魔法少女と召喚獣   作:レゾナ

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第31話 僕の本当の気持ち

夕食の準備を進めていると、家のドアが開く音とリビングとベランダを隔てる窓が開く音が同時に聞こえた。

 

まどかちゃん達も来たみたいだし、姉さんの方も話は終わったみたいだ。

 

「おっ。あっちも終わったみたいだし」

 

「他の皆も来たようじゃの」

 

「そうだね。さて、そろそろかな……」

 

僕は火加減などを注視しながらここだっという所で火を止める。

 

「おぉ……いい匂いだな……」

 

「そうじゃな……にしても、明久はパエリアも作れるんじゃな」

 

そう、今回は結構大所帯になってしまうので皆で取れるパエリアにしてみたのだ。

 

「まあ、理由の大半は僕がパエリアが好きだからなんだけどね」

 

「よし。それじゃあテーブルに持っていくか」

 

雄二がタオルで手を火傷しないように気をつけながら鍋の取っ手に手をかけて、テーブルにまで持っていく。

 

テーブルには既に鍋置きが置かれているのでその上にパエリアを入れた専用の鍋を置いてもらう。

 

「やっほぅ!来たよ明久!」

 

「おっ。今日は明久のパエリアか」

 

「わぁ~!美味しそう~!」

 

「まどか、明久のパエリアは食べた事なかったの?」

 

「うん!だから、すっごく楽しみ!」

 

まどかちゃんは僕の作ったパエリアを見て目を輝かせている。

 

そうだった、確かにまどかちゃん達にはパエリアを作ってあげた事はなかったな。

 

ほむらちゃんには作ってあげたけど……あの時はほむらちゃんを泣き止まさせる為に作ってあげたんだった。

 

ちなみにその時ほむらちゃんは「こんなに、料理が美味しいって感じるの……久しぶり……」って言いながら更に泣いたんだったね。

 

「明久?何か変な事考えてない?具体的には私の過去の事とか」

 

「やだなぁ。そんな事ある訳ないじゃないか~」

 

あ、危ない。本当にロクな事考えるべきじゃないな。何でこんなにもまどかちゃん達には筒抜けになるんだろう……僕ってそんなにわかりやすい?

 

「あ、そういえばアキ君」

 

と、今思い出したかのように姉さんが僕に

 

「合宿の時に覗きを撃退したそうですね」

 

そう言ってきた。

 

「え?何でそんな事知ってるの?」

 

「それは、衛星を…………いえ、情報網をなめないでください」

 

「何だか今もの凄く不自然な単語が紛れてたよね!?衛星ってどういう事!?」

 

僕としてはその辺が詳しく知りたい!僕の家族は一体何をしているんだ!?僕に内緒で!

 

「それよりも」

 

それよりも!?僕の疑問はそれよりもってそんな単純な事なの!?

 

「私としてはアキ君がそこまで誠実に育ってくれて嬉しい限りです」

 

「は、はぁ……」

 

「しかし、私としてはまだ心配です」

 

「心配?僕の何が心配なの?」

 

一応、一人暮らしは出来てると思うんだけど……仕送りに関してもきちんと管理してるし……。

 

「いえ……アキ君に恋人の一人でも早く出来ないのか、と……」

 

「……は?」

 

「「「「っ!!」」」」

 

僕は姉さんの言った事がわからなかった。

 

「いや、さすがにそれは僕の問題だから姉さんは関係ないんじゃ……」

 

「ダメですよアキくん!まさか貴方……不純同姓交友をしているんじゃありませんよね!?」

 

「「「「えっ!?」」」」

 

「お、おい明久……」

 

「……ちょっと今後の対応を考えさせてもらう」

 

「ワシもちょっとの……」

 

「そんな事してないよ!?それとまどかちゃん達!そんなに驚く事!?それと雄二達も!僕はノーマル!いたってノーマルだから!」

 

しかし、そんな主張しても皆の僕を見る目は変わらない。

 

「み、皆!とりあえずご飯を食べよう!ねっ!?」

 

しかし、終始僕を見る目は変わらなかった……とほほ……。

 

 

 

そして、ご飯を食べ終わったので勉強を開始しようと思うのだが……

 

「「…………」」

 

雄二、康太の二人は無言で落ち込んでいるし秀吉に至っては

 

「orz」

 

崩れ落ちてる……何でそんなに落ち込んでるのかな?

