Assault Lily with GODZILLA 〜Kings of the earth〜   作:俺っちは勝者の味方ー!

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アサルトリリィの世界観をぶっ壊す



オワリノハジマリ

Side ??? &三人称視点(混合)

 

 

酷い悪夢を見ているような…そんな気がした。

しかし、身を焦がすような熱風とその都度生じる痛覚にこれは夢ではなく現実であるのだと…否が応でも思い知らされる。

 

日本が誇る中心都市…東京はかつて鎮座していたビル群が跡形も無く消滅し、そこから立ち上る沢山の火の手が常闇に包まれた暗夜を照らす。

 

願わくば、底知れぬ闇で完全に視界を遮って欲しかった。でなければ、眼前の光景に絶望することはなかったかもしれない。

 

 

熾烈な戦場に立つリリィ達。その思考を支配する絶望に拍車をかけているのは、何も破壊された都市の光景によるものだけではなかった…。

 

 

 

 

遠目から見えるその闘いが、あまりにも圧倒的であったのだ。

激突し合う巨体……大気を震わし腹の底まで響くような咆哮……

その衝撃と…声の昂りは諦観している者達の意思に反して、より大きくなってゆく。

 

 

炎に照らし出された怪物のシルエットは、夜闇よりもさらに深く濃密な黒の輪郭を形成していた。

その体躯を支える大木の如き太さを誇る巨腕と巨脚も恐ろしいが、特筆すべきは背に連なる無数の鋭い背鰭の存在だ。それが見る者の恐怖と絶望をさらに煽り、萎縮させていた。

 

また、その怪物に相対する者()の形容も酷く不気味であった。

 

同じく漆黒に包まれた巨体を誇って昆虫にも似た見て呉れの彼等は二体で連携を取り、怪物にその牙を向ける。

激闘で生じた黒煙を隔てて尚も、鈍く光を放つ真紅の眼光は明確な敵意と殺意が宿っているのが分かる。

 

 

……この東京跡地(戦場)において、見た目の不気味さも相まってか昆虫モドキ達の方がリリィが向ける畏怖の視線を多く集めている。

どうあれ計三体の怪物の手によって、かつて存在した東京は壊滅した。その事実は変わりない。

『東京圏防衛構想会議』を開き、特型ヒュージに対抗するべく上がった反撃の狼煙も、無に帰すかの如く呆気なく燃え尽きたのだ…。新たな一歩を踏み外したと言っても良い。

 

 

 

しかし、しかしだ。

 

 

 

これまで彼女らが決死の思いで死守してきた世界が滅びても…、

無辜の民を守る使命を果たさなくてはならないと理解していても…、

 

 

誰もその闘いから目を背けることは出来なかった。

 

 

 

 

 

 

……後に、とあるリリィはこう語った。

 

『かの怪物の闘いぶりは目が離せない程に勇猛であり、私はその背に王の威厳を幻視した』…と。

 

◼️

 

 

 

………時は遡る

 

 

 

私立百合ヶ丘女学院に通う一柳梨璃は得体の知れない不安感に苛まれていた。

特型ヒュージ『エヴォルヴ』の幼体が東京圏西域に浸出したことを受け、他校のガーデンと実質的な協力関係を築いて尚も…このモヤモヤした感情は払拭できない。

 

ヘルヴォル、グラン・エプレ、自身がリーダーを務める一柳隊の三レギオンは、先日行われた『東京圏防衛構想会議』にてルドビコ女学院に派遣される指針が決まったのだ。

今は目先の脅威に集中しなければならない。そう頭では理解しているが、煩悩がまとわりついて離れてくれない。強く意識して一時的に脳内から排斥していても、ふとした瞬間に思い出しては同じ苦しみを繰り返すばかりだ…。

その度に、周りに心配をかけまいと気丈に振る舞い平常心を保とうとしていたが、シュッツエンゲルの白井夢結にはお見通しで…あっという間に見抜かれてしまった。

 

そして今は、現在進行形で悩みを抱える所以を夢結に問われている。

 

「そう…梨璃も不安なのね。私と同じよ」

「! お姉様と…同じ」

「ええ、エヴォルヴが出現して…今まで当たり前だった日常が、ある日突然崩壊するのではないか…。そう思うと、私もとても怖くなるわ。現に、梨璃を失うかもしれない恐怖に怯えて、落ち落ち眠れる夜が少なくなってしまって…」

