魔法少女と召喚獣   作:レゾナ

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第17話

翌日……僕等は朝の九時から出たバスの中にいる。

 

目的はもちろん如月グランドパークに向かう為だ。徒歩だとちょっと遠いからね。

 

「ぶぅ……」

 

「ど、どうしたの、まどかちゃん?」

 

そしてなぜかまどかちゃんは不満げだ。

 

そんなまどかちゃんの服は髪の色と同じピンクのワンピースでヒラヒラの部分がなんとも可愛らしい。

 

「こういうのって普通、待ち合わせをするとかじゃないの?」

 

どうやらそういうのにこだわっているらしい。

 

「うぅん……でも、家は隣同士なんだし、別に待ち合わせしなくても……」

 

「明久君はもうちょっと乙女心を理解してよぉ~……」

 

そう言って落胆するまどかちゃん。あれ?僕、何かした?

 

『次は~如月グランドパーク前~如月グランドパーク前でございま~す』

 

「あ、次だよまどかちゃん」

 

「うぅぅぅ……」

 

まどかちゃんは唸りながらも降りますのボタンを押す。

 

そして次の場所で僕等は降りた。目の前にあるのは如月グランドパークだ。

 

「ふわぁ……おっきいね……」

 

僕は思わずそんな事を呟く。

 

これって本当に大きいな……一日で遊び尽くせるかな?

 

「あ?明久か?」

 

と、馴染みのある声が聞こえてきた。

 

振り返ってみると……そこには霧島さんと腕を組んで満更でもないような顔をしている雄二の姿があった。

 

「雄二?どうしたの?」

 

「どうしたのって……鹿目から聞いてないのか?」

 

そこまで聞いてあ、と思い出す。

 

まどかちゃんは自分のチケットを雄二に渡してたんだった。

 

「何だ、雄二達も今日いこうってなってたのか」

 

「ああ、何せ休日だしな。有意義に過ごしたいんだよ。そんな訳で中で会うかもしれねぇしな。またな」

 

そう言って雄二達は中に入っていった。

 

「それじゃ、僕等も中に入ろうか」

 

「う、うんっ」

 

緊張しているのか変な感じに返事をするまどかちゃん。

 

そうしていると、まどかちゃんがいきなり僕の手を握ってきた。

 

「まどかちゃん?」

 

「ほ、ほら!こんなに人がいるから迷っちゃだめでしょ!?だ、だから……ダメ?」

 

「ぐっ……」

 

まどかちゃん、その上目遣いは反則だよ……まあ、まどかちゃんの言うことも一理あるしね。

 

「わかった、じゃ。今度こそいこうか」

 

「うんっ」

 

笑顔で僕の手を引っ張っていくまどかちゃん。その先には入場口があった。

 

ああ、こんな風に遊んでいるとあの戦いがまるで嘘だったかのように思えてくる……でも現実にあの戦いはあって皆は世間に知られるまでもなく戦い、そして打ち勝った。

 

だからさ、神様?そんな皆の為に……安らかな時間をもっとくれませんか?

 

僕はそんな事を思いながら入場口へと引っ張っていくまどかちゃんに連れられるように入場口へと向かった。

 

 

 

中に入るとその男は日本人ではないのか、若干訛りの混じった口調で僕達に笑顔を振りまいた。

 

顔立ちはアジア系っぽいので日本人かどうかはよくわからないけど……。

 

「本日はプレオープンなのデスが、チケットはお持ちですか?」

 

「はい」

 

まどかちゃんは持ってきていたピンク色のバックからチケットを取り出す。僕が持っていると万が一にも失くしてしまう可能性があったからね。

 

僕は手荷物はないし、持ってきているのは財布と家の鍵だけだし……まどかちゃんはその点バックを持ってきていたから失くさないだろうという事でまどかちゃんにチケットを預けていたのだ。

 

「拝見しマース」

 

