真・恋姫†無双~ほんとはただ寝たいだけ~   作:真暇 日間

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黄巾殲滅、頑張れ~

  

 

恋ちゃんとの戦闘で疲れたから二日寝て起きて、お腹を空かせた恋ちゃんに料理を作って食べさせた。

そしてその後三週間ほどは特に何事もなく時間が過ぎていった。それこそ、恋ちゃんが出撃するようなこともなく、とても平和な時間が。

俺はそんな中でいつも通りに恋ちゃんに食事を作り、恋ちゃんの家で眠り、時折降り注ぐちんきゅーきっくから身をかわし、勝負を挑んでくる脳筋猪武者(華雄は猪武者から脳筋猪武者に進化した!)を適当にあしらい、勝負を挑んでくるサラシさんを酔い潰して勝負云々をうやむやにし、酔い潰れたサラシさんを運ぶために城から遣わされた兵士達と談笑し……そしてやっぱり眠りながら平和な日々を楽しんでいた。

 

……まあ、こんな世の中だし、こんな平和が長く続くとはどうしても思えなかったからこうして短くも楽しい平和な時間を自分なりに楽しんでいたわけだ。

 

そしてそんな中で届いたのが、数万の黄巾党と呼ばれる賊の大軍が一ヶ所に集まっているから潰しに行けと言う、今やほとんどお飾りの王朝となった漢王朝からの命令書だったそうだ。

正確には黄巾賊を根刮ぎ潰せと言うだけの話だったらしいのだが、諸国の群雄が随分と頑張ってその形にまで持っていったらしい。

 

……随分頑張ったよなぁ……よくもまああんな腐敗のひどい王朝の命令を聞くもんだ。俺なら睡眠時間を削ろうと目論む黄巾賊ごとさっさと滅ぼしてるね。

……ああ、滅ぼすだけの力が無いのか。悪いこと言ったかもな。

 

「……で、何で俺までそれについていく事になってんの?」

「……駄目?」

「正直嫌だ。面倒だし」

「……恋のごはん……作って……?」

 

……………………。

……はぁ……仕方無いか。

 

「面倒事持ってきたら帰るからそのつもりで」

 

恋ちゃんは、しゅんと沈んでいた表情を一度に明るくした。やっぱり犬みたいだと思うが、なんとなくそれでこそ恋ちゃんだと言うような気がする。

 

……呂布とは思えないけどな。

 

マテリアルマーチで呂布についての本を出してみたんだが、どうやら呂布ってのは史実でも演義でも色々と伝説的な逸話のある存在らしい。

細かい話は面倒だから完全に無視するが、そんな三國志でド有名な天下無双が…………

 

「はむはむはむ……?」

「何でもないから食べてな」

「……ん。……はむはむはむ…………」

 

……これだもんなぁ……。

本当に厄介なのは、この見た目で確かに伝説になるに相応しい実力を持っていると言う点だ。ギャップが激しすぎてつっこむ気も起きない。あと力が抜ける。

 

「……もきゅもきゅもきゅ……ごっきゅん。……銀。おかわり」

「冷めても美味しい豚まん作ってやるから、ゆっくり食べながらでいいから暫く周囲の警戒を頼める?」

「……ん」

 

そう言って恋ちゃんは俺から特大豚まん(成人男性の頭一つ分程度)を五つほどを受け取り、すたすたと外に歩いていった。

素直に言うことを聞いてくれるのはある意味ありがたいが、俺はその間にも料理を作らなければならない。それが俺の仕事だし。

 

恋ちゃん専属料理人にして、恋ちゃんの兵糧係。面倒だが一応そういう役付けにある俺は、せっせと食事を作る。恋ちゃんは美味しければ見た目を気にしない(カレーで実証。初見のキーマカレーを躊躇いもせずにパクパク食べていた)ので作るものに幅を出せていい。

幅を出せると言うことは様々な物を食べさせることができると言うことで、それによって栄養バランスを考えることもできる。

カロリー計算が一番難しいと言えば難しいが、そこら辺は大雑把に若干多目にしておけば問問題ない。

恋ちゃんはカロリーが過剰だと感じれば運動して消費するし、足りないと思えば強請ってくる。俺は求められれば作るのみ。そのための用意は欠かさないし、準備はいつでもできている。

 

……デザートにアイスクリームやシャーベットを用意することもあり、夏場は喜ばれている。

冬? 冬には温かい焼きたてのアップルパイとかそういうのを用意する予定だ。寒い時には温かいものを食べましょう。

 

……そうそう、夏には冬瓜とか蟹とか食べると体が冷えるぞ。だからといっていくら暑くても食べ過ぎると体温が下がって動けなくなることもあるから要注意。

まあ、こんな時代でこの季節に冬瓜を用意できるのは俺くらいだから、俺が気にしてればいいだけなんだけど。

 

「……ただいま」

「お帰り。はい餡掛け固焼きそば」

 

突然恋ちゃんの目がきらきらっと輝き始めた。新しい料理を食べられるのが嬉しいのか、あるいはいい匂いがしているからなのか……まあ、どちらにしろ恋ちゃんが嬉しそうなんだったらそれでいいかと考えることにしておく。細かいことを考えるのはあんまり得意じゃないし。

何て言っても頭脳労働は基本は束姉さんやセシリー、かんちゃんの専売特許みたいな物だったから、あんまり深いところまではわざわざ考えようとは思わなかったんだよな。

ただ、意味もなく考え事をしている今みたいな時には思考が勝手に色々な所に飛んで行ったりするんだけど。

 

……そう言えば、出会ってすぐの頃に比べて恋ちゃんの食事量がかなり増えている。

体の出力も上がっているようだが……比的に考えると以前の数倍食べていることから出力も数倍になっていてもおかしくない。むしろ、そうなってなければおかしい。

そんなに突然出力が上がっても混乱するだけだと思うし、元が元だけに武器も普通なら持たないんだろうが……本人は天才で武器は宝具。出力が上がっても全く問題ないようだ。

 

……俺が言うのもあれだが、本当に化物並みだな。このまま育てばいつかちー姉さんに匹敵…………は無理にしても、IS使用時のちょろータム最終体くらいなら五分に渡り合えそうだ。

俺の周りでIS使った方が強い奴はちょろータムと大雨さんくらいなんだが、束姉さん印の改造ISなら大体みんな強くなる。俺も空飛べた方が勝率高いし。

 

…………そろそろ戦が始まるのかね。それじゃあ弁当換わりに色々用意しておこうか。

 

 

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