 

夢結の表情が陰かかったその時、梨璃は彼女の恐怖に震える手を優しく包む。

 

「お姉様。私が不安になったばかりに、また嫌な思いをさせてしまってすみません…。でも私は、お姉様の前から居なくなったりなんてしません!絶対にです」

「! 嫌な思いなんて…そんなことはないわ。私の方こそ、ごめんなさい」

「はい!これでおあいこです」

「…ふふ」

 

活力に溢れる笑顔を向ける梨璃。その姿を見て、ああ…本当に強くなった、と誇らしい気持ちで一杯になったのは彼女には秘密にしておこう。

初めてこの学院で出会った頃とは比べものにならないくらい肉体的にも精神的にも成長したと実感する。

これもまたシルトと親密な関係を持つシュッツエンゲルならではの特権だろう。

 

 

 

ゴーンゴーン…!

 

 

 

平和な時は突如として終わりを告げる。かつて百合ヶ丘が管轄していた由比ヶ浜ネストの殲滅を以てしても、ヒュージの侵攻が(とど)まる訳ではない。

他の地域のネストを経由して発生するケイブから、人類の怨敵たるヒュージはうじゃうじゃ湧いて出てくる。

今回もまたその例に漏れず、ヒュージ群が鎌倉の住宅街近辺に出現したのだろう。

ルドビコ女学院への遠征を間近にして発生した出動要請…。大仕事に取り掛かる直前で発生するトラブルなど、大抵の者は表に出さずとも僅かに辟易してしまいそうだ。

 

「行きましょう、お姉様!」

「ええ!」

 

しかし、この二人に限って躊躇する余地などというものは欠片も存在しなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………………目覚めの時は近い

 

◼️

 

 

激しい戦闘痕の残る戦場で、一柳隊は最後のヒュージの群れを追い詰めていた。

複数の群れを成し住宅地を目指していた彼等を分断させて掃討し、壊滅まで漕ぎ着けた手際の良さは、偏に楓という司令塔があってこそだろう。

彼女の指示通りの動きを卒なくこなせるようになった今の一柳隊に死角は無い。

 

「皆さん!残るヒュージは僅かです。一気に畳み掛けましょう!」

「お待ちになって、二水さん。確かに相手はスモール級やミディアム級といった烏合の衆であることに変わりありませんが、油断は禁物です。最後まで気を抜かずに行きますわよ!」

「は、はい!」

 

「ミリアム、大丈夫?」

「うぅ〜…何とか平気なのじゃ。わしはまだいけるぞい」

「フェイズトランセンデンスを発動した後では、いくらミーさん自身が動けると言っても限度があります。雨嘉さん、私達はミーさんの援護に回りながら、敵を迎撃していきましょう」

「うん、分かった…!」

 

各々が戦闘態勢を整えて、ヒュージを見据えたその時……

 

◼️◼️!?

『?』

 

突然甲高い金切り声を上げて、文字通りその体を右往左往し始めるヒュージ。よく見れば、群れの全員が一様に同じような動きをしている。

 

「何かの攻撃の合図か?」

「……いや、攻撃を仕掛けてくる気配はないゾ。というより、むしろ…」

「怯えているようにさえ見えるわね」

 

ヒュージの顔色なんて分かるわけもないが、どう見たって様子がおかしい。万が一攻撃を仕掛けてくるのだとしたら、動揺なんてするはずがないし互いの体がぶつかり合ったりもしないだろう。

敵達の様子の豹変ぶりに、呆然としている一柳隊。直後……

 

『!?』

 

ズズズ…と大地が揺れ動く。初めは本当に小さかったものの、それは次第に…腰を入れて踏ん張らなければ立っていられないほどの衝撃と化す。

 

「くっ…!」

「お姉様!」

 

梨璃は考えた。今にして思えば、得体の知れなかった不安の正体は()()だったのかもしれない。と

 

百合ヶ丘学院に入学してからというものの、地震の発生する頻度は今まで甲州で過ごしていた時よりもやけに多くなっていた。

雨嘉の故郷であるアイスランドでの火山活動も、今年に入って何故か活発になり始めた…と彼女が心配そうに漏らしていたのも記憶している。

ここ日本でも地震発生の増加を受けて、()()()が再び活火山化するのではないか…なんてニュースも話題になっていた。

 

