真・恋姫†無双~ほんとはただ寝たいだけ~   作:真暇 日間

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えーと…………投稿作業をしていたら下の方に『予約投稿』なるものを発見しましたので、毎日更新を再開したいと思います。
作者は携帯ではなくPHSしか持っておらず、PHSだと約2000文字で書き込みが出来なくなってしなうためこのような形式でこれから更新させて頂きます。
 毎日23時。ストックが無くなるまで連続更新です。お楽しみに。


よく寝た、じゃあ料理だ

 

 

よく寝た、じゃあ料理だ

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恋ちゃんとの戦闘を終わらせて暫くの間、俺は眠り続けていたらしい。具体的には丸二日。

お陰で起きた時には凄まじい音量で大合唱する恋ちゃんの腹の虫の鳴き声を聞くことになった。

そんなに腹が減ったなら他の店で食べればいいのに、と思ったが、どうやらちー姉さんと同じ症状に陥ってしまっていたらしい。

 

そう、『俺の料理しか美味しく食べられない病』に!

 

……いや、冗談みたいなほんとの話だ。実際ちー姉さんは俺の料理しか美味しく食べられない時期があったし、今回の恋ちゃんも重度ではないが他の料理が若干味気ないと感じるようになっていたと言う。

とにかくそんな理由でいつもは無茶苦茶なくらいに健啖家な恋ちゃんはそこまで量は取っていなかったらしく、かなりふらふらとした足取りだった。

見ていて不安だったのでさっさと恋ちゃんの体を抱えて(お姫様抱っこじゃなくて俵担ぎだったことを明記しておく)椅子まで運んで座らせて、それからいつもの倍速でいつも以上の量をぱぱぱぱっと作り上げる。

いくつかマテリアルマーチで完成品を作って出してもみたが、どうやらそうやって作ったものにはなぜか食指が動かないらしい。理由は知らないが、一人の料理人としては自分の作った料理とそうでない料理をわかってくれると言うのはかなり嬉しい。

まあ、俺は料理人の中でもそれなりに特殊な方だから世の中の料理人全てが俺と同じような感情を持つとは思っていないが、それでもかなり嬉しくはある。

 

ちなみに今までそれをわかってくれるのはそんなにいなかった。精々俺の周りにいつも居るみんなと束姉さんとちー姉さん。そしてマゾカとくーちゃんとのほほんちゃんたっちゃんと、ついでにちょろータム(第二次強化体)と大雨さん。それくらいだ。

蘭ちゃん? 俺の周りにいつも居る皆の中に入ってるから大丈夫だ、問題ない。

 

とりあえず作るのに時間がかかる煮物系を時間が空いているときにちょこちょこと用意して、先に簡単にできるものから作っていく。

庭に石窯を作ってピザを焼いてみたり、一緒に焼いた石の鉢で石焼きビビンバを作ってみたり、コシの強い麺を煮込みながら茹でて煮込みうどんを作ったり……。

勿論暫く食事をあまりしていなかったらしい恋ちゃんのお腹の調子を考えてヨーグルトとジャムで作った簡単でそれなりに美味しい前菜から出して、少しずつ重くしていく。恋ちゃんなら初めからかなり重めでも大丈夫な気がしたが、一応俺にも原因が無いと言うわけではないと思ったので若干ながら気にしてみた。

なお、魚の刺身は手早く作れて美味しいのでそれなりに好評だった。今度は寿司を作ってみようと思う。

 

……それにしても、作っても作っても次々に恋ちゃんの口の中に吸い込まれるように消えていく料理を見ていると……本当に餓えていたんだと思わせてくれる。

このまま俺がいなくなったら死ぬんじゃないかと思ったりもするが、いなくならなければ大丈夫だろう。

 

…………多分。

 

「……もきゅもきゅもきゅ……おふぁわり……」

「喋るんだったら口の中に物がなくなってから」

「…………ごっきゅん。……おかわり」

「はいはい。炒飯大盛りね」

 