係員はそのチケットを受け取って僕達の顔を見ると、笑顔のまま一瞬固まった。

 

「どうかしたんですか?」

 

まどかちゃんは怪訝に思ったのか係員の人にどうしたのかを聞く。

 

「イエイエ、そんなコトないデスよ?デスが、ちょっとお待ちくだサーイ」

 

係員はポケットから携帯電話を取り出し、僕たちに背を向けてどこかに電話をし始めた。

 

「私だ。例の連中が来た。声が違うからこっちだ。ウエディングシフトの用意を始めろ。確実に仕留める」

 

…………今、何だか不穏当な言葉を聞いた気がする。

 

そういえば、そんな事を言ってたような言ってないような……ま、いいか。学園長からはどうとでもしていいって言われてたし。

 

「ウェディングシフトって……?」

 

まどかちゃんは何も知らないから頭の上に?マークを乱立させている。

 

「気にしないデくだサーイ。コッチの話デース」

 

「アンタ、さっき流暢に日本語話してなかったか?」

 

僕は問い詰めようとするが

 

「オーウ。ニホンゴむつかしくてワカりまセーン」

 

取り繕ったように元の雰囲気に戻る係員。あからさまに怪しい。

 

「ところで、そのウエディングシフトとやらは必要ないですよ。入場だけさせてくれたらあとは放っておいてくれていいですし。こっちで勝手に遊びますし。いこう、まどかちゃん」

 

「え?えぇ?あ、あの明久くん……ウェディングシフトって何の事……?」

 

まどかちゃんは未だにわけがわからずに?マークを頭の上に乱立させていく。僕はそれを無視して彼女の手を取り、先に進……もうとした所で止められた。

 

「ちょっト待っテくだサーイ。それじゃ写真。記念写真を撮りますヨ?」

 

「記念写真?」

 

「ハイ。サイコーにお似合いのお二人の愛のメモリーを残しマース」

 

「あ、愛のメモリーだなんて……///」

 

まどかちゃんは顔を赤くしているが……なるほど、写真か。そういえばまどかちゃんとツーショットはした事はないな。

 

さやかちゃんとか杏子ちゃんとかとはゲーセンのプリクラとかでツーショットで撮った事はある。全員で記念写真を撮った事もあるけど……ツーショットはそんなにない。ゲーセンにいった時もまどかちゃんはいなかったし……これもいい思い出かな?

 

「……お待たせしました、カメラです」

 

帽子をかぶっていて顔はわからないけど、今の声……

 

「……ほむらちゃん?」

 

どうやらまどかちゃんも同じ結論に至ったらしい。

 

「彼女はココのスタッフでクレオ・アケミ。通称ほむほむデース」

 

クレオ・アケミでほむほむはないと思うよ……というか、ほむほむってほむらちゃんのあだ名

 

「……明久?」

 

帽子をかぶっていて目は見えないはずなのに瞬時に分かった。今のほむらちゃんの目は……笑っていない。

 

即座に考えるのを止める。

 

「……懸命な判断ね」

 

どんだけ僕って考えを読まれやすいんだろ……?

 

「カメラもキマシタし、ソコノきみウツシテくださーイ」

 

そう言うと花壇を整理していた男性に声をかけた。

 

ほむらちゃんがここにいたって事は……さやかちゃんとかもいるのかな?

 

でも目の前の人は男性だし……この感じは……

 

「……康太?」

 

「……よく気がついたな」

 

康太は正体がバレてもその辺どうでもいいらしい。

 

そして康太はカメラを持って僕達は花壇の方に誘導してくる。

 

「……大丈夫だ。この遊園地にも張り出されるがそれ一枚だけだ。後で俺かお前らが買い取ればいい」

 

なるほど、確かに康太の言う通りだ。何かされる前に証拠を隠蔽する。常識だね。それに記念としても貰っておきたいし。

 

「でハ、写真をとりマース」

 

