深夜それは悪魔たちの時間、オカ研メンバーで廃屋へと来ていた。
周囲は背の高い草木で囲まれている。
「血か?」
「…血の臭い」
小猫が同時につぶやく。周囲は静まり返っているのに、敵意と殺意が伝わってくる。イッセーの足が震えている。まぁ初めてならしょうがないか。
「イッセー、いい機会だから悪魔としての戦いを経験しなさい」
部長がいきなり無茶を言う。イッセーにはまだ早いと思うが?
「マジっすか?お、俺戦力にならないと思いますけど!」
「そうね。まだ無理よ」
あっさりと言われる。少し可哀想だな。
「あなたには悪魔の戦闘をよく見てもらうわ。ついでに下僕の特性を教えてあげる」
部長がイッセーに駒の説明等をし始める、俺は周囲の警戒をする。
この血の臭いからしてかなりの数を殺していそうだ。こうなる前に対処する事はできなかったのか、同じ悪魔でも蒼那とは全然違うな。
そう考えていると、感じていた敵意と殺意が増していく。
「部長、俺の駒は、役割や特性ってなんですか?」
「そうね、イッセーは」
部長がそこで話すのをやめた、皆も気づいたようだ。
「不味そうな臭いがするぞ。でも美味そうな臭いもする。これは甘いのか?苦いのか?」
気持ちの悪い低い声、だが喋れるぐらいには意識があるのか。
「はぐれ悪魔バイサー。あなたを消滅しに来たわ。」
部長が言う。
「ケタケタケタケタケタケタ」
バイサーが笑いながらその姿をゆっくり表す。
上半身は女の体で、下半身は獣のようだ。太い4本の足に爪、尾は蛇のようだ。
大きさは約5mあり、両手に槍らしきものを持っている。
これでもかなり弱いはぐれ悪魔だがイッセーではまだ勝てそうにないな。
「グレモリー公爵の名において、あなたを消し飛ばしてあげるわ」
「こざかしいぃぃ!小娘ごときがぁぁぁ!」
「祐斗!」
「はい!」
近くにいた木場が部長の命令を受けて飛び出す。かなりの速さでバイサーを撹乱している。バイサーも槍を振るうが全く当たらない。
木場は1度足を止めると西洋剣を生成し抜刀、バイサーの両腕が槍と共に切り落とされている。
木場が一旦下がると小猫が前に出る。
「小虫めぇぇぇぇ!」
ズドン!
バイサーが小猫を潰そうとするが小猫はそれを受け止める。
「…吹っ飛べ」
小猫は大きくジャンプしバイサーの腹に拳を鋭く打ち込んだ。
それと入れ替わりで朱乃先輩が前に出る。
「まだ元気そうだし、これぐらいでどうでしょう?」
朱乃先輩が手を前にかざすとバイサーの頭上から大きな雷が落ちる。
「ぎゃああああぁぁぁ!」
「あらあら、まだまだいきますわよ?」
さらに朱乃先輩は雷を落としていく。
「ぐがぁぁぁぁぁ!」
「朱乃、それぐらいよ。紘雅、次はあなたよ」
部長から声がかかる。バイサーもかなり弱っているのでワンパンなんだが、どうせなら変身を見せてやろう。
俺が何処までできるか試しても見たいしな。
初変身だ、どうせなら1番好きな仮面ライダーになろう。
「ああ、わかった」
俺は部長に返事をする。そして手に霊力を集中し、あるライダーのベルトを召喚する。
その手には門矢士が使っていた、ディケイドドライバーが握られていた。
カシューン。
俺はドライバーを腰に装着する。自動的にベルトが巻かれ左側にライドブッカーが現れる。
サイドハンドルを引いて、ライドブッカーからはライダーカードを取り出す。
「変身」
俺は掛け声と共にライダーカードを裏返し装填し、サイドハンドルを押し込むことでエネルギーを解放する。
『カメライド! ディケイド!』
音声と共に装甲が展開しライドプレートが頭に刺さり全体に色彩を帯びる。
「姿が変わった?!」
皆が驚いているなか、バイサーへと歩いて近寄る。
「姿が変わったぐらいでー!」
バイサーが足を大きくあげて踏み潰そうとする。
俺はそれを左手だけで防ぐ。変身するとこんなにも力が湧くものなのか。
俺は右手で力一杯バイサーを殴り飛ばす。
「がっ!!!」
バイサーは殆ど声も出せずに後ろを吹っ飛んで行く。
もう少し性能を試したいが、いたぶる趣味もない。