……って、俺は恋ちゃんの親かなにかかっての。今のはどう考えても母親が子供に言うことだろ。

確かに恋ちゃんは子供っぽいと言うか、頭の中身は明らかに子供だとは言え……俺の言うことじゃないだろ。

それに、なんで恋ちゃんも当然のように言うことを聞いてるのかね? この娘さんはちょっと前まで俺が呼んでいた通りにこの家の家主だってのに。

 

……あれか、の中では家胃袋を掴んだ方が強いってか。

まあ、確かにそれはある意味じゃ間違った言葉じゃないんだが……。

……まあ、いいか。俺はその方が楽だし。

 

……そろそろピザがいい感じに焼ける頃だな。トマトソースににんにくと餅とチーズ。この組み合わせは蘭ちゃんにも好評だったし、他にも色々作ってはあるがこれを一番始めに焼いたのは間違いではなかったようだ。

 

「……くんくん……美味しそう…………」

「全部恋ちゃんのだから遠慮しないで食べな」

「……ん。ありがと……」

 

恋ちゃんは軽く頭を下げると、もきゅもきゅもきゅと凄まじい速度で食事を再開した。

……どこかのピンクの丸玉的な生物みたいに、腹の中身が宇宙に繋がってるんじゃなかろうな?

あるいはちっちゃい恋ちゃんがたくさん居て、恋ちゃんが食べた分を瞬く間に食べ直してるとか。

そうじゃなきゃこんな量を人間が当然のように食べるとかまず無理だし。

 

「……?」

「なんでもないなんでもない。よく食べるなと思っただけだから」

「……駄目だった……?」

「俺は駄目なら駄目だとはっきり言う男だよ。例え相手が今飛将軍だろうが県令だろうが皇帝だろうが神だろうが、駄目なら駄目だと言うよ」

 

俺がそう言うと、恋ちゃんは安心したように食事に戻る。沢山食べるのは元気の証拠だが、たまに病気と言うこともあり得るから困る。

ただ、恋ちゃんの場合は単に体に溜め込めるエネルギーが膨大で、そのエネルギーに見合うだけの出力機関として筋肉があると言うだけだ。

当然そんな高出力の出力機関を使って行動を続けていればエネルギー貯蓄量が膨大だといってもすぐに底をつくし、底をついたら死んでしまう。

だからこそ恋ちゃんはこうして非常識とも異常とも言えそうな量の食事をするわけだが、エネルギー保存の法則からすると間違っていないような気がする。

 

……そうそう、この世界には氣と言うものが実在するようだ。それを使って病を退ける医者もいれば、戦いに利用する武将も居るらしい。

それは基本的に意識していないだけで誰の体にも宿っていて、名だたる武将は無意識のうちにそれを使って身体能力の強化をしていると聞いた。

とすると、恐らく恋ちゃんも同じように氣を使っているんだろう。そう見えない理由は、恐らく外氣功系ではなく内氣功系の強化だからではないだろうか。

 

ちなみに外氣功系の強化を簡単に表すと、自分の意思で自在に動かせる鎧を纏ったような……ISに乗って体を外から動かすような状態で、内氣功系の強化は内側の筋肉や関節を強化して出力自体を底上げするような……そんな感じだ。

 

で、元々出力が大きいのにさらに出力を上げる細工をして、しかもその細工にも自分のエネルギーを使うんだから……まあ、エネルギーの消費が馬鹿みたいなことになるのは自明の理。

そして当然、生きている者はすべからく消費した分のエネルギーを食事によって補給する。

その事を考えれば、こうして今も恋ちゃんが明らかに自分の胃どころか自分の全身の体積以上に食べていても不思議なことは…………無い。

 

……よく思い出してみたら、俺も生前(桜道一哉としての生前ではなく、織斑一夏としての生前の話)は自分の体積以上を食べていたことがあったし……気にしない方が良いような気がしてきた。

特にエネルギー保存の法則と質量保存の法則はこういう世界だと力を失うからな。俺が言える台詞じゃないけど。

……ああ、作用反作用の法則もそうだな。あんだけの威力で人をぶん殴っておいて、殴った本人は無事とか……ありえん。

 

まあ、別にいいけどね。どーでも。

 

 

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