいよ賛嬢ちゃん。どうせ何言っても無駄だから」





真・恋姫†無双公孫賛編IF話、略して賛ちゃんIFバナそのいち

side 公孫賛

 

黄巾賊を殲滅してからしばらくして、麗羽のやつから手紙が届いた。なんでも董卓が洛陽で暴政を振るっているから誅罰を与えに行こうとか言う話だったが……確か董卓って心優しい奴で、暴政なんか振るえる性格なんてしてないはずなんだけどなぁ……。

それに、うちの隠密隊の話じゃあ実際に暴政が振るわれているなんて事実は無く、麗羽が董卓に自分の上に立たれて嫌がっていたこともわかっている。うちの隠密隊忍組諜報部は優秀だからな。

 

「……で、顔良。もしも私が断ったら麗羽は幽州に攻めてきそうか? 正直に頼む」

「え……えーと……その……あはははははは……」

 

なるほど、攻めてくる気は満々、と。なるほどなるほど。

だが、麗羽も本当に無茶をする。私としては中央で誰が権力を握ろうともこっちに被害が来ない限りはなんでもいいんだが、麗羽は昔から自分が一番じゃないと気が済まないみたいなんだよな。面倒なことに。

 

……正直気が進まないんだが、やらなかったら幽州に直接戦火が来るからなぁ……やれやれ。

まあ、麗羽は自分が一番偉ければそれでいい奴だから、適当に持ち上げといて勝手に動かせて貰うとするか。相手が曹操だったらともかく、麗羽だったら普通な私でもなんとかなるだろう。

 

「……仕方無いな。どうせ他の諸侯には私が参戦すると書いて送っているんだろう? 既成事実にするためだろうが、中々有効な策だよ」

「おー、やっぱばれてんな。流石は伯珪様」

「思ってもいない世辞はいらん。それに、わかっていても引っ掛かるような奴だぞ私は」

 

適当に誉め言葉を言ってくる文醜にこちらも適当な言葉を返し、それから顔良に顔を向け直す。麗羽の軍で一番話が通じるのは顔良だし、文醜は細かいことどころか大雑把なことすら考えるのを面倒臭がるから顔良に話すしかない。

 

「我々は、反董卓連合に参加させてもらう。麗羽にもそう伝えといてくれ」

「はい、承りました」

 

顔良がペコリと頭を下げて、それからすぐに立ち上がる。どうやら他にも色々とやることがあるらしいが、麗羽も中々人使いが荒いところは変わってないな。

それでも嫌われることはあまり無いってのは一種の才能だな。羨ましいことこの上無いよ。

私は必死こいて努力して嫌われないようにしてるのに、そんな物は関係無いとばかりに平然と過ごしてるんだから。

 

……これでもう少し馬鹿さが無くなって自重を知ってくれれば、民の理想とする領主が一人出来上がるってのに。

そうだ、今度あいつの髪を全部梳いてやるか。性格変わってくれればこれで万々歳なんだけどな。色んな意味で。

 

「それじゃあまた戦場でな、顔良」

 

……さて、それじゃあこっちもやることはしっかりやっとかないとな。方向性を決めて、大雑把な作戦を組み立てて、その作戦に合う将を選んで作戦を練り直す。その作戦が失敗しないようにちょっとずつ現場の状態を組み立てながら失敗した時のための作戦と、最悪敗北しそうな時の行動を決めておく。

まず最初に必要なものは情報だ。例えば董卓が賈駆に連れられて逃げた先を特定したり、特定する前に上手いこと誘導したりしてやれば殺すも救うも私次第って言う交渉するのにかなり有利な条件を持てるし。

 

……それに、董卓は麗羽に嵌められただけで権力欲とかそう言うのがかなり薄い奴だから、助けてやりたいとは思うんだよな。

だけど流石に董卓を生かしたままって訳にもいかないから、董卓には死んでもらって残った奴は降ってもらってから放逐するなりなんなりすれば自由の身になる。

働き先くらいは融通してやるが、とりあえず相手の出方次第だな。ああ面倒臭い。

こんな時には一夏と一緒に昼寝だな。一応周りと話し合いでこれからの事を決めて、それからってことになるだろうけど。

 

「おい」

「ここに」

 

音も無く現れた隠密隊忍組の一人に命ずる。反董卓連合に参加している諸侯に追加で数人ずつ偵察を送れ、と。

それと参加していない奴はそのままでいいが、軍を起こすような動きがあったら真っ先に私に報告しろと厳命しておく。命令を復唱した忍組の一人は現れた時と同じように無音で消え、辺りには沈黙が広がるようになった。

 

「……これから、忙しくなりそうだな」

「そうですね、伯珪様」

 

傍らに控える侍女組の一人が、溜め息をついた私に茶を差し出す。若干温めに淹れられたそれを一息に飲み干して、私はその侍女に命ずる。

 

「隠密・陽戦隊の千人長以上の人員を会議室に集めてくれ。それと警羅組の組長もな」

「了解しました」

 

……それじゃあ、始めようか。正直あまりやりたくないんだが、逃げ道は塞がれてる。抜けようとすれば抜けられるが、それより参加した方が後々楽になるからな。

後の事なんて考えなくてもいいなんて麗羽みたいなことを言う奴は、この乱世では生きていけないぞ?

 

 

 

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