これだけ不安な心を増幅させる要素が日常を取り巻いていたのに、何故目を逸らし続けていたのだろう。

そう後悔した時には既に……世界の在り方が大きく変わり始めていた。

 

◼️

 

 

 

生命の循環を体現せし女王は、王の目覚めと共に卵から孵り…

 

 

最も古き山の化身は、自身の聖域(縄張り)を侵す害獣(ヒュージ)達を踏み躙り…

 

 

大牙を携えし巨神は、荒地を歩みそこへ新たな生命の息吹を吹かし…

 

 

大海の遊覧者は、海に蔓延るネストを凍てつかせ…

 

 

髑髏島の守護神は、同胞達の覚醒に呼応するかの如く雄叫びを上げる…。

 

 

 

 

古よりこの星の生態系の頂点に君臨せし怪物…タイタン達が目を覚ます。かつての地球の姿を取り戻さんと…その怒りを露わにして。

今回は、その内の一体の動向について注目してみよう…。

 

◼️

 

 

……メキシコ イスラ・デ・マーラ島

 

 

火山島であるこの島は、かつては周辺の海域で海流が複雑に入り混じる自然現象を存分に生かした漁業が盛んで、賑わいと笑顔で溢れていた。

シンボルである活火山の観光なども有名であったため、()()()()()()()…より栄えた島になっていたことだろう。

 

……だが今では、15年前に起きたケイブ発生を機にこの島は放棄され、ヒュージの巣窟と化し、かつての賑わいは見る影も無くなってしまった。

メキシコやアメリカのガーデンが奪還作戦を決行するも、既にアルトラ級までもが根付いたその島はもはや誰の手にも負えない状態となっており、以降は火山島近辺で積極的なヒュージの撃退は行われなくなった。

悔しいことに、現状ではせいぜい…島から浸出してきたヒュージを迎撃する程度しか為せることはないと、各ガーデンはそう判断を下した。

そんな背景があるために、今も尚イスラ・デ・マーラ島は放棄され続けている…。

 

そんな訳ありで深刻な問題を抱えるこの火山島だが、今再び…新たな闘いが幕を開けようとしていた。

 

 

 

およそ450年周期で活発化するというこの火山は、まだその時期に至っていないにも関わらず、火口から灼熱の炎を噴いている。

 

 

KYURAAAAA!

 

 

島の全域に鳴り響くほどの鋭い咆哮…。その声の主は、真っ赤な炎と溶岩に隠した巨体を曝け出す。

その全貌は中世代に栄えた翼竜に近しい体躯であり、現代の猛禽類にも似た特徴を有している。が、その大きさは翼が火口を大きくはみ出すほどに巨大だ。

両翼は火山を寝床にしている影響からか、絶えず燃焼し続けている。頭部に生やした二本の角は、正しく件の怪物を『炎の悪魔』と言わしめるに相応しいものだ。

 

天空の覇者… ラドンが、ここに蘇った。

 

 

ラドンは多くの敵意が込められた視線が自身に向けられていることを、目を覚ましてすぐに気が付いた。

彼はヒュージ程度のちんけな殺意を歯牙にもかけなかったが、己の本能がその視線を向ける元凶達を()()()()と強く告げている…。

 

 

KYUAA!

 

 

そこからの彼の行動は早かった。

強さの程度こそ知らぬが、自分が床に就く場を他のライバル達に占領されているのはとにかく気に入らなかった…という理由もある。

 

彼は火山を下りてゆく。

彼が一度羽ばたけば、ヒュージ達はおもちゃも同然のように吹き飛ばされ、音速飛行に伴って発生する爆風と衝撃波は、吹き飛ばされたヒュージの体にさらなる追い打ちをかけ死に至らしめる。

ただ飛ぶだけで災害と化すタイタンを前に、地を這うヒュージ達は手も足も出ずに絶命していく。

 

それが残るヒュージ達をさらに興奮させ怒りを買うことになっているのだが、ラドンはそんなことは露知らずに悠々と空を羽ばたいている。

 

その後もヒュージの攻撃の刃は、全くもってラドンには届かなかった。前方から突撃するヒュージも複数いたが、難なく躱された後に翼の風圧に巻き込まれてあえなく死んでいった。

 

 

そして、島の全てのヒュージと建物がソニックブームによって消し炭になったその時。

再び火口に舞い戻って翼を休ませていたラドンを見据える最後の(ヒュージ)が現れた。

 

 

GYU?