 

「「「「秀吉君、ドンマイ」」」」

 

まどかちゃん達はそんな秀吉を慰めてるし……。

 

「あ、明久……お主のパエリアは何であんなにも美味しかったんじゃ?」

 

「うん?んぅ~……まあ、いろんなパエリアに挑戦してみてあれが一番しっくりきたから……かな?」

 

「まさに究極のパエリアという訳じゃな……」

 

「い、いや、本当に美味かった……」

 

「……それに、料理を作る時にも迷いがなかった」

 

「いやぁ、あはは……」

 

ここまで褒められると流石に照れるな……。

 

「さ、さあ!勉強しようか!」

 

まあ、予想通り照れすぎて勉強に身が入らなかったんだけど……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、雄二達が帰っていってまどかちゃん達も自分達の家に戻って……今、この家には僕と姉さんしかいない。

 

姉さんは僕が淹れたお茶を飲んでいる。僕もお茶を飲む。

 

「ところでアキくん……」

 

「ん?」

 

「貴方は、まどかさん達の事をどう思っていますか?」

 

「え?いきなりどうしたの?」

 

「単なる好奇心です……アキくん、そろそろ自分の気持ちに嘘をつくのは止めればいいのではないですか?」

 

「姉さんが何を言っているのかわからないんだけど……」

 

僕はそう言ってお茶を飲む。

 

「とぼけても無駄です。あなたがまどかさん達に()()()()()()のは私達家族は知っていますよ」

 

「ぶうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!???」

 

僕は勢いよくお茶を吹いてしまった。もちろん姉さんに向けてではなく床にだけどね。

 

って、そうじゃない!

 

「げほっ、げほっ!ね、姉さんいきなり何を言ってるの!?」

 

「もう、いいのではないですか?自分の気持ちに嘘を付き続けるのは辛い物です」

 

「いや、だから訳がわからないって!」

 

「そして嘘を付き続けるのは……アキくんが宿している力のせい……そうですよね?」

 

「……っ」

 

そうだ。家族にはきちんと説明はしたんだった……。そんなに驚いてなかったけど。

 

「アキくんの宿した力、ガングニール……魔法少女を殺す衝動を持つ聖遺物……」

 

「………………」

 

姉さんの言った事に間違いはない。

 

ガングニールは最初にガングニールを持っていた所持者の感じた魔法少女への強い憎しみ……それらが代を重ねるごとに薄くなる所かどんどん強くなっていった。

 

「アキくんはその衝動に負けて……まどかさん達を殺すかもしれないと思っている。だからこそ、自分の気持ちに嘘を付き続ける……違いますか?」

 

「……姉さんが何を言ってるのか、わからない」

 

「いい加減に嘘をつくのは止めなさい」

 

「……じゃあ、どうしろって言うんだよ!」

 

僕は思わず立ち上がり、言葉を並べてしまう。その時の激情に駆られて。

 

「確かに僕はまどかちゃん達が好きだよ!もちろん異性としてだ!でも……それでも、どうしようもないんだよ!ガングニールは確かに大人しくなった!」

 

「でも!いつまたあの衝動がやってくるかと思うと怖いんだよ!あの時はまどかちゃんが一緒にいてくれたから抑えられた!」

 

「だから…………僕はこの気持ちを抑えてきた……なのに、何でこんな事をするんだよ……」

 

僕は意気消沈しながら椅子に力が抜けたように座る。

 

「見ていて我慢が出来なかったからです」

 

姉さんはそんな状態になった僕に対していつもと変わらないように接してくる。

 

「見滝原にいた頃から貴方はずっとまどかさん達に惹かれていたのは知っていました……まどかさん、ほむらさん、さやかさん、杏子さん、マミさん……この五人に貴方は惹かれていった」

 

「そうだよ……でも、こんな五股みたいな事は出来なかったし。僕は自分のガングニールがいつ暴走するのかと戦々恐々としながら過ごしてきたよ……」

 

「でも、諦めきれないのでしょう?だからこそ、拒まなかった」

 

そうだ。認めよう。僕はまどかちゃん達が好きだ。だからこそ、まどかちゃん達が僕に接してきても拒まなかった。

 

「もう、いいでしょう?貴方は十分に頑張りました……それに、ガングニールが暴走するなど、誰が決めたのですか?」

 

「でも……」

 

「ガングニールと対話してみてはどうですか?」

 

対話……。

 

「そうして、答えを見つけてきてはどうですか?」

 

「姉さん……わかったよ」

 

そう言って僕は寝間着に着替える。僕自身未熟者な為に対話する為には寝て自身の武器に意識を向けないと対話が出来ない。

 

「お休みなさい、アキくん……出来る事ならアキくんが気持ちに嘘を付かないように願っています……」

 

「うん、お休み姉さん……」

 

僕はベッドの中に入って意識を落とし、ガングニールと対話する準備に入った……。




はい。と、こんな感じで明久は実はまどか達と出会っていた時からまどか達に惹かれていたという設定でした。

次回はガングニールの元々の所持者との対話です。
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