僕とまどかちゃんは迷っていた。
それというのも
「まどかちゃん、どっちがいい?」
「私はどっちでもいいんだけど……」
今、僕等の前にあるのはお化け屋敷とジェットコースター。
ここで説明しておくと、実はまどかちゃん。どっちも苦手なのである。
というのも、何でも二つとも小さい頃に来た時に怖い思いをしたみたいでトラウマになってしまったらしい。
そこで僕は違う所にいこうか?と提案したところ
「だ、大丈夫だよ!高校生にもなって怖いって理由だけでいかないのもおかしいし……」
そのように返された。
僕としては怖いなら仕方ないと思うんだけどね……しかしまどかちゃんは決して退かずにこうやってどっちにいこうかを悩んでいる。
「よしっ!お化け屋敷に決めた!」
そしてお化け屋敷に向かう事が決まった。
お化け屋敷は何でも廃病院を改造して使っているらしく中々の不気味さがある。
「ううぅぅぅぅぅぅ……」
まどかちゃんは怖すぎるのか入ってからずっと僕の腕に抱きついている。
「まどかちゃん……嫌だったら別のアトラクションに行ってもよかったんだよ?」
「だ、ダメだよ……こういう風にして慣れていかないと……」
いや、ここよりも魔女の結界の中の風景の方が僕にとっては不気味なんだけどね。そんな中、平気だったまどかちゃんは何でここが怖いのかな?
「ひゃっ!?」
突如横から現れた右手に驚くまどかちゃん。
「おおっ。結構精密に作ってあるんだね」
僕は感心しながら進む。
その後もまどかちゃんは腕にしがみついたまま、進んでいく。
「ほら、そろそろ出口だってよ」
看板がありそこには「←出口」と書かれていた。
「よ、よかったぁ……」
そしてまどかちゃんは安心したのか僕から離れる。
すると、それを狙っていたかのように
ボトッ
「…え?」
まどかちゃんの前には……精巧に作られた生首が……。
「………………」
まどかちゃんは動かない。
「お、おぉい?まどかちゃ~ん……?…………ダメだ、立ったまま気絶してるや……」
どうやら安心した所に今のグロテスクな光景だったようで気絶してしまったらしい。
「仕方ないな……ま、慣れてるからいいけど」
僕は気絶したまどかちゃんを背負い、出口へと向かった。
出口の近くにあったベンチにまどかちゃんを横たえる。
「うぅん……このままじゃちょっとまどかちゃんの頭がな……」
ベンチは基本固い。ゆえにまどかちゃんの頭にはちょっとした固い感触があるだろう。
どうしようかな……。
「あ、そうだ」
僕は思いつく。こういう時にはこうすればいいしね。
僕はまどかちゃんの体をちょっと動かすとベンチに座り、まどかちゃんの頭を僕の膝に乗せる。
要は膝枕である。
後はこれで目覚めてくれるといいんだけど……。
ドドドドドドドドッ
「うん?」
何かが走ってくる音が聞こえる……音が聞こえるって結構だよ?
向こうを見てみると……何、あれ?
マスコットの筈なのに纏う雰囲気はマスコットじゃないんだけど……。
「吉井君……」
「吉井……」
「その声……姫路さんに島田さん?」
聞き覚えのある声だった。
というか、何で二人がマスコットになってんの?
「どうしてここにいるのかと……」
「どうして鹿目さんを膝枕しているのを……」
「「説明してくれない(かしら)……?」」
何で二人は怒ってるの?僕、何かした?
「「さあ、説明を……えっ?」」
と、二人と僕の間にこちらもここのマスコット……確かノインだったかな?が立った。
『お客様に迷惑をかけちゃだめだろ?』
ボイスチェンジャーでも使ってるのか知らない声で二人を諫める。
『ほら行くよ?』
「ちょっと待ってください!まだお話が……」
「そうよ!お仕置きが……」
ノインはそのまま二人を引きずって行った。
「何だったんだろう……?」
とりあえずはあのノインの中の人に感謝だな。
KSIDE
はぁ……。
「何で止めたんですか!?」
「そうよ!吉井にはお仕置きしないといけないのよ!」
明久にお仕置きって……こいつらにそんな権限ないだろうに……。
しかしここは学園の外。西村先生は来てくれないしな。
つうか、どんだけ予想通りの行動を取るんだか……。
『お客様に迷惑をかけちゃダメだって言っただろう?彼らは大切なお客様なんだぞ?』
「そんなの関係ないです!早くここから出してください!」
「そうよ!こんな控え室に抑え込まないでよ!こうしている間にも吉井はあの子にセクハラするかもしれないのよ!というかもうしてたじゃない!」
いや、あたしも見たけどまどかはただ気絶してただけで明久はベンチにそのまま寝かせるのはダメだと思って膝枕してただけだと思うぞ?
どうやってそこまで解釈出来るのかホント知りたいんだが……。
『ともかく、お客様に手を出そうとした罰で今日一日、ここでおとなしくしているように。ああ、そうそう。出ようと思うなよ?出る度に探し出して放り込むからな』
そう言ってあたしは控え室を出る。
「こちら、K。とりあえず控え室に抑え込む事に成功した」
『よくやったわK。引き続きMとAの護衛を頼むわね』
「了解した」
あたしは通信機を耳から外して歩き出す。
まどかが抜け駆けしないようにちゃんと見張っとかないとな!
SIDE OUT