ライドブッカーからファイナルアタックライド・ディケイドのカードを取り出してドライバーに装填する。
『ファイナルアタックライド、ディ・ディ・ディ・ディケイド!』
大きく飛び上がると同時にバイサーとの間に沢山のカードが出現する。
その間をキックのポーズで通り抜けエネルギーを足先に集中させ、バイサーへと叩き込む。
「はぁ!」
バイサーが後ろへ吹っ飛んで行き俺の着地とともに大爆発を起こして跡形もなく消えた。
俺はそれを確認するとドライバーを腰から外し変身を解除する。
「すっげーぜ!絋雅!」
「まさかここまで強いだなんて!」
「流石です、絋雅先輩」
皆が驚きながらも賞賛してくる。仮面ライダーへと初変身をついに果たしたが最高だった。霊力を使わないでもあの身体能力、他にも様々なライダーへと変身できる。これからが楽しくなってきた。
「絋雅、私の眷属になる気は無いの?」
俺の力を見てからか、部長が眷属にと勧めてくるが未だメリットがない。
「遠慮しときます」
「残念ね、まぁ気が変わったら教えなさい」
「あっ?そうだ部長、俺の駒って結局なんなんですか?」
そういえばそんな話の途中だったな。部長はイッセーへと伝える。
「あなたの駒はポーン、イッセーは兵士の駒よ」
それを聞きイッセーは苦笑いし落ち込んでいる。
そしてこの場ではお開きとなった。
次の日の放課後俺はオカ研ではなく生徒会へと来ていた。
「椿姫先輩、こっちの書類終わりました」
「早いですね、絋雅くん。ならソーナの方を手伝ってあげてください」
「わかりました」
生徒会に来る時は大体が書類を片付けるのを手伝ったり、お茶を飲んだりしている。
「蒼那先輩次は何したらいいですか?」
「お手伝いありがとうございます。でも大体終わってるのでもう大丈夫ですよ」
確かにもう殆ど書類は残っていない。蒼那先輩が頑張って終わらせたようだ。だが蒼那先輩が全体的に少し疲れているように見える。
「蒼那先輩、見た感じお疲れのようですしマッサージでもしましょうか?」
「えっ?な、ならお願いしようかしら?」
俺は蒼那先輩の後ろに回り込んで肩のマッサージをしていく。
「っん!」
マッサージしてみるとかなり凝ってるみたいだな。前世でもマッサージは得意だったし腕の見せどころだな。
「ひゃ!」
「強すぎました?」
「んッん!大丈夫、です、よ 。はぁん♡」
蒼那先輩も気持ちよさそうだし、少し強めるかな。
「あっ!ちょ、ちょっと、あん♡」
それから五分ぐらい夢中でやっていたら椿姫先輩が顔を真っ赤にして話しかけてきた。
「こ、絋雅くん、それぐらいにしてあげたら?」
「ん、そうですか?まだ10分もたってないですけど」
「これ以上やるとソーナの身が持たないわ」
確かに夢中でマッサージしていたせいで気が付かなかったが、蒼那先輩が少しビクビクしている。
「蒼那先輩?」
話しかけても返事がない、顔も赤いし寝てしまったのだろうか?
かなり疲れていたんだろう、マッサージ中に寝てしまうのはしょうがないか。
「寝ちゃいましたね、ベッドに運んでおきますか?」
「私がやっておくから絋雅くんはもう帰っても大丈夫ですよ。
…こんな姿他には見せられません。」
「そうですか?じゃあお願いします。」
椿姫先輩が最後なにか言った気がするが、荷物をまとめる。
寝ている蒼那先輩が可愛かったので頭を少し撫でる。
「っん〜♡!」
「ああっ!追い打ちを!」
「はい?それじゃ失礼します」
俺は生徒会室を出ていった。
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真羅 椿姫 サイド
まさか絋雅くんのマッサージがあんなに上手いだなんて驚きです。
ソーナがまるで事後のように色気を出しビクビクしている。
「ソーナ大丈夫ですか?」
返事がない。
これはソーナが弱いのか絋雅くんが上手すぎるのか、ソーナが絋雅くんの事を好きな事は雰囲気から察してましたが、絋雅くんは無意識に女性をこのように落としていくのでしょうか?
先が思いやられますね。
登場武器
仮面ライダーディケイド ディケイドドライバー