「……少し位ならいいよね……(ボソッ)」

 

まどかちゃんは小さく何かを呟くとシャッターを切る瞬間に僕の腕に腕を絡めてきた。

 

「ま、まどかちゃん!?」

 

僕が動揺していると無残にもシャッターは切られ、僕の動揺している変な写真が撮られた。

 

「スグに印刷してきマース」

 

そう言って係員の方がどこかに走り去っていった。

 

「……明久」

 

と、カメラを下ろした康太が話しかけてくる。

 

「どうしたの、康太?」

 

「……確か、料理作るのも上手かったが、菓子作りも趣味だったよな?」

 

「え?うん、趣味っちゃ趣味だけど……」

 

康太の言葉は間違いない。僕は菓子作りが趣味なのである。

 

母親や姉が楽しそうに何かを作っているので何を作ってるの?と聞いてみたらそれはシュークリームだという。

 

最初は自作のシュークリームが食べてみたいなという安易な理由だったのだが……今となっては習慣にもなってしまっており、1ヶ月に一度位お菓子を自分で作って自分で評価している。

 

「……今度の休みでいいから、俺にシュークリームの作り方を教えてくれ」

 

「僕に?でも康太も料理は出きるんだからシュークリームの作り方は分かるでしょ?」

 

「……お前のレシピの方が断然美味い……それに、工藤を喜ばせてやりたいしな。俺のレシピとお前のレシピを上手く混ぜた最高のシュークリームをプレゼントしてやりたいんだ」

 

「なぁるほどねぇ……」

 

康太はそこまで工藤さんに惚れてるって事か。

 

「いいよ。協力する」

 

「……感謝する」

 

そう言って再び花壇を整理する康太。

 

「ねぇ、明久くん。土屋君って結構熱心に花壇を整理してるけど……何で?」

 

「ああ、康太は自分で言うのも恥ずかしいらしいから言わないけど、美しい物が好きなんだって」

 

前にそんな話を康太本人から聞いていた。

 

康太は美しいものがとても好きだ。それがたとえ一瞬のはかない美しさでもだ。

 

だから永遠に残せるように写真に残す。

 

その過程でムッツリーニという不名誉なあだ名を付けられたんだけど。

 

「でも、今でも綺麗な物や美しいものは好きみたいなんだ」

 

「へぇ……康太さんってそんな事を考えてたんだ……」

 

康太、君の性格が赤裸々に語られて評価されてるけど、どう思ってるんだろう?

 

「……………(ブルブルッ)」

 

康太は振るえながらも我慢して花壇の整理をする。その耳は真っ赤だ。

 

なるほど、死ぬほど恥ずかしいんだね。この話を工藤さんにしたらどうなるかな?

 

僕はそんな事を考えていた。

 

そして係員の方が持ってきた写真には……自分達、仲良しで締めくくられていた。

 

「それデハ、楽シンでらっシャイまセー」

 

そうして僕等は遊園地を楽しむ事になった。

 

 

 

???SIDE

 

「……こちらK。何か進展はあったか?」

 

「こちらH。MはAの右腕に抱きついて写真を取った模様」

 

「くぅっ!?羨ましい!」

 

「落ち着きなさいS。この見守る任務には隠されたもう一つの任務があるのを忘れないで」

 

「すいません、T。取り乱してしまって……それで、H?MとAは今度はどこに行くの?」

 

「……進行方向にはお化け屋敷とジェットコースター。どちらかに乗ろうとしている模様よ」

 

「よしよし、計画通りね。K、兎と壁は任せたわよ?」

 

「任せとけ」

 

裏ではこんなやりとりが行われていたそうな……。




最後の彼女達、誰が誰かわかったでしょうか?(笑)

大体わかりやすかったでしょうね。

それと今回はちょっと遅くなり申し訳ありません。

もう一つの方はもっと遅くなってるんですけどね……いやはや、難しいね。
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