 

 

管轄する同胞の死に勘付いたネストの主ことアルトラ級ヒュージの出現に不思議そうに首を傾げるラドン。

何せ今まで相手にしていた雑魚共とは大きさも見た目も異なっていたものなので、警戒心よりも純粋な懐疑心の方が(まさ)ってしまった。

 

◼️◼️◼️!!

 

同胞を死に追いやった…リリィ以上の天敵を前に吠えるアルトラ。

その一声には、これ以上の蹂躙を許さないという牽制の意が込められていた。

……この期に及んでこのヒュージは、闘わずして生き永らえようとしているらしい。

しかし、

 

 

KURAAAA!!

 

 

アルトラの牽制は挑発と捉えられ、ラドンの神経を逆撫でしてしまった。元より好戦的な性格のラドンに対して、穏便にことを済ませようとするのは無理があったようだ…。

そして、この島はラドンにとっての領域(テリトリー)だ。そこに土足で踏み込んだ彼等に情状酌量の余地などありはしない。無論、眼前にいるこの愚かなアルトラにも。

 

 

最後の標的に襲い掛かるラドン。それを迎え撃つはマギの弾丸の嵐。

初めてまともなダメージを感受したラドンは一瞬悲痛な鳴き声を発するが、そこからは慣れたもんだと言わんばかりに海上のアルトラへと急接近してゆく。それにつれて弾丸の質量と密度はより上昇していくが、高速横回転飛行で攻撃の威力を殺し撃ち落としながら突き進む。予想だにしない戦法に臆するばかりのアルトラは、ついに懐への介入を許してしまった。

 

余談だが、ラドンとアルトラ級とでは、純粋な大きさだけで比較すればアルトラの方に軍配が上がる。

が、うん十万年という悠久の時を生きた暴力の化身を相手にするのはいくらヒュージでも分が悪い。そもそもの年季が違いすぎるのだ。

 

ぽっと出の新参者が歴戦の怪物と同じステージに立てる訳が無く、一方的な闘いへと持ち込まれる。

鋭利な嘴で腕をもぎ取られ…翼が巻き起こす熱風に強固な外骨格はいとも簡単に溶かされる。

ラドンが繰り出す殴打はヒュージの内臓(らしきもの)と青い体液を撒き散らし、周囲一帯を嗅ぎ難い異臭で埋め尽くす。

アルトラも決死の抵抗とばかりに体外にマギを射出し、ラドンの撃墜を試みる。

しかし、全ての攻撃は先々まで読まれ、超高速飛行で悉く回避される。

 

さらにはマギを放出する度、肉体に負荷が掛かるためどうしても隙が生じてしまう。すると、ラドンはその隙を見逃さずに速攻を仕掛けてくる。為す術の無いアルトラからすれば溜まったものではなかった。

 

 

…とうとうこの闘いに終止符を打つべく、ラドンはデカブツの首と思しき部位に豪快に噛み付いた。

嘴で隠した牙を首に立てながら、彼は羽ばたきその身をよじる。さながらワニのデスロールを連想させる動きで敵の急所を的確に狙い、いよいよ殺し(止めを刺し)にかかる。

ブチブチィ…!と嫌な音を立てて、アルトラ級の頭と体がさよならしそうになってゆく。

 

 

 

……そしてついに、一際大きな断裂音が鳴り響いたその瞬間、ヒュージは己の死を悟ると共に深く絶望するのだった。

 

 

 

どう足掻こうとこの怪物には勝てない、と……。

 

 

KYURAAA!!

 

 

高々と勝利の雄叫びを上げるラドン。その咆哮は、自身が支配する領域(テリトリー)から害虫を駆除出来たことを大いに喜んでいるようにさえ聞こえる。

ラドンとヒュージによる縄張り争いはラドンの圧勝という結果で幕を閉じた。

 

 

……と、強者の風格を醸し出していたラドンは突如として弱々しい鳴き声を発する。火山の岩肌に翼をぐったりと広げ火口にその身を預ける姿は、とても闘いで勝利を収めた者には見えない。

実はこの唐突な衰弱の原因は、先ほどのアルトラ級との戦闘にある。

負のマギを収縮させた砲弾をもろに喰らい続けた結果、身体的なダメージこそ蓄積されることは無かったが…その反面、強烈な倦怠感と疲労感に苛まれることになってしまった。

 

しばらくは休息を要することになるだろうが、タイタンとは幾度も激変してゆく地球環境に何度も順応してきた…

謂わば適応能力が非常に優れた種族なのだ。負のマギの影響もあっという間に、受け流してしまえるだろう。

 

 

 

 

……その後の調査によると、この闘いが地球史上初となるタイタンとヒュージとの激突であると判明した。

 

人類はさらなる未曾有の存在を前にして何を思うのか。

また、果たしてタイタンはヒュージの天敵として君臨するのか、はたまた人類諸共殲滅する支配者として立ちはだかるのであろうか…。

 

 

 

 

世界の終焉が始まる。もう誰にも止められない。

 

◼️

 

 

「………」

 

ある施設にて…モニターに映る映像を真剣な眼差しで見つめる一人の男性の姿があった。その映像は、陥落指定都市に定められたイスラ・デ・マーラ島で復活したラドンが、島を占拠するヒュージ群を瞬く間に撃退していく様を映し出したものだった。

見る者によっては大きな衝撃を与えるであろうその映像を見ても、彼は全く動じる様子は無かった。むしろ、この結果は当然のものだろうと達観してさえいる様子だ。

 

「いよいよか…」

 

男性は自身の滞在するこのバミューダ海域で監視下に置かれていた()が行方をくらませたことを受け、一つの仮説を立てていた。だが、ラドンによる蹂躙劇を目の当たりにしたことで、彼の中でその仮説は確信へと変わっていた。

 

彼の名を、芹沢猪四郎。

特務研究機関… MONARCH(モナーク)に所属する生物学者である。ヒュージが出現するより以前から発足していたこの組織は、タイタン……

別称『未確認巨大陸生生命体(M U T O)』の存在を認知しその生態の調査を推し進めていた。

近年はヒュージという脅威の襲来を受け暫く日の目を浴びることは無かったのだが、怪物の存在が公となった今…モナークが再び表舞台に返り咲くことになるのは必然的だろう。

 

タイタン対処の最前線に立つ芹沢は、彼等の目覚めに希望と懸念…二つの相反する感情を抱く。

このご時世、全ての人間の誰しもが『平和に生きたい』と強く願っている。それ自体は芹沢とて同じ思いだ。

しかし問題は、人類がヒュージ以上の脅威になり得る者達と直面した時、どのような道を選ぶかだ。

 

最も危険視しているのは、ありったけの軍事兵器と人員を導入して彼等を排除せんとする…『対立』という選択。

最悪の場合、その選択の末には未来ある若人(リリィ)をも巻き込んだ交戦になりかねない。

………いや、どうあれ彼等に立ち向かったその時…破滅を迎えるのは我々人類の方なのだ。

ヒュージにも板挟みにされた人類に残された選択は、タイタンと『共存』する道の他に無い。

そうなれば怪物の存在を善しとしない者との衝突は避けられないだろう。

 

……だが、機は熟した。()()達の後ろで守られその背を傍観している時はもう終わったのだ。

一人の大人として責任を果たす時が来たと考えれば、周りから浴びせられる非難など苦にはならない。

 

重い腰を上げた芹沢の表情はまさしく、これより降りかかるであろう重圧を覚悟した(おとこ)の顔であった。

老いと憂いを感じさせないその表情は、彼の第一印象たる好々爺を想起させることを拒んでいるかのようだ。

 

 

 

………芹沢は願う。闇夜を払う陽光が人類や彼等に等しく注がれる時の訪れを。




はい、今回のメインタイタンは2代目ゴマすりクソバードことラドンくんでした〜!
そして、ドハゴジと言えば猪四郎さん。これは譲れない。

当作品の猪四郎さんは『モンスターバース』シリーズの彼よりも年老いている設定です。
話の中の時系列が飛び飛びで分かりにくかったですかね

感想と評価もお待ちしてます!

既に製作確定済みの次章だけど、そのさらに次の章で活躍するレギオンはどっちが良い?

  • ヘルヴォル&グラン・エプレ
  • アールヴヘイム&ロネスネス
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